Posted by 一二三 - 2012.04.01,Sun
皆様に一二三から重大発表!
実はワタクシ、これまで偽っておりましたが・・・!;
ホ ラ ー な の で す!!( ゚д゚)
・・・はい、というわけですいません!!;エイプリルフールお疲れ様でした。
すいません!ほんとはせっかくの4月1日なので、盛大な嘘祭りをしようとネタだけは用意してたんですが、多忙に次ぐ多忙で無理でした・・!;orz
もし来年までこのサイトが生きておりましたら、その時は必ずやらせていただきます!
『暗黒騎士キバ様のサイトハイジャック★』を・・・!
日記から小説から何から全部キバ様という、誰も得しない状況にしてやりますYO☆
ねっ!(*´∀`*)
それはおいといて、本題にww
今回UPする話は 長編小説 『Gott ist tot, Gott bleibt tot.』の7話目になります!
我ながら長ぇ!(´Д`|||)
付き合って下さる皆様、毎度誠にありがとうございます!!
全く読んだことのない方は2011・2012年索引カテゴリーに、シリーズのリンクを貼っていますので、そちらから飛んでいただければ幸いですv
今回はいよいよクライマックス・・!
エピローグはすみません;やっぱり後日UPしますね。(長すぎですので;)
怒涛の展開になっています。
そしてまさかのあの人登場・・・!
救いの手は誰の手か!?
それでは「つづき」クリックで小説 『Gott ist tot, Gott bleibt tot. Ⅶ. 』へどうぞ。
―――・・・
「私はね、だた・・・芽衣子に、
未来が閉ざされていても・・・
生きてて良かった。生まれてきて良かった。
そう思わせてあげたいんですよ。」
目を伏せた彼の表情は伺えなかった。
次に顔を上げたとき、占い師はあの柔らかい微笑みを浮かべて自嘲を口にする。
「高慢な親ですよねぇ・・・。」
「そんなこと・・・!
きっと芽衣子ちゃん・・・お父さんが大好きですよ。
すごく大切に想ってるの・・・わかってくれていると思います。」
慌てて否定をした私の胸に今は亡き父の面影が浮かんでいた。
「ありがとう・・・。」
彼があの時見せた、儚い笑顔。
・・・鋼牙とよく似た笑顔。
それは今もはっきりと私の胸に刻まれている。
・・・そう。
望んだものは決して大それた幸せなんかじゃなかった。
きっと誰もが持ってるはずの、小さな小さな幸せ。
朱塗りの剣とザルバを携えた鋼牙と共に通路を引き返す。
変わらず血の気のない彼の横顔を食い入るように見つめた。
「カオル・・・本当にいいのか?」
浅い吐息とともに、鋼牙が吐き出すように尋ねた。
「ほんとは怖いよ・・・でも。
私は、見届けたいの・・・・。
ううん、見届けなきゃ。」
「だが、もしもの時は・・・俺は何よりもお前の命を優先する・・・いいな?」
鋭い眼光で告げられた言葉には、私の意志など挟ませない気迫があった。
ただうなづくことしか出来なかった。
私に、鋼牙を・・そして占い師さんを止める力など無いかもしれない。
でも私は、自分がどうしたいのかもう知っている。
今ここで逃げたら、この先一生後悔する。
だって私は鋼牙と共に生きると決めたんだもの。
ここで逃げたら・・これからもずっと逃げ続けなきゃいけなくなる。
占い師さんと芽衣子ちゃんがいる部屋の扉の前に辿り着くと、鋼牙はドアノブに手をかけた。
この扉の向こうにある世界が、どんなに地獄でも。
それが鋼牙、あなたの生きる世界なら・・・私はもう踏み込むことを躊躇わない。
―――・・・
「ひっ・・・!」
部屋に入って、目にした光景にカオルは思わず口元を覆った。
芽依子の身体は見る影もないほど異様な姿に変わってしまい、細長い奇妙な節足の先はまるで槍のようにとがっている。
芽依子の背中から生えた巨大な蜘蛛はその鋭利で長い脚をワサワサと蠢かせながら、目の前の父親の胴を突き刺していた。
鈍い音を立てながら蜘蛛の足は引き抜かれ、まるで糸を切られた操り人形のように占い師の身体が床に崩れる。
「占い師さん!」
叫び声を上げて飛び出しそうになったカオルを、鋼牙は後ろに追いやりながら魔戒剣を抜いた。
鋼牙の威嚇する先に、おぞましい姿のホラーがいる。
「うそ・・・!これが芽衣子ちゃん!?
芽衣子ちゃんなの!?」
《ちっ・・!完全にホラーと同化したか・・!》
カオルの絶望に満ちた言葉にザルバが中指で舌打ちした。
床にうずくまる占い師が、咳き込みながらわずかに上体を起こして笑う。
「ふ・・・ふふ・・礼を・・言うよ・・・鋼牙君。」
占い師は細く笑いながらボタボタと床に血だまりを広げて立ち上がり、鋼牙を見つめた。
「君がいてはじめて私は・・・
今何のためらいもなく、娘のために命を賭けることが出来る。
君に芽衣子は殺させない・・・!」
鉈を懐から掲げた占い師は、ホラーと化した娘を庇うように立った。
黒いスーツに滲む血を二の腕を当てて抑えながら片手で武器を構える姿に、鋼牙は眉をしかめる。
「この戦いに意味はない。
武器を納めろ・・!」
「意味なら・・・あるさ・・・。
君が魔戒騎士で、私の娘はホラーだ。
理由なんてそれで充分だろう?」
「どう・・して・・・!!
大切な娘をホラーなんかに・・・っ!!
苦しむと、分かっていてなぜだ!?」
占い師に向けた鋼牙の剣先は小刻みに震えていた。
怒りからか・・・悲しみからか。
悲痛に絞り出した声に、「斬りたくない」という思いが潜んでいることをカオルだけは知っていた。
「孤独は・・・人を狂わせる。
耐えられるものは多くない・・・。
私や君がこれまで斬ってきた者達と同じさ。
弱さが死に値する罪だというのなら、その手で断罪してみせろ・・!」
獣のような唸り声を上げて、二つの剣が交わった・・・!
激しい剣戟の音が鐘塔にこだまする。
すでに深手を負っている二人の戦いは、泥臭さすら感じるほど必死なものだった。
動けば動くほど、床に血が飛び散る。
まるで2匹の狼が互いの喉笛に噛みつくような、激しさと血生臭さにカオルは心の底から震えた。
怖かった。
殺気立った空気に鳥肌が立ち、冷たい汗が噴き出る。
これが鋼牙の姿。
本気で殺し合う姿だ。
それは自分に向けられる優しい感情とはまるで正反対で、カオルは別人のようだ、と思った。
その鋭い殺気に全身が凍りつく。
もうやめて。
もう見たくない。
鋼牙が戦うのが辛い。
そして辛そうな鋼牙を見るのが辛い・・・。
愕然と立ち尽くすカオルに、芽衣子の身体から生えた鋭い脚が迫る。
!!
白い背中がカオルを守るように立ちはだかった。
鋼牙は迫りくる蜘蛛の足を一本切り落とし、一撃を防ぐ。
悲鳴を上げて他の足を蠢かせる芽衣子がわずかに後退した。
「よくも・・!」
目を赤くして迫る占い師に、鋼牙は回し蹴りを食らわせ距離をとる。
再び魔戒剣を構え直し、荒い呼吸を繰り返しながら背後のカオルに語りかけた。
「俺が怖いか、カオル・・!」
「こ・・が・・・」
震えて何も答えられないカオルに、鋼牙は薄く笑う。
「怖いよな・・・。
お前には俺の姿がどう映るのか分からない・・・っ・・。
正しいのか、間違っているのか・・・。
だが、必要なんだ!」
「うっ・・・!」
カオルは唇を噛みしめて嗚咽を抑え込んだ。
そうよ、・・・・私は見なくちゃ・・・。
正しいとか間違ってるとかじゃない。
それが『必要』なんだ。
鋼牙はずっと戦ってきた。
負ければ死が待っている。
生きるためには戦うしかなかったから・・・。
「・・・やはり俺は外道だ。
こんな姿でしか、お前を守れない。」
「鋼牙・・・!」
そんなことない・・・。
あなたは必死に応えてくれた。
私の思いに今も応えようとしてくれてる。
今まで貫いてきた自分の信念を捻じ曲げてでも、私を信じてくれている。
だから私も・・・!
