Posted by 一二三 - 2011.11.27,Sun
こんばんはー!一二三です!!φ(о´ω`о)
今日は良い風呂の日ですよ!!温泉とか行きたい~~~!!
紅葉の季節ですし、行ける人が羨ましいですわ~~☆
さてさて、今夜は72000hit☆をゲットしてくださった方からいただきたリクエストにお応えしたいと思います!
72000hit☆ですよ~~!!皆様日頃のご愛顧本当にありがとうございます!v
今日にピッタリなお題を頂きましたよ!
『一緒にお風呂に入る鋼カオ』
ですよ!(燃)
ありがとうございます!S様☆!
実はずっとやりたかったお題なんですけどね、自発的に犯っちゃうと、
「一二三マジ変態!」とか「逮捕~~!」って言われちゃうでしょ!!ww(>д<;)
だってお風呂ですよ!お風呂といったらチョメチョメな展開でしょ!!お
風呂で鋼カオとか他になにすんだ!!ヽ(゚Д゚)ノ←おちつけw
ふーというわけでw
いつにも増して一二三が暴走しています。(※妄想の誤り)
なんと途中から「under gerden」行です。
ええ、もう何も迷うことはありませんでした!!すがすがしいほどに!!
ありがとうございます!S様!ほんとS様!ww
一二三の犯行に動機を与えてくださり、ありがとうございました!w笑
!注意!
・がっつり鋼カオ
・鋼牙思春期
以上、「大丈夫よ!私そういうの待ってた!」という方のみ、「つづき」クリックで途中まで読めます。
全文一気に読みたい方は0時半ごろまでに「under gerden」にてUPしておりますので、そちらへどうぞ。
では!☆
「つづき」クリックで 72000hit 御礼小説 『Bath Time』途中まで読めます☆
今日は良い風呂の日ですよ!!温泉とか行きたい~~~!!
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ふーというわけでw
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なんと途中から「under gerden」行です。
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「きゃぁぁーー!
ちょっと、どういうつもりーー!」
上から白いペンキが落ちてきて、私はよける間もなく頭から引っ被ってしまった・・・!
カランと乾いた音を当てて、液体より少し遅れて缶が落ちる。
幸い缶は私に衝突しなかったけど・・・。
「あ・・!すいませぇ~~ん!;」
頭上から聞こえてきた声に私は怒りを露わにしてにらみあげた。
すいません、じゃないわよ!!
しかもそんな悪びれた様子もなく・・!
「けほけほ!」
口にまで入ったわけじゃないけれど、シンナーの刺激臭に思わず咳き込む。
自分の胸元も腕も白いペンキがべっとりと付いていた。
もう!最悪!!
街中をすごい剣幕で、しかも白いペンキ被ってドシドシ歩く姿は、とても異様に見えたのか通行人の視線が私に注がれる。
なによ!文句あんの!
今の私はものすごーく機嫌が悪いんだから!
話しかけたりしたら許さないわよ・・・!
目の前の歩行者用信号は不運にも長い間、赤。
横断歩道の白黒をじっとにらみながら、興味津々で注がれる視線に耐える。
すぐ隣に立つ長身の男性?がチラチラと窺うように見てきた。
私は出来るだけ周囲を見ないようにしていたから、男か女かもよく分かんないけど・・・たぶん、私よりずっと身長が高いから男とみなす。
・・・なによ?そんなに気になるわけ?
夜の街を、白いペンキ被って歩いちゃいけないわけ?
私だって被りたくて被ったんじゃないわよ!早く家帰ってお風呂入りたいし・・!
あー・・ゴンザさん、こんな格好見たらびっくりするだろうなぁ・・・。
どうか鋼牙が家に帰ってませんよーに!
こんなみっともない姿見られたら・・・本格的にお嫁にいけないし・・ぐすん。
・・・・って
いい加減ジロジロ見てんじゃないわよ!!
「何よっ!!」
ぐわっと思いっきりしかめっ面で隣の男性を睨み上げた・・・!
ところがそれは。
「ここここ鋼牙!!?;」
見上げた先にあったのはちょっと困惑した表情の鋼牙。
「・・・カオル・・・!
・・・今の顏・・・」
「忘れて!!;
記憶から消し去って!!;」
ぎゃーーー!恥ずかしい~~!///
まさか鋼牙だなんて・・!
我ながら、ものすごく不細工な顏で睨みつけた自信がある。
なんでもないのよ!といつもの笑顔で取り繕いながら、とんでもない醜態をさらしてしまったと内心焦っていた。
好きな人には絶対見せられない顏だったから・・・!
夜の雑踏で偶然、しかもこんな時に会うなんて・・・
ツイてるのか、ツイてないのか。
「やはりお前だったのか・・・・;
正直、話かけようかどうか判断に迷った。
信じたくなかったが・・・今の顏・・・」
「忘れてってば!;」
「それよりもどうしたんだ、その格好・・。」
「上からペンキかけられちゃったの・・・。」
「ペンキだと!?
どこのどいつが・・!!」
私の言い方が悪かったのか、悪戯でやられたと誤解したみたい。
「あーー!誤解よ!;事故なの事故!」
「そ、そうか。
・・・ 大丈夫なのか?」
「うー、早く洗い流さないと固まっちゃうよ~~;」
「固まる!?;」
あ・・・。
今、絶対また誤解した・・・・。
歩行者信号がぱっと青に変わって、雑踏が動き出す。
「早く帰るぞ!」
ぐいと鋼牙が私の腕を引っ張った。
いや、あの;そんな急がなくても・・・;
接着剤みたいに固まるわけじゃないんだから。
せめてもの救いと言えば、今日はお気に入りの服じゃなかったこと。
もったいないけどポイっと捨てちゃえばいい話だ。
髪や体についたペンキはお風呂に入ればとれると思うし。
でもせっかく鋼牙が腕を引っ張ってくれてる・・・。
私はえい!っと思い切ると掴まれた反対の腕で鋼牙の腕にしがみつく。
さながら腕を組んで歩く形になり、内心ふふん♪と鼻歌を歌った。
ペンキ被ったけどいいこともあった!
