Posted by 一二三 - 2010.11.21,Sun
祝☆2000 hit 超感謝!!
ありがとうございます!!
そして2000キリ番もスルーーぅですね!了解しますた!
これは一二三に対する焦らしプレイの一環と受け取るであります!(←違うwww)
なにはともあれ、本当に(もう何度言ったかわからないけど言わせてくださいw)ありがとう!!
というわけで、お礼に鋼牙×カオル話、うpしました!
遠距離恋愛の醍醐味は電話ですよ!電話!!きゃー\\\\\ ←落 ち 着 け。
というわけで電話話です☆!
思いがけず長くなってしまったので、2分割することにしました。
途中であきたらスミマセン!どうぞ宜しくお願いします。
それではつづきクリックで 『 I need you. 』 Part.1 へどうぞ。
「・・・お前には、本当に世話になった。」
そう言って鋼牙は深々と頭を下げた。
それはまるで、もう二度と会えない・・・今生の別れにするような挨拶だった。
・・・これでお別れなの?
本当にもう二度と会えないの?
私を助けるだけ助けたら、もうさよならなの?
・・・・私はどうするの?
私は何も言わないの・・・?
伝えたいことは、全てあの絵本の最後のページに込めたから・・・?
違う・・・まだ伝えてないことがある。
まだ鋼牙に言ってないことがあるの。
・・・今言わなきゃ。
これで本当に最後になってしまう。
だから言わなきゃ・・・。
なのに、想いだけが先走って何ひとつ言葉にならない。
頭に浮かぶのはこれまでのこと。
時間だけがただ無常にすぎていき、結局・・・彼は笑顔すら見せずに去っていった。
ただ心だけを置き去りにしたまま・・・
『 I need you. 』 Part.1
イタリアに留学して、早1年が過ぎ去ろうとしていた。
それはつまり、鋼牙と離れてもうすぐ1年ということ・・・。
昼間は絵の勉強のため学校へ行き、夜はバーでアルバイト。
休みの日は“絵画通り”に出て、道すがら絵を描いていた。
この国は、どんな場所でも絵になる。
新たな場所に創作意欲を掻き立てられ、画家としては充実した毎日を送っていた。
画家としては・・・。
日本を離れてから、カオルの心にはぽっかりと穴が空いている。
絵を描けば楽しいし、満たされるが何かが足りない。
心に空いた穴は日増しに広がってゆくばかりだ。
やだなぁ・・・ホームシック?
自分には帰りたいと思う家などなかったはずだ。
鋼牙と出会う前までは。
一人暮らしなんて慣れっこだったのになぁ・・・。
鋼牙の家に押しかけてからというもの、私にとってゴンザさんが待っててくれる、鋼牙が帰ってくる場所が「家」になった。
日本を離れる間際・・・ゴンザさんが北の管轄にある冴島家別邸の電話番号をくれた。
「何か困ったことがあったらいつでも頼ってください」
そう言って手渡してくれたのだ。
この一年・・・ずっと寂しさに耐えてきたけれど、ほんの少しだけ甘えたくなる。
最近、なぜか思うように絵が描けないのも辛かった。
周囲の評価も厳しいものが多くて、画家として本当に上手くやっていけるのか不安だった。
・・・鋼牙に会いたい。
この一年で何度思ったか分からない・・。
せめて声だけでも・・・・。
でも、多分・・・電話をかけても鋼牙は出ないだろうなぁ・・・。
ゴンザさんに話を聞いてもらえたら、元気が出そう・・・。
そう思ってカオルは携帯電話を手に取った。
――・・・
「あいたたた!!」
執事のゴンザはソファに横になりながら腰をさすった。
「・・・町内会のゲートボールに無理に参加するからだ・・・。」
「す、すみません鋼牙様!なかなかハマってしまいまして・・・。」
申し訳なさそうに頭を掻いて答える執事にため息が漏れる。
「だからといって、ギックリ腰になるまで・・・。」
無茶しすぎだ・・・。
とにかく、大人しく休んでいろとゴンザを横にさせる。
そのときジリリリリ・・・と別室にある電話が鳴った。
ああ!と咄嗟に起き上がろうとするゴンザは腰の痛みで再び沈む。
「いいから・・・俺が出る。」
ゴンザを再び寝かしつけ、居間の扉を閉めてから電話に出た。
急いでいても、ちゃんとドアを閉めるのはゴンザのしつけゆえである。
年季の入った黒電話の受話器を握る。
「はい、冴島ですが。」
電話口の相手は何故か沈黙していた。
――・・・・
携帯から聞こえた声にカオルは思わず絶句した。
こっ・・・鋼牙!!?
