Posted by 一二三 - 2010.11.19,Fri
トイレに置くさわやかサワデ~☆こと、一二三ですwww おはこんばんちわ!
当サイトも、もうじきまさかの2000hitですよ!!?
日々お世話になって・・・・本当にありがとうございます。
皆様のメッセージに励まされて、ここまで来れました・・・!
よかったら、これからもよろしくお付き合いくださいませませ☆
さて、もうじき2000!ということで、またしてもキリ番設けます!
運悪くwww踏んじゃった方は、リクエストお待ちしてます。
現時点では2000と2500、2999予定していますので、一二三のかにみそ頭ではネタが尽くこと必至
・・・・・; 今回はリクエストいただけると大変助かります!!
本題ですが、久しぶりに小説UPしてます!
『想葬』です。
あまり明るい話でも、鋼牙×カオルでもありませんが読んで頂けると冥利に尽きます。
内容は「お盆」という感じです・・・!ハイ☆季節はずれですね、なんのこっちゃって感じですね!
すいませんでした!!orz
(どうでもいいですが、一二三は白い彼岸花、結構好きですwww最近はめずらしくなりましたね)
つづきクリックで、小説 「想葬」 です。
「起きて大丈夫なのか?」
「・・・大丈夫よ。
今日は気分がいいの。」
答えた妻は、そのまま空気に溶けてしまうのではないかと思うほど儚く見えた。
『想葬』
ベッドの上に座って窓の外を眺めている妻に、そっと近寄る。
彼女は口にはしないが、きっと外に出たいのだろう。
元々は活発な女性だった。
だが、我雷法師から冷たい空気に当たると体に好くないと注意を受けている。
出してやりたいが、出してはやれない。
妻が・・・病気に冒されていると知ったとき、すでにお腹には子が宿っていた。
出産はあまりにも体に負担をかける。
「・・・おろそう。」と言ったのは私のほうだった。
だが、彼女は頷かなかった。
まだあまり大きくなっていないお腹を大事そうに抱えて「この子を殺す気なら、あなたを殺す」と啖呵を切った。
それは今まで見たことのない、憎しみを込めた瞳だった。
彼女は強かった。
・・・・私よりもずっと。
私は逃げ出したかった。
・・・妻が死に病に冒されているという現実から逃げ出したくてたまらなかった。
息子が産まれて、2年。
まだ抱き上げてやったことはない。
愛する自信がなかった・・・。
生まれた時、「男児でよかったわね」と妻は呟いた。
今思えば皮肉だったのだろう。
命を懸けて産んだ子を私が魔戒騎士にすることが分かっていたからだ。
私はひどい夫で・・・ひどい父親なのだ。
ガロの称号どころか、全うな人間にも悖る。
私と妻との間に埋めようの無い隔たりが出来てしまったことは、もはや修復の効かぬことなのか。
「大丈夫か」以外に、何か語ることなど出来ようはずもなく、私は踵を返して部屋から出て行こうとした。
「ねえ、あなた。」
呼び止めた妻は優しい笑みをたたえている。
それに反して私の顔はひどく歪んでいただろう。
「残念だったわね。
この子は私似よ。」
眠る幼子を抱きしめて、彼女は勝ち誇ったように口端を上げた。
「ああ・・そうだな。」
妻のその姿はまだ元気だった頃を髣髴とさせ、心をどこか置き去りにしたまま私は答えた。
「きっと、大きくなったら私みたいな美丈夫になるわ。」
「・・・ああ、そうだね。」
「・・・優しい子に育ってくれるといいけれど。」
「ああ、きっと・・・。」
「いえ、やっぱり健やかであれば何も望まないわ。」
「そうだな・・・。」
返事はおざなりだった。
気もそぞろな私を、妻は特に咎めもせず息子に対する夢を語り続ける。
そして最後に、・・・
「そして、あなたに似て強い魔戒騎士になるわね!」
・・・何故かは分からない。
ただ、妻のその一言に私は許されたような気がしたのだ。
「大丈夫よ、大河。
この子はあなたと私の子だもの。
母親がいなくたって、きっとまっすぐ育ってくれるわ。」
「りん・・・!」
めったなことを言うなと声を荒げそうになった。
「うん・・・わかってる。
ありがとう・・・。
でもね、言うべきことはね・・・言っておかなくちゃ。
言えなかったらずっと後悔するわ。
私、化けてあなたの前に出たくないもの。」
妻は笑っていた。
分からない・・・。
自分がなぜこれほどまでに悲しい気持ちになっているのか。
別れが近いことを悟っているからか・・・?