街中を鋼牙と腕組んで歩けるなんて。
足早に歩く鋼牙がふと私の様子に首をかしげる。
「・・・お前、なんか嬉しそうじゃないか?」
「え?そーぉ?」
屋敷に帰り着くまであと徒歩10分。
10分間幸せなんだから、嬉しくもなるよ。
それなのに・・・
乙女心の分からないやつ。
「・・・さっきまで鬼のような形相をしていたのにな。」
「いっつもしかめっ面の鋼牙に言われたくないですー!」
軽口をたたきあいながら、綺麗な夜空の下を少し早歩きで帰路につく。
びゅうっと北風が首筋を撫でて、体が縮こまった。
「・・・うう、さむっ!
なんかやっと冬になってきた、って感じだね!」
「・・・そうだな。」
柔らかい声で答える鋼牙の肩口に私は甘える仕草で頬を寄せると、憮然とした顏を向けられる。
「・・・歩きにくい。」
ぶつかる身体に鋼牙が不平を垂れた。
ちょっと耳が赤いのは寒いせい?
そうじゃないこと分かってるよ、私。
「寒いんだもん。
風さえぎって?」
「俺は盾か・・・。」
「うん!
だって私のこと守ってくれるんでしょ、騎士様?」
茶化して上目遣いで尋ねれば、彼は苦笑いを浮かべた。
「ペンキ姫、今度から少しは前を見て歩いてください。
俺の守備範囲を越えています。」
「えーー!なによそれ!」
点々と道を照らす街頭を辿りながら、私達は何度かいたずらに会話をした。
―――・・・
屋敷に帰り、鋼牙が玄関ドアに手をかけたけど不思議と扉は開かない。
あれ?ゴンザさん出掛けてるの?
鋼牙はポケットから鍵を取り出すと、ガチャリと回した。
扉を開けると玄関ホールにちょこんと椅子が置かれており、座面に重りとメモが乗せられている。
鋼牙がひょいと手にとってゴンザさんが残したであろうメモを読んだ。
「・・・夕飯の材料をひとつ買い忘れたらしい。
買い物に行ってくる、とある。」
「あ、じゃあ私先にお風呂に入っちゃおうかな・・。」
そう呟くと鋼牙が私を頭のてっぺんからつま先まで見た。
「・・・そうだな。
それを早く取れ。
ゴンザが見たらきっと悲鳴を上げる。」
鋼牙の言葉を受けて、ちょっと心配になる。
・・・そんなにひどいの?;
てとてと、と洗面所に向かい鏡をのぞきこんでようやく自分の姿をはっきり把握した。
「うーわ;
結構こびりついてる・・・・。」
脱衣所の鏡を見ながら髪の毛についたペンキをはがそうとするけれど・・・
「いたっ!」
思わず強く髪を引っ張ってしまい、痛みが走った。
私の声に鋼牙が洗面所を覗き込んで、少し呆れた声音で提案してきた。
「・・・カオル、どうせ風呂に入るんだろう?
洗い流したほうがよくないか?」
「うーーん・・こんなにひどいと思わなかったよ・・。
うかつにシャンプーも出来ないなぁ。」
「・・・・。
・・・・仕方ない、洗ってやる。」
ええっ!?;
鏡越しに聞いた鋼牙の提案に、私はぎょっとした。
「い、いいよ!いいよ!!;」
慌てて振り向いて首と両手を横にふったけど、鋼牙が至って普段通りに応える。
「一人じゃ難しいんだろう?
バスタブに湯を張ってやるから、お前は漬かっていろ。」
「つ、漬かってどうするの!?;」
「だから。
その間に俺が頭を洗ってやる。
時間がかかるんなら尚更だ。
風呂に漬かってないと風邪をひくぞ。」
そそそそ、そうだけど~~!;
だって、お風呂ってことは全裸だよ!?;
裸だよ!?
まだベッドの上でも見られたこと無いのにーー!
浴室は明るいし!;
やだ!無理!;ぜったいダメ!!
「おい、何を想像しているか知らんが、誓って変なことはしない。」
「こ、鋼牙は入らないの?お風呂・・・。」
「お前が出た後入る。
いいか?言っておくが犬を洗うようなもんだ。
余計な気を回すな。」
「イヌ!?;」
うわ~~;なんかすごいガッカリ・・!!
ちょっとでも、どきどきした私が馬鹿みたいじゃない。
あーそうですか。そうですよね~~私の身体なんか色気もカケラもないよねーー。
「わかったわよ、お願いします;」
もうどうでもよくなっちゃった。
ペンキとらないと後で自分が困るんだし。
ここは鋼牙を頼ろう。
まぁ・・・初めての一緒にお風呂がこんな理由で、っていうのは不本意だけど。
ほんっと不本意だけど。
恨めしげに鋼牙の横顔を見上げるけれど、そんな私の気持ちなんてまったく理解してない。
・・・せめてもうちょっとムード的なものを大事にしてくれたらいいのに。
鋼牙は自動湯沸し機のスイッチを押すと、「濡れてもいいように着替えてくる」と声をかけて脱衣所を出て行く。
私も自室に着替えを取りに行くべく、階段を上った。
は~あぁ。なんだかなぁ~。
私ってそんなに魅力ないかなぁ?
―――・・・一方その頃鋼牙は。
言ってしまった・・・・!!;
背中を閉めた扉に預けながら、赤くなった顔面を右手で覆い、自分の考えなさを嘆く。
左手からザルバが呆れたように語りかけた。
《・・・鋼牙、お前なぁ;
あんなこと言って出来るのか?》
カオルの髪を洗うなんてこと。
「・・・・つい;」
痛がってるカオルが気の毒で・・。
だが今は後悔している。
ていうか俺は出来るのか?
そもそも平静でいられるのか?
