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Posted by 一二三 - 2010.12.23,Thu

大変、遅くなってもうしわけない・・!!orz

お引越し&新生活で多忙を絶賛w極め中の一二三です。


皆様たいへんおまたせしました☆
やっとこさ、4話UPですw

しかし何も進んどらん・・・・!!;オワタ☆


えーーーー!!?これ終わるの!?
ちゃんとクリスマスに終わるの!?(;Д´)


と一番不安になっているのは;他ならぬ一二三自身です!サーセン!!

当初は3~4話とアホぬかしましたが、スイマセン撤回させていただく方向で・・・(汗)

都合あと、2・3話・・・・?

うそーんω`)


時間がないのと相まって、推敲が足りてない部分がありますが、どうぞご容赦いただければ助かります!

ちなみに4話分ほど書き溜めていた分ですが、推敲や再構成してみたところ、全くのボツに・・・・!


が、頑張ります・・・!!


良かったら、読んでください☆

クリスマス企画☆長編小説 『Crocifissione』第四話へは「つづき」クリックでどうぞ☆



※ちなみに前回、クイズだった「カオルに渡されたプレゼントは一体なんでしょうか!?」
 の回答はw

 
 選択肢は① 爆弾
       ② 指輪
       ③ 果たし状

 ・・・だったわけですが、ダンタリアンw曰く「どれか一つとは尋ねていませんが?☆」

 だ、そうです・・!!;

 さて、一体なんだったのか。

 一二三としては③ 果たし状であり、① 爆弾(ある意味)でもあるw
 皆さんの回答で一番多かった② 指輪はスイマセン、またの機会に☆

 ほっほっほ、一二三が仕掛けた罠に嵌ってしまいましたね・・・・(←悪い顔w)
 零の「しりとり」に惑わされた方も多そうです;
 ゴメンだっちゃ!orz
 
 








路面を濡らす雪がチラチラと暗闇の中で光っては落ちていった。
 
寒さで体を抱き締めながら、雪で濡れてしまわないように小包を胸に隠す。
 
 
 
遠く隔たれた二人の道を振り返る意気地もなく、カオルは美術館へと引き返した。
 
 
――・・・
 
 
 
『Crocifissione』第4話
 
 
 
 
 
どっと疲れた気持ちに、美術館の薄暗さと静けさが染みを作っていく。
 
 
 
 
・・・・鋼牙は振り返ってはくれなかった。
 
今になって思えば、それは今日に限ったことではなく・・・大事なとき彼はいつもそうだった。
 
 
 
・・・決して私を振り向きはしないが、追いついてくるのをいつも待ってくれていた。
 
 
カオルは胸にぎゅっと抱きかかえた小包を再度見やる。
 
 
平べったい、画用紙くらいの大きさの白い封筒にクリスマス特有の緑と赤のリボンがあしらわれており、見た目鮮やかなプレゼントだった。
 
 
裏を見ると『K・S』とだけ右下に控えめに書かれている。
 
 
あんな酷い別れ方をしたのに、5日ぶりに会った鋼牙はサンタクロースの格好で、よりによってクリスマスプレゼントを渡したのだ。
 
その意外性にカオルは疑問を感じずにはいられなかった。
 
 
なぜ今なのか。
 
 
・・・・どうして鋼牙は・・・。
 
 
未だに褪せることも尽きることもない想いを抱えながら、カオルはそっと破れないように慎重に包みをあける。
 
 
 
!・・・・
 
 
見えてきたものに、思わず絶句した。
 
 
それはカオルが精一杯の感謝を込めて贈った、あの絵本。
 
 
 
 
『黒い炎と黄金の風』
 
 
 
 
胸の痛みに唇がわなないた。
 
 
それはカオルがイタリアに行く前に手渡した絵本だった。
 
・・・鋼牙は・・・、「これ」を返しに来たんだ・・・。
 
 
 
事実に愕然とする。
 
 
もう・・・要らないから・・?
 
 
私のことなど、もうどうでもいいから・・・・?
 