まさかの展開だった。
ゴンザさんがいるんだから、鋼牙が出るはずない・・・そう決め付けていた。
どう話しを切り出そうかあらかじめ決めていた文句が、一切無駄になってしまった。
そういえば、名字冴島でしたね!
・・・なんて何の解決にもならないことばかり思い浮かぶ。
あああ・・・・どうしよ、どうしよう!?
な、何か話さなきゃ・・・!
≪・・・もしもし?≫
鋼牙も「もしもし」とか言うんだ・・!!
って当たり前でしょ!?私、鋼牙を何だと思ってんの!?
・・・・自分で自分につっこんでいる場合ではない。
とにかく何か、・・・何か用を思いつかなければ・・!!
「電話かけたけど、特に用事ない」とか言ったら確実に怒られる・・!
あ~~~もう!何舞い上がってんの、わたし!!
そうよ! 一旦切って掛けなおそう!
時間をおいたら、今度こそゴンザさんが出るかもしれないし・・・!
・・・・消極的過ぎるわ・・。
そもそも、鋼牙と話したかったんじゃないの・・・?
自分の情けなさにうなだれる。
・・・ダメ。どっちにしろ心の準備が出来てない・・・。
これじゃ、まるっきりただの無言電話だけど仕方ないわ。
このまま切ろうと思ったその時だった・・・
≪・・・・・。
・・・・カオル・・?≫
心臓が止まるかと思った。
ただ名前を呼ばれただけなのに・・・。
何故だろう・・・ずっと張り詰めていた糸が不意に緩む。
鼻の奥がつんとして、口を開けば嗚咽を漏らしてしまいそうだった。
でも何かしゃべらなきゃ・・・・イタ電かと思われる・・・。
もう本当に・・・・穴があったら頭から飛び込みたい気分だった。
――・・・
沈黙は肯定と取っておく。
名前を呼ぶと、受話器から鼻をすする音がかすかに聞こえたから、まず間違いない。
・・・・・泣いてるのか?
何かあったのかと心配になる。
なにせ、先ほどから一言もしゃべっていない。
・・・・・・・・・そろそろ声が聞きたいんだが。
しびれを切らして結局、自分から話しかける。
「・・・元気・・・か?」
≪・・・・ うん・・。≫
しばし間が空いてやっと答えた。
「ちゃんと食べてるか?」
≪・・・・うん。≫
「・・・・泣いてるのか?」
≪うんッ・・・・!≫
カオルはついに泣き出した。
きっと、いろいろ悩むこともあるんだろう。
慣れない土地で苦労もあるだろうし、何より絵の道は魔戒騎士より困難な気さえする。
俺が耐えれたのは一緒にゴンザがいてくれたからだ。
カオルはこの一年・・・ひとりでどれだけ寂しい思いをしたのだろうか。
気持ちが少し収まると、カオルは堰を切ったように話し始めた。
≪なっ、な~んて冗談でした!ほんとは・・・な、泣いてなんかないもん!
この私が泣き言なんて言うわけないじゃない!
あ~・・・花粉症よ!花粉症!!≫
・・・うそつけ。
大体・・・気付いてないだろうが、お前嘘が下手なんだ。
呆れてため息が出た。
だが、同時にほっともしていた。
・・・もう二度と。
本当にもう二度と・・・話すことも出来ないと思っていたから。
Part.2へ続きます。
PR
Calendar
New
(05/08)
(09/14)
(11/15)
(11/08)
(01/06)
Search
Counter
Template by mavericyard*
Powered by "Samurai Factory"
Powered by "Samurai Factory"