《おい、自分を追いつめるの好きだな;》
ただ単純に、痛い思いをしながら髪にこびりついたペンキを取るのは可哀相だとか、時間がかかったら今日は寒いし風邪をひくんじゃないか、とか。
決して不純な動機ではないはずなのに、こうやって焦っているところを見ると、裏には下心があるんじゃないかと自分でも思えてしまう。
情けない。
しっかりしろ、冴島鋼牙!
犬を洗ってると思えばいい!洗ったこと無いが・・・!;
「・・・ただの善意だ。
誓って妙なことはしない。」
はっきりと口にすると、意外に効果的だった。
今ならやれそうな気がする・・・。
《っち・・・つまらん奴だ。
風呂場で二人きりなんだぞ?
いやらしいことしないで何するんだ・・・まったく。》
「うるさいっ!!///」
平静さを取り戻した頭が再度沸騰した。
俺はザルバを左中指から引っこ抜くと、ベッドのクッションに向かって投げつける。
《さっさと着替えてカオルのところに行け。
お前のほうが先にのぼせないよう気をつけろよ、鋼牙。》
「ぐ、覚えていろよ・・・!」
否定しきれないところが余計に腹立たしい。
にやにやしているザルバを睨みつけながら、俺はワイシャツとジーンズに着替えた。
まぁこれなら濡れても問題はないし動きやすい。
《じゃーな~、健闘を祈っててやるよ。》
・・・今度烈花に会ったら、絶対にザルバの口を塞ぐ術を習おう。
そう堅く心に誓いながら、俺は部屋を後にした。
―――・・・
カオルは着替えを持って再び洗面所に戻っていた。
鋼牙が来る前にぱぱっと入っちゃおう!
身体についたペンキは手早く流して~・・、湯船につかったところで鋼牙に洗って貰えばいいのよね。
だとしたら、あんまり緊張しなくてもよさそう?かな。
タオル体に巻けばいいし!よし!
手早く白く染まった服を脱いで、タオルを体に巻きつけて浴室に入る。
ひやっ!
低い気温で冷え切った浴室の床をひたひたと歩き、シャワーのノズルを取るとお湯を下に流して床を温めた。
たちまちシャワーから上る湯気がもわっと浴室を覆う。
手元から徐々にお湯を体にかけると、ほっと息が漏れる。
うーーん!寒い日はお風呂って気持ちいいよね~~♪
かじかんだ体がつま先からあっためられていった。
サアっと頭からお湯を浴びせて、腕についたペンキを泡立てたスポンジでこする。
・・うーん、なかなか取れない・・・あ、やっと取れたけど肌赤くなった・・・。
荒れちゃったらやだなぁ~。
身体中についていたペンキと泡を洗い流したちょうどその時、コンコンとノックが聞こえた。
あっ/// 鋼牙・・・。
やっぱり、どきっとする。
濡れたタオルをもう一度しっかりと体に巻き直し、素早く湯船に漬かってから返事をした。
「あ・・・う、うん!
どうぞ・・・///」
洗面所の扉が開く音が聞こえて、続けてすりガラスの向こうに鋼牙の姿が見える。
―「・・・入るぞ?」
堅い声。
「うん・・・いいよ///」
ガラリとすりガラスの扉をスライドさせる音がして、ぴしゃりと鋼牙が浴室に足を踏み入れた。
は・・・はずかしいなぁ~~。
目を合わせづらくて、水面からのぞく自分の膝小僧を眺めてたけど、思い切ってちらりと鋼牙を覗う。
すると鋼牙も堅い表情で目を合わせないようにしているのが分かった。
開襟したシャツから除く素肌にドキドキしながらも、なんとなくおかしくて噴き出してしまう。
「ふふっ!
鋼牙、もしかして緊張してる?」
私より堅くなってる鋼牙が面白くて、少し余裕が出てきた。
言いだしっぺは鋼牙なくせに。
「・・・緊張してるに決まってる・・・。」
言い当てられてバツが悪いのか、鋼牙は猶も排水溝あたりに目線を落としながら腕をまくる。
鋼牙だって緊張することあるんだね。
ほどけていく気持ちに応じて自分の身体からも余計な力が抜けていった。
「髪についたペンキ取ってくれるんでしょ?
早くしてくれないと、茹蛸になるよ~?」
は~ぁ、とため息をついて鋼牙はシャンプーの入れ物を寄せる。
「・・・お前は余裕だな・・。
ほら、後ろ向け。」
「はーい!」
この状況が楽しくもなってきて、まるで子供みたいに返事した。
「痛かったら言え。」
「うん。」
鋼牙に背中を向けて、後ろ髪を浴槽の外に出す。
私からは鋼牙の顏は見えないし、たぶん鋼牙からも私の顔は見えないと思う。
ようやく私の姿を見る彼の表情を確認できないのは残念だけど、かといって裸を見せる勇気もないから、余計なことは言わないことにした。
鋼牙は浴槽のそばに屈み込むと、私の髪をひと房ずつとって丁寧にこびりついたペンキを取ってくれる。
全然痛くない。
頑固にこびりついたペンキを指でこすり取った後は、シャンプーを手に取って馴染ませてくれる。
黙々と続ける鋼牙に、ついからかいたくなった。
「“お客様、かゆいところはございませんか?”とか言ってくれないの?」
「そういうサービスは専門に期待しろ・・・
それより痛くないか?」
「うん、全然へいき!
鋼牙丁寧だし・・・・っひゃう!///」
たぶん偶然。
だって私が変な声上げた途端、鋼牙がびくっと手を引いたから。
髪を洗ってくれていた彼の指が、私の耳の裏と首筋をかすめて思わず声が飛び出た。
「ご、ごめん!驚いた?」
「いや・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・。」
妙な雰囲気に、なんだか黙り込んじゃった・・・。
「・・・悪い、のぼせたみたいだ・・・。
もうほとんど取れてるし、あとは洗い流せばいいから俺はこれで・・・」
逃げるように言葉をまくし立てる鋼牙に、私は慌てて引き留める。
「ま、待って・・・!」
―!