カオルは目に溜まった雫を振り飛ばして、芽衣子に向かって叫んだ。
「芽衣子ちゃん!!
聞こえてるんでしょ!?
お願い・・・答えて!!
あなたを助けたいの!」
「何を!?」
カオルが芽衣子に呼びかけるのを、占い師は驚愕の表情で見つめる。
その時、芽衣子の背中の足の動きがわずかに鈍った。
「くっ・・!やめろ!!」
慌ててカオルを止めようとする占い師の前に、再び鋼牙が立ちはだかる。
「邪魔はさせない!」
「何のつもりだ!冴島鋼牙・・!」
互いの剣圧を受け止めながら睨み合った。
「ホラー化しても娘の人格が保たれることが貴様の望みだったはずだ!
なぜ止める!?」
「―っ!黙れ・・!!
君のような人間に私達の何が分かる!?
私達の弱さが・・・!!
生まれながらにして死刑を宣告された者の気持ちが!!」
「ぐっ・・!」
震える刀身が占い師の嘆きを受け止める。
喉の奥から押し出すように吐き出されたものは叫びだった。
「憎い・・・!憎い、憎い!この世のすべてが憎いっっ!!
なぜ私の娘が死ななくてはいけないんだ!
全てを犠牲にして、人々守ってきた・・・!
それなのになぜ私達が罰を受ける!?」
滔々と溢れ出す涙の向こうに、ぽっかりと暗闇が淀んでいる。
同調をおぼえるその瞳に、鋼牙の胸は鋭くえぐられた。
血が滲むまで唇を食いしばる。
「多くの命を奪った。
その責めは負わねばならない・・・!」
絞り出すように語ったそれは目の前の男に向けたものなのか、それとも己自身に言い聞かせるためのものか・・・。
「私の命などくれてやる!
だが娘だけは・・ 芽衣子だけは・・・!
君にだってすべてを犠牲にしてでも守りたいものがあるだろう!?」
その時、交差して拮抗しあう剣をホラーの鋭利な足が弾き、鋼牙も占い師も後退する。
芽衣子ちゃんが、止めた?
カオルはホラーと化してしまった芽衣子を見つめる。
占い師の叫びに、カオルは彼がなぜ多くの魔戒騎士の中から鋼牙を標的に選んだのかを知った。
その声は確かに助けを求めている。
タスケテと言っている。
―『誰か助けて』
残酷な表情の裏側に潜む、悲しい笑顔の理由を。
「・・・止めて、ほしかったんだよね・・・。」
部屋中に張り巡らされた足の中心にいる彼の娘をカオルはじっと見つめる。
少女の小さな肩が震えているのがみえた。
芽衣子ちゃん・・・こんなになるまで気づいてあげられなくてごめんね・・・。
あの時、公園で出会ったとき・・・気付いてあげていればよかったのに。
「分かるよ・・・。
私には分かる。」
「やめろ!御月カオル!!
うっ・・・!」
占い師は血反吐を吐いて床に膝をつく。
「占い師さん!もうやめて・・・!
芽衣子ちゃんだってそれを望んでる!」
はっきりと死相の出た顏で、占い師はカオルに薄く笑った。
「ふ・・ふふふ・・・ああ、そうだ。
君達の言うとおりだよ。
そうだ、こんなことは間違っている。
君たちから見れば・・さぞ、滑稽だろうね。」
「でも構わないんだ。
身も心もホラーになった娘に、たとえ食われようと・・・それでも構わない、と私は思ったんだよ。」
うつろな瞳の奥底に・・深い慈愛を垣間見て、カオルは絶句する。
「・・・-!」
「だからこそ、どんなに残酷なことでも出来た。
私は芽衣子のためにあらゆるものを犠牲にした。
死者を冒涜し、君達人間を何十人と殺してきた。
あの子を救うためなら私は闇に堕ちることもためらわなかった。
そして今、命が尽きる最期まで娘のために戦える。
これ以上の幸せがあるか・・・・!!」
この男は最後までただ一人の娘を守るためだけに戦う気だ。
それがかつて魔戒騎士であったこの男の矜持なのだろう。
騎士ならば戦いの中でこそ死を迎えたい。
最後まで愛する者のために戦い、守りしものとして果てる。
それは鋼牙の理想でもあった。
・・・・かつて父がそうしたように。
だからこの男の気持ちは分かる。
同情も、憐みも欲していない・・・ならば・・・。
鋼牙は再び魔戒剣を構え直す。
銀色の矛先に、血にまみれる男がいた。
斬れというのか・・俺に・・・。
霞む視界が額に浮かんだ汗でぼんやりと滲み、苦渋に顏をしかめた。
目の前の男は「俺」だ。
もしもカオルの命が尽きるとしたら、俺はそれを全力で阻止しようとするだろう。
その時俺は・・・この男と同じ選択をせずにいられるのか?
自分の命よりも大切なものの死を、ただ耐えて見続けることができるのか?
いや、出来る出来ないじゃない。
やらなければ。
この陰我を、断ち切らねば・・・俺はガロなのだから。
「もう・・・いいよ、おとうさん・・。」
少女の小さな声が殺気に満ちた部屋にこだました。
「! 芽衣子・・!」
「ごめんね・・・・。
おねえちゃん。」
「めい・・こちゃん!?」
そのまなざしに少女のあどけなさは無く、疲れたようにカオルを見つめる。
「・・・私達の最期の希望を、あなた達に託したこと。
どうか許して・・・」
幼子の声に、理知的なホラーの声が混じる。
部屋の片隅に置いてあったポリタンクを鋭利な足で突き破った芽衣子は、中身を部屋中にぶちまけた。
独特の匂いに、引火性の液体であることを知った鋼牙は急いでカオルの元に駆け寄る。
「っ・・!カオル・・!!」
鋼牙がぎゅっとカオルの細い身体を抱き込んだとき、空気が燃え盛った・・・!
爆音とともにひどい耳鳴りに襲われる。
まるで昼間のように辺りが明るくなったと思った矢先、焼け付く痛みを喉に感じた。
「うっ!げほげほっっ!
んぐ・・・め、芽衣子ちゃん!!」
鋼牙の腕の隙間から煌々と燃え盛る炎に巻かれるホラーの足が見えた。
バチバチと音を立てて黒い煙を立ち上らせている・・・!
「いやっ・・・!
いやぁぁーー!芽衣子ちゃん!占い師さん!!」
錯乱して炎の中に手を突っ込みかけたその時、鋼牙が無理やり引き戻す。
「離して!!離して!!」
髪を振り乱して叫び声を上げるカオルを鋼牙はただ胸に閉じ込めた。
《鋼牙っ!
火の回りが早い!
このままじゃお前もカオルも・・・!》
ザルバが焦った声で警告する。
ああ、分かっている。
くぐもった悲鳴をやめないまま、カオルが俺の胸を殴った。
その手を握りしめて、俺はゆっくりと落ち着かせるようにカオルの顏を覗き込む。
「カオル、カオル・・・」
「お願い、おねがい鋼牙・・・!
お願い、見捨てないで!!」
カオルの瞳に絶望の色が広がっていく。
止められないのか・・・?俺には・・・。
《カオル!もう無理だ!!
あの二人は死にたがっているんだ!
お前にだって分かっているだろう!?》
「ひ!・・・うっ・・・」
ザルバの言葉にカオルは腕の力を失って項垂れた。
「・・・。すまん、ザルバ・・・、カオルを導いてやってくれ。」
「こう、が!?」
《なっ!?
お前何を・・・!