 
私の想いも・・・すべて・・
 
 
 
もう、必要ないんだね・・・  鋼牙。
 
 
 
かつて左手の中指に嵌っていた指輪の跡が消えてなくなってしまったように。
 
 
彼の想いも私から遠く離れてしまった。
 
 
 
なぜだろう・・・・ずっとそれを望んでいたのに。
 
 
少なくともこれで鋼牙は、
 
私のために命を擦り減らすことは無くなる。
 
 
望んで、そうなったのに・・・
 
 
 
 
現実はあまりにも残酷に、カオルへ断罪を突きつけた。
 
失ってしまったものの大きさに、何度も後悔したけれど・・・今この瞬間はその比ではなかった。
 
 
・・・・・どう・・して・・・?
 
どうしてそんなにも私の心を引き裂くの・・・!?鋼牙・・・。
 
 
 
 
もう必要ないなら、いっそ棄ててほしかった。
 
こんな風に、私の心をいとも簡単に踏みにじれたなら出来たはず。
 
 
 
こんな形で・・・・あんな格好で、突き返されたくなかった。
 
もしも、これがクリスマスプレゼントのつもりだとしたら、とんだ“あてつけ”だと、カオルは顔を歪める。
 
 
・・・・おかしいなぁ・・・、涙なんてもう枯れちゃったはずなのに・・・。
 
 
瞳から止めどなく溢れるものに痛みすら感じた。
 
 
 
 
鋼牙は決断を下したのだ。
 
だから私もこの想いから決別しなければ・・・!
 
 
 
半ば自暴自棄になりつつ絵本を持つ片手を振り上げた。
 
「・・・っ・・・う・・!」
 
投げ棄てようとした腕が頭上で止まる。
 
 
二の腕は怒りとも、悔しさとも、悲しさとも取れぬ小刻みな震えを繰り返すだけ。
 
 
な・・んで・・・・どうして・・・!?
 
なんで出来ないの!!?
 
 
 
・・・・分かってる。
 
『好き』だから。
 
彼をそれでもまだ『愛している』から。
 
 
 
 
 
5日前の、彼が言い残した“さよなら”を思い出す。
 
 
 
決して報われない想いを抱えてこれから生きていく。
 
自身の人生を悲観して、カオルは立ち尽くした。
 
絵本はだらりと力なく下がった彼女の手にあるまま・・・。
 
 
 
嗚咽を漏らしそうになったその時、不意に背後から声を掛けられる。
 
それは美術館のオーナーで、カオルは慌てて涙を拭いた。
 
 
「おや、まだ残ってたのかい?
・・・それは?」
 
オーナーは優しげにカオルを労い、彼女の手にある絵本を指差して尋ねた。
 
「・・・父が、描いた絵本です。」
 
 
「へぇ~、御月由児先生が絵本を書いていたとは知らなかったなぁ~!
 ちょっと見せてくれないか?」
 
 
カオルは一瞬ためらったが、最後のページにもう意味は無いことを自身に言い聞かすと、オーナーに絵本を差し出した。
 
「いいですよ。
 よかったら・・・差し上げます。
 私には・・・
・・・もう必要ないものですから・・・・。」
 
 
オーナーはパラパラと絵本のページを捲る。
 
そして最後のあのページに行き着いたとき、そっと絵本を閉じて大事そうに両手で彼女に返して言った。
 
 
 
「やはり遠慮するよ。
これは・・・君が持つにふさわしい。」
 
 
 
でも・・・・。
 
 
 
つき返された絵本を恨めしく見つめた。
 
 
正直、カオルの手にあったところで、この絵本はもはや辛い思い出の象徴でしかない。
 
決して叶うはずのない恋の・・・・。
 
 
しぶしぶといった感じでオーナーから受け取ると、彼はいぶかしむように眉を寄せた。
 
 
「・・・君は絵本の最後のページを見ていないのかね?」
 
「いえ・・・知ってます。
 というより、・・・・最後のページは、私が描いたものですから・・・・。」
 
 
「それはおかしい。」
 
オーナーの言葉にカオルはえ・・・?と瞬いた。
 
 
 
 
「これは君が描いたはずはないんだよ。」
 
 
 
 
まるで言われている意味を理解できないカオルは、眉根を寄せてオーナーを見つめる。
 
彼は何を勘違いしているのだろう・・・これは私が描いたものだ。
 
「鋼牙に宛てて描いた」のだ。
 
間違いない・・・・。
 
なのに、なぜ・・・・?
 