振り返るとそこには顔を赤くした鋼牙がしかめっ面を浮かべていた。
浴室に入って以来、ようやく目を合わせる。
「・・・シャンプーを洗い流したら、出ていく。
それでいいな?」
頬の熱を取るように濡れた腕で鋼牙が自分の顔を隠す。
その熱っぽい瞳にぎゅうっと胸が縮こまった。
あ、あれ?どうしてだろ・・・。
とにかく髪を洗い流そう。
「う・・うん///
水出すね!」
「え・・・?;」
沸きだった頭のまま私は蛇口を左に回した。
ところがそれは・・・
壁にかけていたシャワーから勢いよくお湯が降り注ぎ、屈んでいた鋼牙は頭からずぶ濡れになってしまった・・・!
「きゃーーー!ごめんごめん!!;
シャワーと蛇口間違えちゃった・・・!」
蛇口は右に回すんだったのに、間違えて左に・・・慌ててお湯を止める。
「・・・お前・・。」
下を向いていた鋼牙がギロリと私を睨み上げた。
ごめんってば~~!そんな睨まないでよ~~。
中途半端に濡れた鋼牙の髪から水が滴る。
「か・・・髪濡れるとやっぱり印象変わるね!;」
「ごまかすな・・!」
バシャ!っと鋼牙が浴槽のお湯を私の顔面めがけてかけた。
「わぶっ!!
鼻に入ったぁ~~~!」
「っふ・・・!」
う~~~そんな屈託のない顏で笑うとか卑怯じゃない!?///
まぁ、先に水かけたの私だけど。
「鋼牙も濡れちゃったね。」
「ああ、お前のせいでな。」
「・・・鋼牙も一緒に入る?」
極々自然の流れで提案する。
「うん・・ああ・・いやっ!?;はっ!?」
生返事を返したはずの鋼牙が目を白黒させて私を凝視した。
「え?・・なぁに?」
変なこと言った?
驚いていた鋼牙の表情は目の前でみるみる怪訝なものになっていく。
「・・・・・。
・・・・俺は時々お前の考えてることが分からん。」
とどめとばかりにため息をつかれた。
私からしてみれば、鋼牙の言ってることの方が難解だと思うよ?
「考えてること・・・って、風邪ひくだろうなぁ~と。」
「まぁ、そんなところだろうな・・。
言っておくが、俺はぬるま湯は嫌いだ。」
熱いお風呂が好きってこと?
設定温度上げる?それともお湯足そうかな?
思案していると、不意に鋼牙が浴槽の縁に手をかけた。
身を乗り出す彼を見上げながら、どうしたんだろう?と困惑する私の頭を鋼牙は持ち上げるようにさらに上を向かせる。
顔を引き寄せられてドキリとした。
浴槽の中で中腰のまま、目いっぱい背骨と首を伸ばされて苦しさをおぼえながらも覗き込まれる瞳に魅入った。
ぴしょんと水滴が浴槽の水面に落ちる。
その水のように透き通る瞳の中に私がいる。
鋼牙の瞳が閉じられて、中にいた私は捕まった。
―――・・・・続きはunder gerdenにて。
ちょっと、どういうつもりーー!」
上から白いペンキが落ちてきて、私はよける間もなく頭から引っ被ってしまった・・・!
カランと乾いた音を当てて、液体より少し遅れて缶が落ちる。
幸い缶は私に衝突しなかったけど・・・。
「あ・・!すいませぇ~~ん!;」
頭上から聞こえてきた声に私は怒りを露わにしてにらみあげた。
すいません、じゃないわよ!!
しかもそんな悪びれた様子もなく・・!
「けほけほ!」
口にまで入ったわけじゃないけれど、シンナーの刺激臭に思わず咳き込む。
自分の胸元も腕も白いペンキがべっとりと付いていた。
もう!最悪!!
『Bath Time』
~72000hit☆御礼小説~
~72000hit☆御礼小説~
街中をすごい剣幕で、しかも白いペンキ被ってドシドシ歩く姿は、とても異様に見えたのか通行人の視線が私に注がれる。
なによ!文句あんの!
今の私はものすごーく機嫌が悪いんだから!
話しかけたりしたら許さないわよ・・・!
目の前の歩行者用信号は不運にも長い間、赤。
横断歩道の白黒をじっとにらみながら、興味津々で注がれる視線に耐える。
すぐ隣に立つ長身の男性?がチラチラと窺うように見てきた。
私は出来るだけ周囲を見ないようにしていたから、男か女かもよく分かんないけど・・・たぶん、私よりずっと身長が高いから男とみなす。
・・・なによ?そんなに気になるわけ?
夜の街を、白いペンキ被って歩いちゃいけないわけ?
私だって被りたくて被ったんじゃないわよ!早く家帰ってお風呂入りたいし・・!
あー・・ゴンザさん、こんな格好見たらびっくりするだろうなぁ・・・。
どうか鋼牙が家に帰ってませんよーに!
こんなみっともない姿見られたら・・・本格的にお嫁にいけないし・・ぐすん。
・・・・って
いい加減ジロジロ見てんじゃないわよ!!
「何よっ!!」
ぐわっと思いっきりしかめっ面で隣の男性を睨み上げた・・・!
ところがそれは。
「ここここ鋼牙!!?;」
見上げた先にあったのはちょっと困惑した表情の鋼牙。
「・・・カオル・・・!
・・・今の顏・・・」
「忘れて!!;
記憶から消し去って!!;」
ぎゃーーー!恥ずかしい~~!///
まさか鋼牙だなんて・・!
我ながら、ものすごく不細工な顏で睨みつけた自信がある。
なんでもないのよ!といつもの笑顔で取り繕いながら、とんでもない醜態をさらしてしまったと内心焦っていた。
好きな人には絶対見せられない顏だったから・・・!