自分の状況わかってるのか!?》
体力はすでに限界を越えている。
足元もおぼつかず、もう剣を振る力も残っていないだろう。
鋼牙は自分の左中指からザルバを抜くと、両手でカオルの手に握らせた。
「カオル、良く聞くんだ。
扉を左に抜けた先に小さいが窓がある。
お前ならきっと通れる。」
「鋼・・牙・・私ッ・・わたし!」
「何も言うな・・・ 言わなくていい。
俺が守りしもの、だと・・・お前がそう信じてくれている。
そう思えることが、何よりも大切だったんだ・・・。
だから、いいんだ。」
穏やかなその瞳をいつものように鋭くさせて、鋼牙はカオルの背中を押す。
「行け・・・!早く!」
声の指し示すまま、カオルは震える足で駆けだした。
肌に触れる空気はカンカンに熱せられて痛い。
これ以上、鋼牙の足手まといにはなりたくない。
ただその一心が、カオルを突き動かしていた。
鋼牙に言われた通り、小さな窓に足をかけて屋敷から這い出る。
外は夜の景色、建物の正面を見ると匂いと煙に気付いて集まった人々が館の前でざわついていた。
「ザルバ・・・私、間違ってたのかな・・・。」
二人を追い詰めてしまったのは、私なのかもしれない・・。
《あの二人には・・・もう人として生きていく術が無いんだ。
だが、せめて人として死ねるなら・・・
お前のやったことは決して無駄でも間違いでもない。
お前が居なければ、あの子供の笑顔は戻らなかったはずだ。》
芽衣子が火をつける直前に見せた最後の表情。
それは紛れもない笑顔だった。
「あの芽衣子ちゃんは・・・ちゃんと芽衣子ちゃんだったよね?
そう信じていいよね!?」
ホラーに憑依されていても、あんな姿になってしまっていても、あれは芽衣子ちゃんだと・・・。
《鋼牙もそれを信じたから残った。
人を守るのが魔戒騎士の使命・・・、だからな。》
ザルバはそう応えると、カチリと目を閉じた。
煙に混じって火の粉が夜空に舞い上がる。
遠くから薄っすらとサイレンの音が聞こえた。
「鋼牙・・・・。
お願い、早く出てきて・・・!」
―――・・・・
「お父さん。」
背中から生えた足は焼け落ち、少女はかつてないほどの身軽さを憶えながら、床にうずくまる父親を抱きしめた。
「・・・お父さん、憶えてる?」
「・・?」
「むかしね・・・お母さんが大切にしてたコップ、芽衣子が1つ割っちゃったでしょう。
そしたらお父さんが残ってたコップも全部割って自分がやったんだ、って言ってくれたよね?
・・・えへへ、結局バレて二人してすっごく怒られたちゃったけど。」
「・・・そんなこともあったな・・・。」
「ふふふ、他にもたくさんあるよ!
お父さんはいつも芽衣子の味方だったね・・・。」
「ごめんよ、芽衣子・・・。
最後の最後で、お父さん・・・芽衣子の味方じゃなかった・・・。
芽衣子のこと、ちっとも分かってなかった。
芽衣子のためだなんて言ってたけど、本当は全部お父さんの我儘さ。
辛い思いをさせて、ごめんな・・・。」
占い師の瞳から一筋涙がこぼれた。
「おとうさん・・、芽衣子生まれてきて良かったよ・・・!」
周囲を炎で囲まれ、この部屋はもうすぐ焼け落ちるだろう。
けれど、恐怖は無かった。
悔いもない。
私は娘のためにやれるだけのことをやった。
やりたくもないことも。
救えはしなかったが、せめて・・・
自分達にできる償いは、死しかないと・・・ずっと覚悟を決めてきた。
もう、これでなにもかも・・・
そう思った時。
「おい!聞こえるか!?
早く手をのばせ・・・早くっ!!」
焼け落ちた梁とドア枠の隙間から、呼びかける声が届いた。
「なぜ、戻った・・・鋼牙君・・。」
炎にまかれて死ぬ気か?
私達を斬りに来たのか?
「お前たちを救ってやる!!」
冴島鋼牙は燃え盛る家具や障害物を蹴り倒してこちらに向かってくる。
私はそれを信じがたいものを見るような目で呆然と見つめた。
彼の瞳は強く、炎すら取り込んで光っている。
グラリ・・と側にあった棚が炎にまかれて私達に向かって倒れ込んできた。
彼はそれを右半身で押さえ、棚が私達を押しつぶすのを防ぐ。
猶も彼は左手を限界まで延ばして私達に叫んだ。
「死ぬなんて許さない!!
そんなことで許されると思うな・・・!!」
乱暴な言葉の奥底に、救いたいという強い意志を感じる。
身を挺してまでも彼は私達を救おうとしている。
なぜだ・・・。
なぜそこまでするんだ。
差し伸べられたその手は、ずっと待ち侘びたもの。
これまでずっと、誰も手を差し伸べてはくれなかったのに。
ずっと・・・。
目前に差し伸べられた彼の手を、私は叩き払った。
「まったく・・・!
これだから、黄金騎士というのは手に負えない・・。
君にはもっと他に救うべき者達がいるだろう?」
そう。
ここで冴島鋼牙を死なせる訳にはいかない。
芽衣子は背中の足をつかって壁の一部分を破壊した。
「退きなさい、冴島鋼牙。
私達を生かしてどうしようというの?
みんなの前に突き出して断罪や糾弾を浴びろと?
無理よ。
私達はそんなに強くない・・・。」
「だから、これでいいんです。」
芽衣子は満面の笑みを見せると最後の力を振り絞り、破壊した壁に向かって鋼牙の身体を叩きつけた。
「ぐっ!!」
そのまま建物の外に放り出され、全身を地面に強く打ちつけた鋼牙は、体を起こすこともできないまま、火の壁が建物を包むのを見た。
二人の姿はもう見えない。
柱や壁は焼けて崩れ落ち、夜空に黒い煙と共に火の粉が舞った。
ポツリ、と降り出す雨。
雨音と共に人々の喧騒とサイレンの音が遠のいていく・・・。
「鋼牙ぁ!!」
濡れ始めた路面を蹴ってカオルは裏路地に転がっている鋼牙を見つけて駆け寄る。
すぐ間近で燃え盛る鐘塔の熱さに、カオルは顔をゆがめた。
ぐったりとした鋼牙の身体を仰向けにすると、右肩口を真っ赤に染めたコートがひときわ目につく。
「うっ・・」
「・・・すま・・ない・・・。」
「っ!鋼牙!?」
鋼牙の声が聞きたくて、嗚咽を漏らしそうになるのをぐっと堪えた。
「すく、えなかった・・・」
「・・・-!」
私はただ涙を流して首を振る事しか出来なくて。
「教えてくれ・・・カオル・・・。
どうしたら、いい・・。
・・・どうすべきなんだ・・。
彼らが、傷つけた者達に・・・どう謝れば・・・」
「こうが・・・!」
鋼牙の喉元についた血を雨が洗い、側溝へと赤い線をつなげていく。
濡れた路面がパトカーと消防車の赤いライトを反射して、辺り一面が真っ赤に見えた。
雨が冷たく鋼牙の身体を穿つ。
暗闇の中、聞こえてくるのは表通りのけたたましいサイレンの音。
人々のざわめき。
「私が・・そばに居るよ・・。
もう信じて待つだけは嫌なの・・・。
頼りないかもしれないけど・・いっしょに、背負うからっ・・・!
鋼牙がわたしを守ってくれるように、
私も・・・鋼牙を守りたい・・・!守りたい、よ・・・!!」
どうしたらいいんだろう。
どうすべきなんだろう。
誰か教えて・・・。
冷たく私の身体を打つ雨が不意に止んだ。
「・・・え・・・?」
ぽつぽつと傘が雨を受ける音に導かれ、顔を上げるとそこにはコート姿の男性が自分が濡れるのも顧みず、傘をさしてくれていた。
「大丈夫?」
誰?
知らない人だ・・・。
!
そこで私はハッとした。
鋼牙・・・!
鋼牙を隠さなきゃ・・・!