 
 
混乱しているカオルにオーナーはかすかに笑って、「一人のとき、じっくり見るといい」と告げた。
 
「さあ、明日から忙しいんだから。
 もうギャラリーの鍵を閉めるよ。
 とっとと帰った、帰った♪」
 
 
カオルの背中を押して外に追い出したオーナーは、彼女の姿が見えなくなるまでずっと手をふってくれていた。
 
 
暖かい笑みに首をかしげながら、カオルは亜佐美のアパートへと帰宅を急いだ。
 
 
 
 
――――
 
 
 
「・・・“もうすぐクリスマスだから、プレゼント渡すには絶対サンタだ”と言ったな?」
 
「大丈夫だって、鋼牙!
 この変装は完璧だった!
 絶対カオルちゃんにはバレてないって。」
 
 
「・・・・。
 そうは思えないが・・・。」
 
訝しげに零を見つめる鋼牙に、彼はまんまと作戦が上手くいったことを知る。
 
絶対にカオルちゃんはサンタの正体に気付いただろう。
 
・・・こんな背の高いサンタがいるかよ・・・!
 
 
「・・・ところで鋼牙。
 カオルちゃんに何を贈ったんだ?
 “これで最後”とか言ってなかったっけ・・・」
 
 
協力したんだから、知る権利はあるだろう。と零は鋼牙に問い詰める。
 
 
「・・・ああ、最後だ。」
 
 
呟くように答えて、窓の外の景色に茫洋と目を向ける鋼牙に、零はやはり確かめずにはいられなかった。
 
「・・・本当にそれでいいのか?
 カオルちゃんに二度と会えなくても?
 カオルちゃんから例え嫌われても・・・?」
 
 
「カオルは関係ない。
・・・・大事なのは、俺があいつを“守りたい”ということだ。
たとえ嫌われようと、カオルの感情と俺の気持ちには何の関係もない。
・・・想われるから想うんじゃない。
俺がそうありたいと望むから、そうしたいだけだ。」
 
 
「自己満足・・・」
 
批判的に出た言葉に鋼牙は薄ら笑いを浮かべる。
 
「そうだな・・・。」
 
 
自己嫌悪の象徴のような顔をしている親友を零は歯がゆく思った。
 
「・・・やっぱ俺にはわかんねぇよ。
 そりゃ相手には幸せになってほしいさ!
 だけど、自分だって幸せになりたいだろ!?」
 
 
 
「いいんだ、俺は・・・。
 もうたくさん貰ったから・・・」
 
 
 
儚げな笑みで、それでも満足したように呟く鋼牙に零はこれ以上もう何も言えなかった。
 
 
 
・・・いつだってそうだ。
 
本当に大切なことの多くは、・・・ずっと後になってから気付くものなんだ。
 
“今はこれしかない”
 
そう思えることだって、案外あとになったら違うかもよ?
 
『運命』だなんてそんなものは嘘っぱちだ、とそう言い放つほどの勇気が自分にあったなら・・・・。
 
 
零は静香と道寺を失ったとき、これは「運命」だと思った。
 
そんな「宿命」だった、と諦めた・・・。
 
 
 
そうでなければ・・・・・・
 
 
 
とても耐えられなかった。
 
 
 
鋼牙の行動を肯定も、ましてや否定など出来るはずもなく、零はただうな垂れた。
 
「・・・あといくつの“出会い”を“さよなら”にするんだろう、俺達は・・・。」
 
 
 
おそらく様々な気持ちが去来している零に、鋼牙はただうなづくことしか出来なかった。
 
 
すまない・・・・。
 
 
 
俺は、
 
 
ただ・・・無力で・・・。
 
 
 
 
 


 
 
 
 To be continues
 
 
 
「絵本」・・・なんなんでしょうね、ふっふっふ・・・(企み)
 
 
鋼牙は零が自分達のことを気にかけてくれていたと知っているからこそ、謝るしかないんでしょうね・・・。
 
鋼牙と零のエピソードを追加したため、あらかじめ書き起こしていた話が2つほど無駄にwなり、今は一二三戦々恐々という気分です;
 
クリスマス間に合わなかったらごめんね!!;orz
 
文句は零と鋼牙のほうにおねがいしまっす☆
 

拍手[45回]

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Comments
ヘキ様、またまたありがとうですv
応援しかと受け取りました!
更新・返信遅くてスイマセン!