夜の雑踏で偶然、しかもこんな時に会うなんて・・・
ツイてるのか、ツイてないのか。
「やはりお前だったのか・・・・;
正直、話かけようかどうか判断に迷った。
信じたくなかったが・・・今の顏・・・」
「忘れてってば!;」
「それよりもどうしたんだ、その格好・・。」
「上からペンキかけられちゃったの・・・。」
「ペンキだと!?
どこのどいつが・・!!」
私の言い方が悪かったのか、悪戯でやられたと誤解したみたい。
「あーー!誤解よ!;事故なの事故!」
「そ、そうか。
・・・ 大丈夫なのか?」
「うー、早く洗い流さないと固まっちゃうよ~~;」
「固まる!?;」
あ・・・。
今、絶対また誤解した・・・・。
歩行者信号がぱっと青に変わって、雑踏が動き出す。
「早く帰るぞ!」
ぐいと鋼牙が私の腕を引っ張った。
いや、あの;そんな急がなくても・・・;
接着剤みたいに固まるわけじゃないんだから。
せめてもの救いと言えば、今日はお気に入りの服じゃなかったこと。
もったいないけどポイっと捨てちゃえばいい話だ。
髪や体についたペンキはお風呂に入ればとれると思うし。
でもせっかく鋼牙が腕を引っ張ってくれてる・・・。
私はえい!っと思い切ると掴まれた反対の腕で鋼牙の腕にしがみつく。
さながら腕を組んで歩く形になり、内心ふふん♪と鼻歌を歌った。
ペンキ被ったけどいいこともあった!
街中を鋼牙と腕組んで歩けるなんて。
足早に歩く鋼牙がふと私の様子に首をかしげる。
「・・・お前、なんか嬉しそうじゃないか?」
「え?そーぉ?」
屋敷に帰り着くまであと徒歩10分。
10分間幸せなんだから、嬉しくもなるよ。
それなのに・・・
乙女心の分からないやつ。
「・・・さっきまで鬼のような形相をしていたのにな。」
「いっつもしかめっ面の鋼牙に言われたくないですー!」
軽口をたたきあいながら、綺麗な夜空の下を少し早歩きで帰路につく。
びゅうっと北風が首筋を撫でて、体が縮こまった。
「・・・うう、さむっ!
なんかやっと冬になってきた、って感じだね!」
「・・・そうだな。」
柔らかい声で答える鋼牙の肩口に私は甘える仕草で頬を寄せると、憮然とした顏を向けられる。
「・・・歩きにくい。」
ぶつかる身体に鋼牙が不平を垂れた。
ちょっと耳が赤いのは寒いせい?
そうじゃないこと分かってるよ、私。
「寒いんだもん。
風さえぎって?」
「俺は盾か・・・。」
「うん!
だって私のこと守ってくれるんでしょ、騎士様?」
茶化して上目遣いで尋ねれば、彼は苦笑いを浮かべた。
「ペンキ姫、今度から少しは前を見て歩いてください。
俺の守備範囲を越えています。」
「えーー!なによそれ!」
点々と道を照らす街頭を辿りながら、私達は何度かいたずらに会話をした。
―――・・・
屋敷に帰り、鋼牙が玄関ドアに手をかけたけど不思議と扉は開かない。
あれ?ゴンザさん出掛けてるの?
鋼牙はポケットから鍵を取り出すと、ガチャリと回した。
扉を開けると玄関ホールにちょこんと椅子が置かれており、座面に重りとメモが乗せられている。
鋼牙がひょいと手にとってゴンザさんが残したであろうメモを読んだ。
「・・・夕飯の材料をひとつ買い忘れたらしい。
買い物に行ってくる、とある。」
「あ、じゃあ私先にお風呂に入っちゃおうかな・・。」
そう呟くと鋼牙が私を頭のてっぺんからつま先まで見た。
「・・・そうだな。
それを早く取れ。
ゴンザが見たらきっと悲鳴を上げる。」
鋼牙の言葉を受けて、ちょっと心配になる。
・・・そんなにひどいの?;
てとてと、と洗面所に向かい鏡をのぞきこんでようやく自分の姿をはっきり把握した。
「うーわ;
結構こびりついてる・・・・。」
脱衣所の鏡を見ながら髪の毛についたペンキをはがそうとするけれど・・・
「いたっ!」
思わず強く髪を引っ張ってしまい、痛みが走った。
私の声に鋼牙が洗面所を覗き込んで、少し呆れた声音で提案してきた。
「・・・カオル、どうせ風呂に入るんだろう?
洗い流したほうがよくないか?」
「うーーん・・こんなにひどいと思わなかったよ・・。
うかつにシャンプーも出来ないなぁ。」
「・・・・。
・・・・仕方ない、洗ってやる。」
ええっ!?;
鏡越しに聞いた鋼牙の提案に、私はぎょっとした。
「い、いいよ!いいよ!!;」
慌てて振り向いて首と両手を横にふったけど、鋼牙が至って普段通りに応える。
「一人じゃ難しいんだろう?
バスタブに湯を張ってやるから、お前は漬かっていろ。」
「つ、漬かってどうするの!?;」
「だから。
その間に俺が頭を洗ってやる。
時間がかかるんなら尚更だ。
風呂に漬かってないと風邪をひくぞ。」
そそそそ、そうだけど~~!;
だって、お風呂ってことは全裸だよ!?;
裸だよ!?
まだベッドの上でも見られたこと無いのにーー!
浴室は明るいし!;
やだ!無理!;ぜったいダメ!!
「おい、何を想像しているか知らんが、誓って変なことはしない。」
「こ、鋼牙は入らないの?お風呂・・・。」
「お前が出た後入る。
いいか?言っておくが犬を洗うようなもんだ。
余計な気を回すな。」
「イヌ!?;」
うわ~~;なんかすごいガッカリ・・!!