咄嗟に、守るように鋼牙の顔を隠して胸に抱え込んだ。
“魔戒騎士は人に見られてはいけない。”
ぎゅっと彼の頭を抱きしめる。
こんな状況なのに条件反射のように体が動いた。
鋼牙の肩口は真っ赤に染まっている。
路面を流れる雨の滴に血が混じる。
失血がひどい中激しく動いたせいで血圧が下がったのか、今は意識も無い。
このままじゃ命にかかわる。
本当なら救急車だって呼びたい・・・!
大声を出して、「誰か助けて」と叫びたい!!
でも、それは出来ない。
警官に事情聴取でもされたらまずいことになる。
今にも発狂しそうな精神状態でも、それくらい理性はまだあった。
彼は人を救うために戦ったのに、なぜ隠れなければならないの?
なぜ助けを求めることすら許されないの?
矛盾に揺れる心を抱えて、それでも一つだけ確かなことは鋼牙を守らなければ、という強い思い。
誰かたすけて・・
鋼牙を助けてよ!!
何も言葉を発することもままならない私は、追い詰められた気持ちで冷たい鋼牙の身体をぎゅっと俯いて抱きしめた。
男性は何も聞かず、傘をさす腕はそのままに反対の手を優しく差し伸べる。
「大丈夫。
パトカーはまずいから・・・タクシーを拾って送ろう。
安心して、知り合いの運転手呼ぶから。口は堅いよ。
家わかる?」
え・・・?
その言葉に私は耳を疑った。
「・・・どうして・・助けて・・くれるの・・?」
「・・・。俺には君がなんでそんなこと訊くのか不思議だよ・・・。」
そんなボロボロなのに、と男性は呟いて半ば押し付けるように、私に傘を握らせた。
「すぐ戻る。
待ってろよ。」
2,3分経っただろうか・・・。
気が張っていて、よく分からない。
あの男は何者なのか。
信用していいの?
黒塗りのタクシーが一台、ブレーキ音を立てて路地裏に止まった。
男性の指示に従って運転手が下りてくる。
一層激しくなる雨に、運転手は帽子を目深にかぶり直した。
運転手は鋼牙をみて、驚きに目を開きながら隣に立つコートの男性に慌てて語りかけた。
「こりゃまずいっすよ!;羽根沢さん!
呼ぶのは俺より救急車だ!」
「頼むよ!
危ないとこ何度か助けてやったろ?
恩返しだと思ってさ。」
「訳ありスか・・しょうがねぇ・・・。
途中でおっ死んでも俺は責任持てませんからね!」
コートの男性と運転手さんは、二人で鋼牙の身体を抱え上げようと近くに座り込む。
状況は分かるが、思考が追いついていかない。
助けようとしてくれているのに、鋼牙を抱きしめる私の手はかじかんだように外れなかった。
「大丈夫だ、運ぶだけだよ。」
「あ・・・ありが・・・!」
震える声でなんとかお礼を言おうとするけれど、唇は戦慄くばかりで上手くしゃべれなかった。
男性と運転手は二人で鋼牙をタクシーの後部座席に運んで横にさせる。
私も後ろに乗って、自分の膝に彼の頭を載せた。
後ろのドアが閉められて、ようやく雨の音が少し遠くなる。
薄く息をつきながら、鋼牙の冷たい指を握りしめた。
「お姉さん、家どこか言える?
無理なら知ってる人に電話できる?」
そこでようやく携帯電話をもっていたことに気が付く。
震える指先で、なんとか履歴から“冴島邸”を出すと、コートの男性は携帯を取り上げた。
「ここね!?
ここに聞けばいいね?」
うん、うん、とうなづいて返事をした。
「よし・・・・。
あー、もしもし?
冴島さんですね。
実はですね・・・・」
コートの男性が、たぶん・・・ゴンザさんと話をしながら運転手に道を教えた。
徐々に見知った町並みに景色が変わっていく。
聞こえるのは、雨音とワイパーの一定のリズム。
男性と運転手が何か話す声。
車の窓を打つ雨・・・暗い夜の景色。
街の明かりがぼんやりと浮かび上がっていた。
膝に感じていたヌメリとした感触が、だんだん乾いていく。
男性が後部座席を振り返り、その時・・・何か聞かれた気がするけれど、よく分からない。
“脈はあるか?”と言ってる・・・?
“信じて”?って言ってる?
“俺を信じて”。
その時、「俺を信じろ」と言った鋼牙の姿が声が、まざまざと脳裏に浮かびあがった。
ようやく酸素が喉を通ったように思う。
・・・あとのことはよく憶えていない。
冴島邸に帰り着いて、ゴンザさんがこれまで見たこと無いくらい怖い顔をしてて・・・。
コートの男性とタクシーの運転手さんに、簡潔にお礼を述べて大きすぎるお金を渡すとすぐに屋敷から追い出した。
気を失ったまま鋼牙は彼自身の部屋へと担ぎ入れられ、その扉は私の鼻先でガチャリと閉ざされる。
「開けて」だなんて言えるはずもなく、私は冷たい扉の前でただ立ち尽くした。
エピローグと一緒にUPする予定でしたが、予想以上にながくなりそうなので;
やはり一旦切ります(;´Д`)すいません!
賛否両論あるかと思いますが、ご感想、ご反響よろしくです・・・(>д<;)ドキドキ
大変なことになっていますが、鋼牙とカオルにも救いは必ずあります。
最後までどうぞ、お付き合いのほどお願いします!
「私はね、だた・・・芽衣子に、
未来が閉ざされていても・・・
生きてて良かった。生まれてきて良かった。
そう思わせてあげたいんですよ。」
目を伏せた彼の表情は伺えなかった。
次に顔を上げたとき、占い師はあの柔らかい微笑みを浮かべて自嘲を口にする。
「高慢な親ですよねぇ・・・。」
「そんなこと・・・!
きっと芽衣子ちゃん・・・お父さんが大好きですよ。
すごく大切に想ってるの・・・わかってくれていると思います。」
慌てて否定をした私の胸に今は亡き父の面影が浮かんでいた。
「ありがとう・・・。」
彼があの時見せた、儚い笑顔。
・・・鋼牙とよく似た笑顔。
それは今もはっきりと私の胸に刻まれている。
・・・そう。
望んだものは決して大それた幸せなんかじゃなかった。
きっと誰もが持ってるはずの、小さな小さな幸せ。
『Gott ist tot, Gott bleibt tot. Ⅶ. 』
朱塗りの剣とザルバを携えた鋼牙と共に通路を引き返す。
変わらず血の気のない彼の横顔を食い入るように見つめた。
「カオル・・・本当にいいのか?」
浅い吐息とともに、鋼牙が吐き出すように尋ねた。
「ほんとは怖いよ・・・でも。
私は、見届けたいの・・・・。
ううん、見届けなきゃ。」
「だが、もしもの時は・・・俺は何よりもお前の命を優先する・・・いいな?」
鋭い眼光で告げられた言葉には、私の意志など挟ませない気迫があった。
ただうなづくことしか出来なかった。
私に、鋼牙を・・そして占い師さんを止める力など無いかもしれない。
でも私は、自分がどうしたいのかもう知っている。
今ここで逃げたら、この先一生後悔する。
だって私は鋼牙と共に生きると決めたんだもの。
ここで逃げたら・・これからもずっと逃げ続けなきゃいけなくなる。
占い師さんと芽衣子ちゃんがいる部屋の扉の前に辿り着くと、鋼牙はドアノブに手をかけた。
この扉の向こうにある世界が、どんなに地獄でも。
それが鋼牙、あなたの生きる世界なら・・・私はもう踏み込むことを躊躇わない。
―――・・・
「ひっ・・・!」
部屋に入って、目にした光景にカオルは思わず口元を覆った。
芽依子の身体は見る影もないほど異様な姿に変わってしまい、細長い奇妙な節足の先はまるで槍のようにとがっている。
芽依子の背中から生えた巨大な蜘蛛はその鋭利で長い脚をワサワサと蠢かせながら、目の前の父親の胴を突き刺していた。
鈍い音を立てながら蜘蛛の足は引き抜かれ、まるで糸を切られた操り人形のように占い師の身体が床に崩れる。
「占い師さん!」
叫び声を上げて飛び出しそうになったカオルを、鋼牙は後ろに追いやりながら魔戒剣を抜いた。
鋼牙の威嚇する先に、おぞましい姿のホラーがいる。
「うそ・・・!これが芽衣子ちゃん!?