妻は元気そうだ。
今日は気分がいいと言っていた。
それなのに、なぜ涙が止まらないのだろう。
私は妻の座るベッドに泣き崩れた。
年甲斐もなく、声を上げて泣いた。
妻はただ、じっとその様子を見つめていた。
慈愛に満ちた瞳で。
「・・・大丈夫よ。
あなたなら、絶対大丈夫。」
だいじょうぶ、だいじょうぶ・・・とあやす様に言い聞かす声に、私は失ったと思っていた愛が、実は何一つ欠けてなどいなかったことを知った。
妻との消えようのない隔たり・・・それはすべて私の杞憂であった、と。
罪悪感に苛まれて、壁を作っていたのは私のほうだったのだ。
「 鋼牙 をたのみます・・・・。」
妻は次の春を待たずに逝った。
どうにもならない。
そういう病気だった。
魔戒騎士の務めのため、最期を看取ることすら出来なかった。
家に帰ったときには全てが終わっていて・・・・、側には憔悴しきった表情の執事とそのすぐ隣で泣きじゃくる幼子がいた。
悲しみに満ちた場所に立ち、ここは本当に私の家だっただろうかと現実を逃避すらした。
鋼牙は幼いなりに、とてつもなく悲しいことが起こった事を理解しているのだろう。
それに比べ、私はなんと情けないことか・・・。
白い布に覆われた妻の死に顔は、恐ろしく安らかで・・・後悔の一つもなかったのか、と私はうなだれた。
そっと近寄る小さな足音・・・。
見ずともそれは鋼牙である。
泣き止んだのか・・・と彼を見やると、流れる涙はそのままに瞳だけはパッチリと開いて私を見つめていた。
まだ2歳なのに、こんな顔が出来るのか。
私は何も知らなかった。自分の息子のことなのに。
今まで、一度もちゃんと向き合ったことなど無かった。
鋼牙がこんな顔をしていたことを初めて知ったのだ。
妻によく似ている。
「おとうさん・・・。
だいじょうぶだよ・・・。」
嗚咽混じりの声で、何が大丈夫なのか・・・。
まだ2歳なのに父親を慰めようとしているのか?
「おかあさん、・・・・ありがとうって・・・・・・」
・・・・!
「たく・・さん、たくっさん!ありがとう・・・」
そこまで告げて、ついに堪え切れなかったのか大声を上げて泣く鋼牙・・。
私は初めて息子を抱きしめた。
知らなかった。
妻と同じ匂いがするのか・・・。
知らなかった。
この子はこんなにも強いのか。
泣きながらも、悲しみに捕らわれることなく未来に正眼を向けている。
私がしっかりしなくてどうする。
私はこの子の父親なのだから・・・!
この子を必ずや守り抜き、強い魔戒騎士に育て上げてみせよう。
りん・・・君が見られなかった夢を・・・私が現実にするんだ。
君の分も・・・しっかり私が愛すから・・・。
だから、・・・・・私が駄目なときは、化けて出て・・・
叱ってくれ。
―――・・・
「命日おめでとう。」
《命日がおめでとうってのはどうなんだ・・・?》
「そうよ!ほら、鋼牙もちゃんと手を合わせて!」
相棒と彼女に叱られながら、お墓参りを済ます。
父さん・・・そこから俺のことは見えていますか?
母さんとも仲良くやっていますか?
バラゴとは仲直り出来ましたか?
年に一度くらいは俺のことを思い出してくれていますか?
まぁ、当分はそっちに行くつもりも無いので、なんとか・・・もうしばらく頑張っていこうと思います。
・・・・。
・・・・報告ですけど、大切な人が出来ました。
もう紹介は出来ないけど、・・・とても良い子です。
父さん、あなたは母さんと出会った時どんな気持ちでしたか?
やっぱり、・・・・色々悩みましたか?
今、あなたに相談できなくて本当に残念です。
悩むことも多いけれど、あの時・・・あなたもこんな気持ちだったのかなぁとか考えると不思議とどんなことも乗り越えられそうに思います。
これからも、どうか・・・時々でいいから・・・
見守っていてください。
「鋼牙、お父さんに何て言ったの?」
「・・・現状維持。
さりとて変革・・・。」
「・・・なにそれ?」
fin
「白夜の魔獣」は母の愛に尽きる・・!!(ノД`)・゜・
しかし、鋼牙のかあちゃん・・・あんなに元気そうだったのに、あれからすぐ病気で死んじゃったなんて・・・。
人の死は突然にして残酷ですね・・・。
鋼牙は大河が自分のことを思い出すのは年に一度くらいでいいと思っています。
死んだ先くらいは・・・息子の心配などせずに、そこにいる人々と安寧にいてほしいと願っています。
・・・・そういうタイプかなと。
一二三もそうありたいものです。
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