ちょっとでも、どきどきした私が馬鹿みたいじゃない。
あーそうですか。そうですよね~~私の身体なんか色気もカケラもないよねーー。
「わかったわよ、お願いします;」
もうどうでもよくなっちゃった。
ペンキとらないと後で自分が困るんだし。
ここは鋼牙を頼ろう。
まぁ・・・初めての一緒にお風呂がこんな理由で、っていうのは不本意だけど。
ほんっと不本意だけど。
恨めしげに鋼牙の横顔を見上げるけれど、そんな私の気持ちなんてまったく理解してない。
・・・せめてもうちょっとムード的なものを大事にしてくれたらいいのに。
鋼牙は自動湯沸し機のスイッチを押すと、「濡れてもいいように着替えてくる」と声をかけて脱衣所を出て行く。
私も自室に着替えを取りに行くべく、階段を上った。
は~あぁ。なんだかなぁ~。
私ってそんなに魅力ないかなぁ?
―――・・・一方その頃鋼牙は。
言ってしまった・・・・!!;
背中を閉めた扉に預けながら、赤くなった顔面を右手で覆い、自分の考えなさを嘆く。
左手からザルバが呆れたように語りかけた。
《・・・鋼牙、お前なぁ;
あんなこと言って出来るのか?》
カオルの髪を洗うなんてこと。
「・・・・つい;」
痛がってるカオルが気の毒で・・。
だが今は後悔している。
ていうか俺は出来るのか?
そもそも平静でいられるのか?
《おい、自分を追いつめるの好きだな;》
ただ単純に、痛い思いをしながら髪にこびりついたペンキを取るのは可哀相だとか、時間がかかったら今日は寒いし風邪をひくんじゃないか、とか。
決して不純な動機ではないはずなのに、こうやって焦っているところを見ると、裏には下心があるんじゃないかと自分でも思えてしまう。
情けない。
しっかりしろ、冴島鋼牙!
犬を洗ってると思えばいい!洗ったこと無いが・・・!;
「・・・ただの善意だ。
誓って妙なことはしない。」
はっきりと口にすると、意外に効果的だった。
今ならやれそうな気がする・・・。
《っち・・・つまらん奴だ。
風呂場で二人きりなんだぞ?
いやらしいことしないで何するんだ・・・まったく。》
「うるさいっ!!///」
平静さを取り戻した頭が再度沸騰した。
俺はザルバを左中指から引っこ抜くと、ベッドのクッションに向かって投げつける。
《さっさと着替えてカオルのところに行け。
お前のほうが先にのぼせないよう気をつけろよ、鋼牙。》
「ぐ、覚えていろよ・・・!」
否定しきれないところが余計に腹立たしい。
にやにやしているザルバを睨みつけながら、俺はワイシャツとジーンズに着替えた。
まぁこれなら濡れても問題はないし動きやすい。
《じゃーな~、健闘を祈っててやるよ。》
・・・今度烈花に会ったら、絶対にザルバの口を塞ぐ術を習おう。
そう堅く心に誓いながら、俺は部屋を後にした。
―――・・・
カオルは着替えを持って再び洗面所に戻っていた。
鋼牙が来る前にぱぱっと入っちゃおう!
身体についたペンキは手早く流して~・・、湯船につかったところで鋼牙に洗って貰えばいいのよね。
だとしたら、あんまり緊張しなくてもよさそう?かな。
タオル体に巻けばいいし!よし!
手早く白く染まった服を脱いで、タオルを体に巻きつけて浴室に入る。
ひやっ!
低い気温で冷え切った浴室の床をひたひたと歩き、シャワーのノズルを取るとお湯を下に流して床を温めた。
たちまちシャワーから上る湯気がもわっと浴室を覆う。
手元から徐々にお湯を体にかけると、ほっと息が漏れる。
うーーん!寒い日はお風呂って気持ちいいよね~~♪
かじかんだ体がつま先からあっためられていった。
サアっと頭からお湯を浴びせて、腕についたペンキを泡立てたスポンジでこする。
・・うーん、なかなか取れない・・・あ、やっと取れたけど肌赤くなった・・・。
荒れちゃったらやだなぁ~。
身体中についていたペンキと泡を洗い流したちょうどその時、コンコンとノックが聞こえた。
あっ/// 鋼牙・・・。
やっぱり、どきっとする。
濡れたタオルをもう一度しっかりと体に巻き直し、素早く湯船に漬かってから返事をした。
「あ・・・う、うん!
どうぞ・・・///」
洗面所の扉が開く音が聞こえて、続けてすりガラスの向こうに鋼牙の姿が見える。
―「・・・入るぞ?」
堅い声。
「うん・・・いいよ///」
ガラリとすりガラスの扉をスライドさせる音がして、ぴしゃりと鋼牙が浴室に足を踏み入れた。
は・・・はずかしいなぁ~~。
目を合わせづらくて、水面からのぞく自分の膝小僧を眺めてたけど、思い切ってちらりと鋼牙を覗う。
すると鋼牙も堅い表情で目を合わせないようにしているのが分かった。
開襟したシャツから除く素肌にドキドキしながらも、なんとなくおかしくて噴き出してしまう。
「ふふっ!
鋼牙、もしかして緊張してる?」
私より堅くなってる鋼牙が面白くて、少し余裕が出てきた。
言いだしっぺは鋼牙なくせに。
「・・・緊張してるに決まってる・・・。」
言い当てられてバツが悪いのか、鋼牙は猶も排水溝あたりに目線を落としながら腕をまくる。
鋼牙だって緊張することあるんだね。
ほどけていく気持ちに応じて自分の身体からも余計な力が抜けていった。
「髪についたペンキ取ってくれるんでしょ?