芽衣子ちゃんなの!?」
《ちっ・・!完全にホラーと同化したか・・!》
カオルの絶望に満ちた言葉にザルバが中指で舌打ちした。
床にうずくまる占い師が、咳き込みながらわずかに上体を起こして笑う。
「ふ・・・ふふ・・礼を・・言うよ・・・鋼牙君。」
占い師は細く笑いながらボタボタと床に血だまりを広げて立ち上がり、鋼牙を見つめた。
「君がいてはじめて私は・・・
今何のためらいもなく、娘のために命を賭けることが出来る。
君に芽衣子は殺させない・・・!」
鉈を懐から掲げた占い師は、ホラーと化した娘を庇うように立った。
黒いスーツに滲む血を二の腕を当てて抑えながら片手で武器を構える姿に、鋼牙は眉をしかめる。
「この戦いに意味はない。
武器を納めろ・・!」
「意味なら・・・あるさ・・・。
君が魔戒騎士で、私の娘はホラーだ。
理由なんてそれで充分だろう?」
「どう・・して・・・!!
大切な娘をホラーなんかに・・・っ!!
苦しむと、分かっていてなぜだ!?」
占い師に向けた鋼牙の剣先は小刻みに震えていた。
怒りからか・・・悲しみからか。
悲痛に絞り出した声に、「斬りたくない」という思いが潜んでいることをカオルだけは知っていた。
「孤独は・・・人を狂わせる。
耐えられるものは多くない・・・。
私や君がこれまで斬ってきた者達と同じさ。
弱さが死に値する罪だというのなら、その手で断罪してみせろ・・!」
獣のような唸り声を上げて、二つの剣が交わった・・・!
激しい剣戟の音が鐘塔にこだまする。
すでに深手を負っている二人の戦いは、泥臭さすら感じるほど必死なものだった。
動けば動くほど、床に血が飛び散る。
まるで2匹の狼が互いの喉笛に噛みつくような、激しさと血生臭さにカオルは心の底から震えた。
怖かった。
殺気立った空気に鳥肌が立ち、冷たい汗が噴き出る。
これが鋼牙の姿。
本気で殺し合う姿だ。
それは自分に向けられる優しい感情とはまるで正反対で、カオルは別人のようだ、と思った。
その鋭い殺気に全身が凍りつく。
もうやめて。
もう見たくない。
鋼牙が戦うのが辛い。
そして辛そうな鋼牙を見るのが辛い・・・。
愕然と立ち尽くすカオルに、芽衣子の身体から生えた鋭い脚が迫る。
!!
白い背中がカオルを守るように立ちはだかった。
鋼牙は迫りくる蜘蛛の足を一本切り落とし、一撃を防ぐ。
悲鳴を上げて他の足を蠢かせる芽衣子がわずかに後退した。
「よくも・・!」
目を赤くして迫る占い師に、鋼牙は回し蹴りを食らわせ距離をとる。
再び魔戒剣を構え直し、荒い呼吸を繰り返しながら背後のカオルに語りかけた。
「俺が怖いか、カオル・・!」
「こ・・が・・・」
震えて何も答えられないカオルに、鋼牙は薄く笑う。
「怖いよな・・・。
お前には俺の姿がどう映るのか分からない・・・っ・・。
正しいのか、間違っているのか・・・。
だが、必要なんだ!」
「うっ・・・!」
カオルは唇を噛みしめて嗚咽を抑え込んだ。
そうよ、・・・・私は見なくちゃ・・・。
正しいとか間違ってるとかじゃない。
それが『必要』なんだ。
鋼牙はずっと戦ってきた。
負ければ死が待っている。
生きるためには戦うしかなかったから・・・。
「・・・やはり俺は外道だ。
こんな姿でしか、お前を守れない。」
「鋼牙・・・!」
そんなことない・・・。
あなたは必死に応えてくれた。
私の思いに今も応えようとしてくれてる。
今まで貫いてきた自分の信念を捻じ曲げてでも、私を信じてくれている。
だから私も・・・!
カオルは目に溜まった雫を振り飛ばして、芽衣子に向かって叫んだ。
「芽衣子ちゃん!!
聞こえてるんでしょ!?
お願い・・・答えて!!
あなたを助けたいの!」
「何を!?」
カオルが芽衣子に呼びかけるのを、占い師は驚愕の表情で見つめる。
その時、芽衣子の背中の足の動きがわずかに鈍った。
「くっ・・!やめろ!!」
慌ててカオルを止めようとする占い師の前に、再び鋼牙が立ちはだかる。
「邪魔はさせない!」
「何のつもりだ!冴島鋼牙・・!」
互いの剣圧を受け止めながら睨み合った。
「ホラー化しても娘の人格が保たれることが貴様の望みだったはずだ!
なぜ止める!?」
「―っ!黙れ・・!!
君のような人間に私達の何が分かる!?
私達の弱さが・・・!!
生まれながらにして死刑を宣告された者の気持ちが!!」
「ぐっ・・!」
震える刀身が占い師の嘆きを受け止める。
喉の奥から押し出すように吐き出されたものは叫びだった。
「憎い・・・!憎い、憎い!この世のすべてが憎いっっ!!
なぜ私の娘が死ななくてはいけないんだ!
全てを犠牲にして、人々守ってきた・・・!
それなのになぜ私達が罰を受ける!?」
滔々と溢れ出す涙の向こうに、ぽっかりと暗闇が淀んでいる。
同調をおぼえるその瞳に、鋼牙の胸は鋭くえぐられた。
血が滲むまで唇を食いしばる。
「多くの命を奪った。
その責めは負わねばならない・・・!」
絞り出すように語ったそれは目の前の男に向けたものなのか、それとも己自身に言い聞かせるためのものか・・・。
「私の命などくれてやる!
だが娘だけは・・ 芽衣子だけは・・・!
君にだってすべてを犠牲にしてでも守りたいものがあるだろう!?」
その時、交差して拮抗しあう剣をホラーの鋭利な足が弾き、鋼牙も占い師も後退する。
芽衣子ちゃんが、止めた?
カオルはホラーと化してしまった芽衣子を見つめる。
占い師の叫びに、カオルは彼がなぜ多くの魔戒騎士の中から鋼牙を標的に選んだのかを知った。
その声は確かに助けを求めている。
タスケテと言っている。
―『誰か助けて』
残酷な表情の裏側に潜む、悲しい笑顔の理由を。
「・・・止めて、ほしかったんだよね・・・。」
部屋中に張り巡らされた足の中心にいる彼の娘をカオルはじっと見つめる。
少女の小さな肩が震えているのがみえた。
芽衣子ちゃん・・・こんなになるまで気づいてあげられなくてごめんね・・・。
あの時、公園で出会ったとき・・・気付いてあげていればよかったのに。
「分かるよ・・・。
私には分かる。」
「やめろ!御月カオル!!
うっ・・・!」
占い師は血反吐を吐いて床に膝をつく。
「占い師さん!もうやめて・・・!