これからも頑張るっすよ!
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.25,Sat 22:22:03 / Edit
風の道様、返信遅れてスイマセン
いつもお世話になってますv

はい☆まんまと騙してスイマセンでした!;orz

一二三としましては、分かりやすいエサw(②番)だったんですが、皆様、心が綺麗でいらっしゃるのねv!
自分自身の汚れが目に付くw今日この頃な一二三です(笑)
なぜかコレだけ拍手数が多いのも、皆様の恨み節的なものを感じる・・・(怯)

ブログの件、気になりますね!!
さらに、皆様仲良く集まってツイッターしてるじゃないですか!?
(←いまいちツイッターとチャットの区別がつかない一二三w)

うはー!今後の動向に目が離せませんね!
これからも注目していきたいです。
情報ありがとうございます!!
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.25,Sat 22:31:48 / Edit
咲大様、いらっしゃいませv
同日に再び拍手&メッセージ頂いたの初めてです・・・!!w(力説)

というか、もう全部(小説)お読みになったってことはありませんよね!?;
さすがに無いか・・・(笑)
ドンマイ☆一二三!w

ここ最近は更新が遅くて申し訳ありませんorz

正直、こういう長編ははじめての試みだったので、楽しみにしてくださって嬉しいです!
最初は途中で飽きられるんじゃないかと・・・!ビクビク(←どんだけチキンw)

ラストも楽しみに待っててくださいね!
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.25,Sat 22:37:56 / Edit
龍鈴様、4話です!w
ご感想&貴重なご意見ありがとうございます!

読んでいただく方によって解釈はそれぞれだと思いますし、書き手の意思を表に出すのも抵抗があったんですがwあれからだいぶ経ちましたし、ご質問にお応えしたいと思います☆

宜しければお付き合いくださいませv

まず、「絵本を渡した鋼牙に、カオルと決別する意志があったかどうか」ということですが、龍鈴様のご指摘のように、このときの鋼牙はどちらに転んでも良かったんです。
もうどうでも良かったんでしょう。
更に、鋼牙の予定ではカオルが絵本の最終ページを見たことは実は想定外でした。
小説でも描写しましたが、自分のプレゼントした絵本が返されたと知れば、カオルは見ることもなく捨てるだろうと鋼牙は思っていたからです。
(なので、「最終話」で鋼牙は驚いていました)


つまり、「必ず捨てる」と想定したものに、自分の想いを書き綴ったんです。

(一二三の意図としては)鋼牙は自分の想いをカオルの手で捨てて欲しかった。自分では出来ないから・・・。
捨てなければ、このまま使命を全うすることが出来ないとも感じていたと思います。
非常に焦っていました。

あと、最終話の冒頭では鋼牙がカオルに宛てたメッセージの全文を書いていますが、実はここだけの話w(一二三の意図では)

絵本に書かれていたのは、第一話冒頭の一文のみでした。


「どうか悲しまないで下さい。
 俺はもう、君に有り余るほどの幸福を与えてもらったのですから。」(しかもイタリア語で)

最後のページ、見開きにこれだけ。


非常に控えめな告白ですね。

今だから言える筆者の秘話ですw
Posted by 一二三(管理人)です - 2011.06.29,Wed 22:21:51 / Edit
返信の返信w
>自分のプレゼントした絵本が返されたと知ば、カオルは見ることもなく捨てるだろうと鋼牙は思っていたからです。

ふにゅ・・・話の中の鋼牙は、カオルの自分への想いの大きさを見誤ってたんですねぇ・・・(大変だったけど幸せ者めw)
画廊のオーナーGJwww

>絵本に書かれていたのは、第一話冒頭の一文のみでした。

逆に納得、龍鈴的鋼牙はどこまでも不言実行の人なので声にして(もしくは)言葉にしても
短いのがデフォでした。
こーラブシーンも返事のかわりに抱きしめちゃうようなw
Posted by 龍鈴 - 2011.06.29,Wed 22:48:41 / Edit
Re:返信の返信w
返信の返信の返信です!w
↑ もう訳が分からないww(爆笑)

うふふvありがとうございます、龍鈴様!☆
Posted by - 2011.06.30 at 22:52
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