早くしてくれないと、茹蛸になるよ~?」
は~ぁ、とため息をついて鋼牙はシャンプーの入れ物を寄せる。
「・・・お前は余裕だな・・。
ほら、後ろ向け。」
「はーい!」
この状況が楽しくもなってきて、まるで子供みたいに返事した。
「痛かったら言え。」
「うん。」
鋼牙に背中を向けて、後ろ髪を浴槽の外に出す。
私からは鋼牙の顏は見えないし、たぶん鋼牙からも私の顔は見えないと思う。
ようやく私の姿を見る彼の表情を確認できないのは残念だけど、かといって裸を見せる勇気もないから、余計なことは言わないことにした。
鋼牙は浴槽のそばに屈み込むと、私の髪をひと房ずつとって丁寧にこびりついたペンキを取ってくれる。
全然痛くない。
頑固にこびりついたペンキを指でこすり取った後は、シャンプーを手に取って馴染ませてくれる。
黙々と続ける鋼牙に、ついからかいたくなった。
「“お客様、かゆいところはございませんか?”とか言ってくれないの?」
「そういうサービスは専門に期待しろ・・・
それより痛くないか?」
「うん、全然へいき!
鋼牙丁寧だし・・・・っひゃう!///」
たぶん偶然。
だって私が変な声上げた途端、鋼牙がびくっと手を引いたから。
髪を洗ってくれていた彼の指が、私の耳の裏と首筋をかすめて思わず声が飛び出た。
「ご、ごめん!驚いた?」
「いや・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・。」
妙な雰囲気に、なんだか黙り込んじゃった・・・。
「・・・悪い、のぼせたみたいだ・・・。
もうほとんど取れてるし、あとは洗い流せばいいから俺はこれで・・・」
逃げるように言葉をまくし立てる鋼牙に、私は慌てて引き留める。
「ま、待って・・・!」
―!
振り返るとそこには顔を赤くした鋼牙がしかめっ面を浮かべていた。
浴室に入って以来、ようやく目を合わせる。
「・・・シャンプーを洗い流したら、出ていく。
それでいいな?」
頬の熱を取るように濡れた腕で鋼牙が自分の顔を隠す。
その熱っぽい瞳にぎゅうっと胸が縮こまった。
あ、あれ?どうしてだろ・・・。
とにかく髪を洗い流そう。
「う・・うん///
水出すね!」
「え・・・?;」
沸きだった頭のまま私は蛇口を左に回した。
ところがそれは・・・
壁にかけていたシャワーから勢いよくお湯が降り注ぎ、屈んでいた鋼牙は頭からずぶ濡れになってしまった・・・!
「きゃーーー!ごめんごめん!!;
シャワーと蛇口間違えちゃった・・・!」
蛇口は右に回すんだったのに、間違えて左に・・・慌ててお湯を止める。
「・・・お前・・。」
下を向いていた鋼牙がギロリと私を睨み上げた。
ごめんってば~~!そんな睨まないでよ~~。
中途半端に濡れた鋼牙の髪から水が滴る。
「か・・・髪濡れるとやっぱり印象変わるね!;」
「ごまかすな・・!」
バシャ!っと鋼牙が浴槽のお湯を私の顔面めがけてかけた。
「わぶっ!!
鼻に入ったぁ~~~!」
「っふ・・・!」
う~~~そんな屈託のない顏で笑うとか卑怯じゃない!?///
まぁ、先に水かけたの私だけど。
「鋼牙も濡れちゃったね。」
「ああ、お前のせいでな。」
「・・・鋼牙も一緒に入る?」
極々自然の流れで提案する。
「うん・・ああ・・いやっ!?;はっ!?」
生返事を返したはずの鋼牙が目を白黒させて私を凝視した。
「え?・・なぁに?」
変なこと言った?
驚いていた鋼牙の表情は目の前でみるみる怪訝なものになっていく。
「・・・・・。
・・・・俺は時々お前の考えてることが分からん。」
とどめとばかりにため息をつかれた。
私からしてみれば、鋼牙の言ってることの方が難解だと思うよ?
「考えてること・・・って、風邪ひくだろうなぁ~と。」
「まぁ、そんなところだろうな・・。
言っておくが、俺はぬるま湯は嫌いだ。」
熱いお風呂が好きってこと?
設定温度上げる?それともお湯足そうかな?
思案していると、不意に鋼牙が浴槽の縁に手をかけた。
身を乗り出す彼を見上げながら、どうしたんだろう?と困惑する私の頭を鋼牙は持ち上げるようにさらに上を向かせる。
顔を引き寄せられてドキリとした。
浴槽の中で中腰のまま、目いっぱい背骨と首を伸ばされて苦しさをおぼえながらも覗き込まれる瞳に魅入った。
ぴしょんと水滴が浴槽の水面に落ちる。
その水のように透き通る瞳の中に私がいる。
鋼牙の瞳が閉じられて、中にいた私は捕まった。
―――・・・・続きはunder gerdenにて。
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Comments
無題
どうもm(_ _)mいつも楽しく読ませて貰ってます!えーと…underが読めないとの コメを見て、アレ(・◇・)?と思ったんですが 納得でした。携帯ではHOMEに跳んでもunderのリンクが消えてしまっていました( ̄▽ ̄;)!!模様替えの為と思うんで しばし待ちます~(;∇;)/~~
Re:無題
クロ様、ご報告大変助かりました!!
一二三全然気付いていなくて・・・;改善遅くなりまして、申し訳ありませんでした!!
携帯からの閲覧の場合、変更後のテンプレートではリンクが表示されない状態にあったんですね。
以前のモデルに戻すことでとりあえず解決していると思います。
もしまだ改善されてない場合は、恐縮ですがまた教えていただけると大変助かります;
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした!
何かといたらぬ一二三ですが、今後ともよろしくお付き合いのほどお願いいたします。
ありがとうございました!
一二三全然気付いていなくて・・・;改善遅くなりまして、申し訳ありませんでした!!
携帯からの閲覧の場合、変更後のテンプレートではリンクが表示されない状態にあったんですね。
以前のモデルに戻すことでとりあえず解決していると思います。
もしまだ改善されてない場合は、恐縮ですがまた教えていただけると大変助かります;
ご迷惑をおかけして誠に申し訳ありませんでした!
何かといたらぬ一二三ですが、今後ともよろしくお付き合いのほどお願いいたします。
ありがとうございました!
龍鈴様、返信遅くなりました;
拍手コメントありがとうございます!