芽衣子ちゃんだってそれを望んでる!」
はっきりと死相の出た顏で、占い師はカオルに薄く笑った。
「ふ・・ふふふ・・・ああ、そうだ。
君達の言うとおりだよ。
そうだ、こんなことは間違っている。
君たちから見れば・・さぞ、滑稽だろうね。」
「でも構わないんだ。
身も心もホラーになった娘に、たとえ食われようと・・・それでも構わない、と私は思ったんだよ。」
うつろな瞳の奥底に・・深い慈愛を垣間見て、カオルは絶句する。
「・・・-!」
「だからこそ、どんなに残酷なことでも出来た。
私は芽衣子のためにあらゆるものを犠牲にした。
死者を冒涜し、君達人間を何十人と殺してきた。
あの子を救うためなら私は闇に堕ちることもためらわなかった。
そして今、命が尽きる最期まで娘のために戦える。
これ以上の幸せがあるか・・・・!!」
この男は最後までただ一人の娘を守るためだけに戦う気だ。
それがかつて魔戒騎士であったこの男の矜持なのだろう。
騎士ならば戦いの中でこそ死を迎えたい。
最後まで愛する者のために戦い、守りしものとして果てる。
それは鋼牙の理想でもあった。
・・・・かつて父がそうしたように。
だからこの男の気持ちは分かる。
同情も、憐みも欲していない・・・ならば・・・。
鋼牙は再び魔戒剣を構え直す。
銀色の矛先に、血にまみれる男がいた。
斬れというのか・・俺に・・・。
霞む視界が額に浮かんだ汗でぼんやりと滲み、苦渋に顏をしかめた。
目の前の男は「俺」だ。
もしもカオルの命が尽きるとしたら、俺はそれを全力で阻止しようとするだろう。
その時俺は・・・この男と同じ選択をせずにいられるのか?
自分の命よりも大切なものの死を、ただ耐えて見続けることができるのか?
いや、出来る出来ないじゃない。
やらなければ。
この陰我を、断ち切らねば・・・俺はガロなのだから。
「もう・・・いいよ、おとうさん・・。」
少女の小さな声が殺気に満ちた部屋にこだました。
「! 芽衣子・・!」
「ごめんね・・・・。
おねえちゃん。」
「めい・・こちゃん!?」
そのまなざしに少女のあどけなさは無く、疲れたようにカオルを見つめる。
「・・・私達の最期の希望を、あなた達に託したこと。
どうか許して・・・」
幼子の声に、理知的なホラーの声が混じる。
部屋の片隅に置いてあったポリタンクを鋭利な足で突き破った芽衣子は、中身を部屋中にぶちまけた。
独特の匂いに、引火性の液体であることを知った鋼牙は急いでカオルの元に駆け寄る。
「っ・・!カオル・・!!」
鋼牙がぎゅっとカオルの細い身体を抱き込んだとき、空気が燃え盛った・・・!
爆音とともにひどい耳鳴りに襲われる。
まるで昼間のように辺りが明るくなったと思った矢先、焼け付く痛みを喉に感じた。
「うっ!げほげほっっ!
んぐ・・・め、芽衣子ちゃん!!」
鋼牙の腕の隙間から煌々と燃え盛る炎に巻かれるホラーの足が見えた。
バチバチと音を立てて黒い煙を立ち上らせている・・・!
「いやっ・・・!
いやぁぁーー!芽衣子ちゃん!占い師さん!!」
錯乱して炎の中に手を突っ込みかけたその時、鋼牙が無理やり引き戻す。
「離して!!離して!!」
髪を振り乱して叫び声を上げるカオルを鋼牙はただ胸に閉じ込めた。
《鋼牙っ!
火の回りが早い!
このままじゃお前もカオルも・・・!》
ザルバが焦った声で警告する。
ああ、分かっている。
くぐもった悲鳴をやめないまま、カオルが俺の胸を殴った。
その手を握りしめて、俺はゆっくりと落ち着かせるようにカオルの顏を覗き込む。
「カオル、カオル・・・」
「お願い、おねがい鋼牙・・・!
お願い、見捨てないで!!」
カオルの瞳に絶望の色が広がっていく。
止められないのか・・・?俺には・・・。
《カオル!もう無理だ!!
あの二人は死にたがっているんだ!
お前にだって分かっているだろう!?》
「ひ!・・・うっ・・・」
ザルバの言葉にカオルは腕の力を失って項垂れた。
「・・・。すまん、ザルバ・・・、カオルを導いてやってくれ。」
「こう、が!?」
《なっ!?
お前何を・・・!
自分の状況わかってるのか!?》
体力はすでに限界を越えている。
足元もおぼつかず、もう剣を振る力も残っていないだろう。
鋼牙は自分の左中指からザルバを抜くと、両手でカオルの手に握らせた。
「カオル、良く聞くんだ。
扉を左に抜けた先に小さいが窓がある。
お前ならきっと通れる。」
「鋼・・牙・・私ッ・・わたし!」
「何も言うな・・・ 言わなくていい。
俺が守りしもの、だと・・・お前がそう信じてくれている。
そう思えることが、何よりも大切だったんだ・・・。
だから、いいんだ。」
穏やかなその瞳をいつものように鋭くさせて、鋼牙はカオルの背中を押す。
「行け・・・!早く!」
声の指し示すまま、カオルは震える足で駆けだした。
肌に触れる空気はカンカンに熱せられて痛い。
これ以上、鋼牙の足手まといにはなりたくない。
ただその一心が、カオルを突き動かしていた。
鋼牙に言われた通り、小さな窓に足をかけて屋敷から這い出る。
外は夜の景色、建物の正面を見ると匂いと煙に気付いて集まった人々が館の前でざわついていた。
「ザルバ・・・私、間違ってたのかな・・・。」
二人を追い詰めてしまったのは、私なのかもしれない・・。
《あの二人には・・・もう人として生きていく術が無いんだ。
だが、せめて人として死ねるなら・・・
お前のやったことは決して無駄でも間違いでもない。
お前が居なければ、あの子供の笑顔は戻らなかったはずだ。》
芽衣子が火をつける直前に見せた最後の表情。
それは紛れもない笑顔だった。
「あの芽衣子ちゃんは・・・ちゃんと芽衣子ちゃんだったよね?
そう信じていいよね!?」
ホラーに憑依されていても、あんな姿になってしまっていても、あれは芽衣子ちゃんだと・・・。
《鋼牙もそれを信じたから残った。
人を守るのが魔戒騎士の使命・・・、だからな。》
ザルバはそう応えると、カチリと目を閉じた。
煙に混じって火の粉が夜空に舞い上がる。
遠くから薄っすらとサイレンの音が聞こえた。
「鋼牙・・・・。
お願い、早く出てきて・・・!」
―――・・・・
「お父さん。」
背中から生えた足は焼け落ち、少女はかつてないほどの身軽さを憶えながら、床にうずくまる父親を抱きしめた。
「・・・お父さん、憶えてる?」
「・・?」
「むかしね・・・お母さんが大切にしてたコップ、芽衣子が1つ割っちゃったでしょう。
そしたらお父さんが残ってたコップも全部割って自分がやったんだ、って言ってくれたよね?
・・・えへへ、結局バレて二人してすっごく怒られたちゃったけど。」
「・・・そんなこともあったな・・・。」
「ふふふ、他にもたくさんあるよ!
お父さんはいつも芽衣子の味方だったね・・・。」
「ごめんよ、芽衣子・・・。
最後の最後で、お父さん・・・芽衣子の味方じゃなかった・・・。
芽衣子のこと、ちっとも分かってなかった。
芽衣子のためだなんて言ってたけど、本当は全部お父さんの我儘さ。
辛い思いをさせて、ごめんな・・・。」
占い師の瞳から一筋涙がこぼれた。
「おとうさん・・、芽衣子生まれてきて良かったよ・・・!」
周囲を炎で囲まれ、この部屋はもうすぐ焼け落ちるだろう。
けれど、恐怖は無かった。
悔いもない。
私は娘のためにやれるだけのことをやった。
やりたくもないことも。
救えはしなかったが、せめて・・・
自分達にできる償いは、死しかないと・・・ずっと覚悟を決めてきた。
もう、これでなにもかも・・・
そう思った時。
「おい!聞こえるか!?
早く手をのばせ・・・早くっ!!」
焼け落ちた梁とドア枠の隙間から、呼びかける声が届いた。
「なぜ、戻った・・・鋼牙君・・。」
炎にまかれて死ぬ気か?
私達を斬りに来たのか?
「お前たちを救ってやる!!」
冴島鋼牙は燃え盛る家具や障害物を蹴り倒してこちらに向かってくる。
私はそれを信じがたいものを見るような目で呆然と見つめた。
彼の瞳は強く、炎すら取り込んで光っている。
グラリ・・と側にあった棚が炎にまかれて私達に向かって倒れ込んできた。
彼はそれを右半身で押さえ、棚が私達を押しつぶすのを防ぐ。
猶も彼は左手を限界まで延ばして私達に叫んだ。
「死ぬなんて許さない!!
そんなことで許されると思うな・・・!!」
乱暴な言葉の奥底に、救いたいという強い意志を感じる。
身を挺してまでも彼は私達を救おうとしている。
なぜだ・・・。
なぜそこまでするんだ。
差し伸べられたその手は、ずっと待ち侘びたもの。
これまでずっと、誰も手を差し伸べてはくれなかったのに。
ずっと・・・。
目前に差し伸べられた彼の手を、私は叩き払った。
「まったく・・・!
これだから、黄金騎士というのは手に負えない・・。
君にはもっと他に救うべき者達がいるだろう?」
そう。
ここで冴島鋼牙を死なせる訳にはいかない。
芽衣子は背中の足をつかって壁の一部分を破壊した。
「退きなさい、冴島鋼牙。
私達を生かしてどうしようというの?
みんなの前に突き出して断罪や糾弾を浴びろと?
無理よ。
私達はそんなに強くない・・・。」
「だから、これでいいんです。」
芽衣子は満面の笑みを見せると最後の力を振り絞り、破壊した壁に向かって鋼牙の身体を叩きつけた。
「ぐっ!!」
そのまま建物の外に放り出され、全身を地面に強く打ちつけた鋼牙は、体を起こすこともできないまま、火の壁が建物を包むのを見た。
二人の姿はもう見えない。
柱や壁は焼けて崩れ落ち、夜空に黒い煙と共に火の粉が舞った。
ポツリ、と降り出す雨。
雨音と共に人々の喧騒とサイレンの音が遠のいていく・・・。
「鋼牙ぁ!!」
濡れ始めた路面を蹴ってカオルは裏路地に転がっている鋼牙を見つけて駆け寄る。
すぐ間近で燃え盛る鐘塔の熱さに、カオルは顔をゆがめた。
ぐったりとした鋼牙の身体を仰向けにすると、右肩口を真っ赤に染めたコートがひときわ目につく。
「うっ・・」
「・・・すま・・ない・・・。」
「っ!鋼牙!?」
鋼牙の声が聞きたくて、嗚咽を漏らしそうになるのをぐっと堪えた。
「すく、えなかった・・・」
「・・・-!」
私はただ涙を流して首を振る事しか出来なくて。
「教えてくれ・・・カオル・・・。
どうしたら、いい・・。
・・・どうすべきなんだ・・。
彼らが、傷つけた者達に・・・どう謝れば・・・」
「こうが・・・!」
鋼牙の喉元についた血を雨が洗い、側溝へと赤い線をつなげていく。
濡れた路面がパトカーと消防車の赤いライトを反射して、辺り一面が真っ赤に見えた。
雨が冷たく鋼牙の身体を穿つ。
暗闇の中、聞こえてくるのは表通りのけたたましいサイレンの音。
人々のざわめき。
「私が・・そばに居るよ・・。
もう信じて待つだけは嫌なの・・・。
頼りないかもしれないけど・・いっしょに、背負うからっ・・・!
鋼牙がわたしを守ってくれるように、
私も・・・鋼牙を守りたい・・・!守りたい、よ・・・!!」
どうしたらいいんだろう。
どうすべきなんだろう。
誰か教えて・・・。
冷たく私の身体を打つ雨が不意に止んだ。
「・・・え・・・?」
ぽつぽつと傘が雨を受ける音に導かれ、顔を上げるとそこにはコート姿の男性が自分が濡れるのも顧みず、傘をさしてくれていた。
「大丈夫?」
誰?
知らない人だ・・・。
!
そこで私はハッとした。
鋼牙・・・!
鋼牙を隠さなきゃ・・・!
咄嗟に、守るように鋼牙の顔を隠して胸に抱え込んだ。
“魔戒騎士は人に見られてはいけない。”
ぎゅっと彼の頭を抱きしめる。
こんな状況なのに条件反射のように体が動いた。
鋼牙の肩口は真っ赤に染まっている。
路面を流れる雨の滴に血が混じる。
失血がひどい中激しく動いたせいで血圧が下がったのか、今は意識も無い。
このままじゃ命にかかわる。
本当なら救急車だって呼びたい・・・!
大声を出して、「誰か助けて」と叫びたい!!
でも、それは出来ない。
警官に事情聴取でもされたらまずいことになる。
今にも発狂しそうな精神状態でも、それくらい理性はまだあった。
彼は人を救うために戦ったのに、なぜ隠れなければならないの?
なぜ助けを求めることすら許されないの?
矛盾に揺れる心を抱えて、それでも一つだけ確かなことは鋼牙を守らなければ、という強い思い。
誰かたすけて・・
鋼牙を助けてよ!!
何も言葉を発することもままならない私は、追い詰められた気持ちで冷たい鋼牙の身体をぎゅっと俯いて抱きしめた。
男性は何も聞かず、傘をさす腕はそのままに反対の手を優しく差し伸べる。
「大丈夫。
パトカーはまずいから・・・タクシーを拾って送ろう。
安心して、知り合いの運転手呼ぶから。口は堅いよ。
家わかる?」
え・・・?
その言葉に私は耳を疑った。
「・・・どうして・・助けて・・くれるの・・?」
「・・・。俺には君がなんでそんなこと訊くのか不思議だよ・・・。」
そんなボロボロなのに、と男性は呟いて半ば押し付けるように、私に傘を握らせた。
「すぐ戻る。
待ってろよ。」
2,3分経っただろうか・・・。
気が張っていて、よく分からない。
あの男は何者なのか。
信用していいの?
黒塗りのタクシーが一台、ブレーキ音を立てて路地裏に止まった。
男性の指示に従って運転手が下りてくる。
一層激しくなる雨に、運転手は帽子を目深にかぶり直した。
運転手は鋼牙をみて、驚きに目を開きながら隣に立つコートの男性に慌てて語りかけた。
「こりゃまずいっすよ!;羽根沢さん!
呼ぶのは俺より救急車だ!」
「頼むよ!
危ないとこ何度か助けてやったろ?
恩返しだと思ってさ。」
「訳ありスか・・しょうがねぇ・・・。
途中でおっ死んでも俺は責任持てませんからね!」
コートの男性と運転手さんは、二人で鋼牙の身体を抱え上げようと近くに座り込む。
状況は分かるが、思考が追いついていかない。
助けようとしてくれているのに、鋼牙を抱きしめる私の手はかじかんだように外れなかった。
「大丈夫だ、運ぶだけだよ。」
「あ・・・ありが・・・!」
震える声でなんとかお礼を言おうとするけれど、唇は戦慄くばかりで上手くしゃべれなかった。
男性と運転手は二人で鋼牙をタクシーの後部座席に運んで横にさせる。
私も後ろに乗って、自分の膝に彼の頭を載せた。
後ろのドアが閉められて、ようやく雨の音が少し遠くなる。
薄く息をつきながら、鋼牙の冷たい指を握りしめた。
「お姉さん、家どこか言える?
無理なら知ってる人に電話できる?」
そこでようやく携帯電話をもっていたことに気が付く。
震える指先で、なんとか履歴から“冴島邸”を出すと、コートの男性は携帯を取り上げた。
「ここね!?
ここに聞けばいいね?」
うん、うん、とうなづいて返事をした。
「よし・・・・。
あー、もしもし?
冴島さんですね。
実はですね・・・・」
コートの男性が、たぶん・・・ゴンザさんと話をしながら運転手に道を教えた。
徐々に見知った町並みに景色が変わっていく。
聞こえるのは、雨音とワイパーの一定のリズム。
男性と運転手が何か話す声。
車の窓を打つ雨・・・暗い夜の景色。
街の明かりがぼんやりと浮かび上がっていた。
膝に感じていたヌメリとした感触が、だんだん乾いていく。
男性が後部座席を振り返り、その時・・・何か聞かれた気がするけれど、よく分からない。
“脈はあるか?”と言ってる・・・?