鋼牙は割と牙狼本編でも天然かと思いますww
ちょっとばかし世間知らずなところがありますよね。
鋼牙を怯ませるくらいの顏、きっと般若みたいな感じだったのではないかと思いますw
今回もご感想、ごちそうさまでした!(*´∀`*)
鋼牙は割と牙狼本編でも天然かと思いますww
ちょっとばかし世間知らずなところがありますよね。
鋼牙を怯ませるくらいの顏、きっと般若みたいな感じだったのではないかと思いますw
今回もご感想、ごちそうさまでした!(*´∀`*)
かすみ様、拍手メッセージありがとうございます!
拍手感謝です!v
お返事が遅くなり大変失礼しました;
鋼牙の神経が磨り減るのが早いか、カオルの学習能力が早いか、見物ですね!
お互いのことに関しては、鋼牙もカオルもギリギリな感じが一二三的ツボですw
今後ともよろしくお付き合いくださいませ!
お返事が遅くなり大変失礼しました;
鋼牙の神経が磨り減るのが早いか、カオルの学習能力が早いか、見物ですね!
お互いのことに関しては、鋼牙もカオルもギリギリな感じが一二三的ツボですw
今後ともよろしくお付き合いくださいませ!
志月様、お返事が遅くなり失礼しております;
拍手でメッセージ頂きまして、ありがとうごさいます!v
うん!そしてまさか、更に上のレベルを提示されるとは思いもよらなかった一二三ですww笑
泡風呂!?そそそれにロー〇〇ン!?!?///
それはもう!あれですねwゴールインした後にでも思う存分やってもらいましょうかね!(爆)
露天風呂とかもいいですねw
ギャグジー的なものもいいですねw
湯けむり殺人事件的なものもいいですねw(←もう意味がわからん)
少しでも楽しんでいただけたなら、幸いですv
書いた甲斐ありましたw(笑)
どうぞ、これからも応援よろしくお願いします!!
うん!そしてまさか、更に上のレベルを提示されるとは思いもよらなかった一二三ですww笑
泡風呂!?そそそれにロー〇〇ン!?!?///
それはもう!あれですねwゴールインした後にでも思う存分やってもらいましょうかね!(爆)
露天風呂とかもいいですねw
ギャグジー的なものもいいですねw
湯けむり殺人事件的なものもいいですねw(←もう意味がわからん)
少しでも楽しんでいただけたなら、幸いですv
書いた甲斐ありましたw(笑)
どうぞ、これからも応援よろしくお願いします!!
masumi様、初めまして!
拍手メッセージ、本当にありがとうございます!
お返事が遅くなって大変失礼しました。
月曜日は憂鬱ですね~~!分かりますw
重い気持ちを吹っ飛ばせるくらい楽しいことがあるといいんですけどねw
ちょっとだけ吹っ飛ばせるようなものをこれからも頑張って書きますね!
また是非遊びに来てくださいませv
お返事が遅くなって大変失礼しました。
月曜日は憂鬱ですね~~!分かりますw
重い気持ちを吹っ飛ばせるくらい楽しいことがあるといいんですけどねw
ちょっとだけ吹っ飛ばせるようなものをこれからも頑張って書きますね!
また是非遊びに来てくださいませv
やまぶき様、拍手メッセージありがとうです!
拍手ごっちゃんです☆
返信が遅くなりまして、大変失礼しております;
お風呂話がっつりw読んでいただきありがとうございますv
そうなんですよ!w一二三のとこの鋼カオは未だに寸止めですww笑
>お母さん結婚するまでは許しませんよ!( ゚д゚)
とか密かに思ってる一二三でスイマセン;
今後ともじっくり焦らしプレイでいきますので、よろしくお付き合いくださいませv
またのお越しお待ちしてマース☆
返信が遅くなりまして、大変失礼しております;
お風呂話がっつりw読んでいただきありがとうございますv
そうなんですよ!w一二三のとこの鋼カオは未だに寸止めですww笑
>お母さん結婚するまでは許しませんよ!( ゚д゚)
とか密かに思ってる一二三でスイマセン;
今後ともじっくり焦らしプレイでいきますので、よろしくお付き合いくださいませv
またのお越しお待ちしてマース☆
青佐様、お返事ありがとうございます!
拍手2回目ゲットだぜー!wとってもありがとうございます!
返信が滞ってしまって本当にすみませんorz
おおっ!(*´∀`*)
イラストの件、いつか拝見できる日を楽しみにしています!!v
パソコンの技術に関しては一二三もまだまだペーペーでしてw
ペンタブ持ってるのに、使ってないんですよ。
今だに紙に書いてスキャナで取り込んでる次第・・・。
実際は時間があれば手塗(カラーインクで)したいんですけど、最近は全然時間が無いですね;
学生の頃は社会人の方が時間があるかと思ってたんですけど;いやいやどっこいですね(;´Д`)
ちょっと甘かったです;
描いてる時間が無いのに、文房具店に行ってしまうとついついスクリーントーン見ちゃって、しかも買っちゃったりww笑
ご紹介いただいた松田聖子さんの「瑠璃色の地球」を聞きながら反省してきます!
またメールしますね~~!
返信が滞ってしまって本当にすみませんorz
おおっ!(*´∀`*)
イラストの件、いつか拝見できる日を楽しみにしています!!v
パソコンの技術に関しては一二三もまだまだペーペーでしてw
ペンタブ持ってるのに、使ってないんですよ。
今だに紙に書いてスキャナで取り込んでる次第・・・。
実際は時間があれば手塗(カラーインクで)したいんですけど、最近は全然時間が無いですね;
学生の頃は社会人の方が時間があるかと思ってたんですけど;いやいやどっこいですね(;´Д`)
ちょっと甘かったです;
描いてる時間が無いのに、文房具店に行ってしまうとついついスクリーントーン見ちゃって、しかも買っちゃったりww笑
ご紹介いただいた松田聖子さんの「瑠璃色の地球」を聞きながら反省してきます!
またメールしますね~~!
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