“信じて”?って言ってる?
“俺を信じて”。
その時、「俺を信じろ」と言った鋼牙の姿が声が、まざまざと脳裏に浮かびあがった。
ようやく酸素が喉を通ったように思う。
・・・あとのことはよく憶えていない。
冴島邸に帰り着いて、ゴンザさんがこれまで見たこと無いくらい怖い顔をしてて・・・。
コートの男性とタクシーの運転手さんに、簡潔にお礼を述べて大きすぎるお金を渡すとすぐに屋敷から追い出した。
気を失ったまま鋼牙は彼自身の部屋へと担ぎ入れられ、その扉は私の鼻先でガチャリと閉ざされる。
「開けて」だなんて言えるはずもなく、私は冷たい扉の前でただ立ち尽くした。
To be continued・・・
Epilogue.へ→ ■
Epilogue.へ→ ■
エピローグと一緒にUPする予定でしたが、予想以上にながくなりそうなので;
やはり一旦切ります(;´Д`)すいません!
賛否両論あるかと思いますが、ご感想、ご反響よろしくです・・・(>д<;)ドキドキ
大変なことになっていますが、鋼牙とカオルにも救いは必ずあります。
最後までどうぞ、お付き合いのほどお願いします!
PR
Comments
かる☆みん様、拍手ありがとうございます!
拍手メッセージ下さり本当にありがとうございます!
大丈夫です!(`・ω・´)出口のないトンネルなどありません!希望はそこにあると信じて・・・!
最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。
大丈夫です!(`・ω・´)出口のないトンネルなどありません!希望はそこにあると信じて・・・!
最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。
龍鈴様、羽根沢は皆様の代表なんですw
今回も貴重なご感想と拍手を下さいまして、本当にありがとうございます・・!
一二三的には小説版の後、羽根沢は何とかあの窮地をかいくぐったと思ってますw(難しいでしょうけれどw)
鋼牙寄りの感じでしたし、正義の味方の味方は死なないと信じてます・・!笑
今回、羽根沢を登場させたのは以前の「The cloked House」からずっと計画してきた最後の締めくくりなんですw実は(笑)
むしろここで羽根沢を出すために前回出したくらいの勢いでw
でもUPの間の期間が長すぎて、全く効果になってないですね!!ww
いや~、それは一二三が悪いんですよ~;全部一二三が悪いんですよwスマン、羽根沢。
彼が担ってる役は、実は案外と重要だったりします。
彼は皆さんの代表なんですよ~w大役です。
エピローグでは「私達の代表なんだからしっかり!」と暖かい目で羽根沢を応援してあげてくださいねv
一二三的には小説版の後、羽根沢は何とかあの窮地をかいくぐったと思ってますw(難しいでしょうけれどw)
鋼牙寄りの感じでしたし、正義の味方の味方は死なないと信じてます・・!笑
今回、羽根沢を登場させたのは以前の「The cloked House」からずっと計画してきた最後の締めくくりなんですw実は(笑)
むしろここで羽根沢を出すために前回出したくらいの勢いでw
でもUPの間の期間が長すぎて、全く効果になってないですね!!ww
いや~、それは一二三が悪いんですよ~;全部一二三が悪いんですよwスマン、羽根沢。
彼が担ってる役は、実は案外と重要だったりします。
彼は皆さんの代表なんですよ~w大役です。
エピローグでは「私達の代表なんだからしっかり!」と暖かい目で羽根沢を応援してあげてくださいねv
クロ様、どうも一二三ガジャリです!
拍手メッセージ今回もうめえ(*´∀`*)です!!v
一二三実は基本的にw羽根沢刑事好きなんだな~と自覚しましたww
小説版は必見ですよねー!
膨らめ!牙狼world!!☆
一二三実は基本的にw羽根沢刑事好きなんだな~と自覚しましたww
小説版は必見ですよねー!
膨らめ!牙狼world!!☆
なな様、今回もありがとうございます!
拍手メッセージとても助かります(*´∀`*)
この話の鋼牙と一緒に、苦しんでくれて哀しんでくれてありがとうございます。
なな様と同じように「読んでて心が痛い」というコメントをいくつか頂きました。
この言葉、自分にとっては最高の賛美です。
あ~・・・!(感涙)ちゃんと一二三が伝えたいことは伝わってるんだなぁ、と。
私もきちんと「痛み」と最後まで向き合ってラストを迎えられるよう頑張ります。
この話の鋼牙と一緒に、苦しんでくれて哀しんでくれてありがとうございます。
なな様と同じように「読んでて心が痛い」というコメントをいくつか頂きました。
この言葉、自分にとっては最高の賛美です。
あ~・・・!(感涙)ちゃんと一二三が伝えたいことは伝わってるんだなぁ、と。
私もきちんと「痛み」と最後まで向き合ってラストを迎えられるよう頑張ります。
是空様、安心しましたw
今回も拍手メッセージとっても嬉しいです。
ありがとうございます!
『お父さんと芽衣子ちゃんはよかった訳ではないんでしょうけど、なんかよかったねって少し思いました』
是空様のこのお言葉に、一二三大変救われました・・・!。・゚゚(ノД`)
ラストも「なんかよかったね」って思って貰えたら、それだけで嬉しいです。
言葉には出来ないことを言葉にするために、一二三頑張ります!
ありがとうございます!
『お父さんと芽衣子ちゃんはよかった訳ではないんでしょうけど、なんかよかったねって少し思いました』
是空様のこのお言葉に、一二三大変救われました・・・!。・゚゚(ノД`)
ラストも「なんかよかったね」って思って貰えたら、それだけで嬉しいです。
言葉には出来ないことを言葉にするために、一二三頑張ります!
siva様、初めまして!
どうも、お世話になっております、管理人の一二三です。
siva様、まずはすみません!;
「under gerden」の方でも拍手メッセージくださってましたのに、返信してなくて本当に申し訳ございません!
管理の手が行き届いてなくてお恥ずかしい限りです。
色々と不手際が多いサイトと管理人ですが;今後ともよろしくお願いできれば幸いです!。・゚゚(ノД`)
また是非遊びに来てくださいね。
siva様、まずはすみません!;
「under gerden」の方でも拍手メッセージくださってましたのに、返信してなくて本当に申し訳ございません!
管理の手が行き届いてなくてお恥ずかしい限りです。
色々と不手際が多いサイトと管理人ですが;今後ともよろしくお願いできれば幸いです!。・゚゚(ノД`)
また是非遊びに来てくださいね。
ちゃーみーママ様、今回も拍手ありがとうございます!
拍手&メッセージ、本当にありがとうございます!
ほんとそうですよね~~w
なんて感想の書きにくい話・・・!(笑)
一二三の自己満足で書いてるようなものなので、拍手いただけるだけでも十二分に嬉しいですよv
毎日をただなんとなく生活していくのって、一二三はとっても大事なことだと思います(о´ω`о)
「ただ生きていく」っていうことが難しい世の中じゃないですか。
色んなことが本当に些細なことで転じちゃったり・・・良い方にも悪い方にも。
人の不幸でメシを食う仕事をしてる一二三は、もっと毎日を堅実に積み重ねて生きていかなきゃなぁ・・と反省しきりですw
さて、物事は最後の一押しこそが一番難しいものですよね!
ラストまで頑張ります!
最後までお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします!
ほんとそうですよね~~w
なんて感想の書きにくい話・・・!(笑)
一二三の自己満足で書いてるようなものなので、拍手いただけるだけでも十二分に嬉しいですよv
毎日をただなんとなく生活していくのって、一二三はとっても大事なことだと思います(о´ω`о)
「ただ生きていく」っていうことが難しい世の中じゃないですか。
色んなことが本当に些細なことで転じちゃったり・・・良い方にも悪い方にも。
人の不幸でメシを食う仕事をしてる一二三は、もっと毎日を堅実に積み重ねて生きていかなきゃなぁ・・と反省しきりですw
さて、物事は最後の一押しこそが一番難しいものですよね!
ラストまで頑張ります!
最後までお付き合いのほど、どうぞよろしくお願いします!
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