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Posted by 一二三 - 2010.12.16,Thu

《気をつけろ!!背後から怪しげな思念が・・・!》byザルバ



閲覧者の皆様をモヤモヤさせる『ホラー・ヒフミ』だよ☆!!

さぁ!そろそろクリスマスの企画小説UPしていくゾ!(*´Д*)


正直ラストがどうなるのか一二三にもまだ良く分かりま千円;!!
(↑ 現状況:ラストまであと2節の予定)

初の長編小説なので、長いスパンでのUPになるかと思いますが、よろしくお付き合いくだされば幸いです。


一応計算上はクリスマス(12/25に最終話UP)にクライマックスになるつもりです!(予定は未定w)

今現在、およそ 4UP分←!? ほど書き終えておりますので、おそらく大丈夫かと・・・ご安心をww(笑)

ここ最近更新が滞っていたのは、リアルタイム?UPのためさ・・・!!(企み)
※拍手のお返事は必ずやいたします☆



それでは、前置きはここまでにして本編にいきたいと思います!


!念のため注意!

 ・ いまさらだけどw鋼牙カオルv
 ・ 全体的に重い・・・!
   ※「友達以上恋人未満を進展させるには、ひと波乱が必要」という一二三のエビデンスに基づく~・・云々のため(笑)


クリスマス企画☆長編小説 『Crocifissione』 第一話 


小説へは「つづき」クリックでどうぞ。





 
― Per favore non si addolori per favore.
 
Perché io sono dato la felicità come io già sono in eccesso da Lei. ―
 
 
 
 
 
 
Crocifissione』
 
 
 
 
 
 
 
もうすぐクリスマス!
 
街も人もキラキラと輝いて、カオルの心も弾んだ。
 
街路樹には多くの電飾がくくりつけられていて、夜になればそれは綺麗に灯ることだろう。
 
 
行き交う人々は皆、慌しく歩調を速めている。
 
クリスマス=年末が近いってことだもの。
 
世の中は何かと忙しくなるらしいが、フリーターな自分にはあまり関係が無い。
 
そこまで思って、カオルは頭を横に振った。
 
 
ううん!これからは違う!
 
だって私はいっぱしの画家なんだから!
 
イタリアで努力した甲斐あってか、とあるキュレーターから「うちのギャラリーで展示させてくれないか?」とオファーがかかったのだ。
 
そう大きな場所ではないが、カオルは喜びに打ち震える。
 
 
 
弾む足取りで、階段を駆け下りて駅のホームに向かう。
 
早く冴島邸に帰ろう!!
 
一刻も早くこの朗報を伝えたい人がいるから。
 
 
 
鋼牙はよろこんでくれるだろうか。
 
「頑張ったな」って笑顔をみせてくれるだろうか。
 
それとも「当然だ」って言っていつも通りなのかな。
 
 
ぶっきらぼうな彼のことだから、大げさな反応は無いだろうとカオルは当たりをつけて電車に乗る。
 
けど・・・どんな反応でもきっと嬉しい。
 
 
そのたった一人の一挙一動に、こんなにも心騒ぐようになったのはいつからだろう・・・。
 
彼に寄せる想いの正体は、感謝や、恩・・・ただそれだけではない。
 
彼のために何かを与えたいと願うけれど、それだけではダメで、私も彼から何かをもらいたいと願う・・・・。
 
 
喜びも、悲しみも、痛みさえ彼と分かち合えたら・・・とカオルは願っていた。
 
 
・・・友情や家族愛ほど無垢ではない想い・・・。
 
いつか彼に告げたい・・・。
 
 
 
私がどれほど鋼牙を「好き」なのか、を。
 
 
 
電車に揺られながら、一人そんなことを考えて頬が熱くなる。
 
メロドラマじゃないんだし・・・!と頭を振って思考をさえぎった。
 
 
 
そんなことより、今日はビッグニュースがあるのだ。
 
停車駅までの短い時間、カオルはひとときの幸せをかみ締めた。
 
 
 
 
―――・・・
 
 
 
「ただいまー!」
 
弾む声と共に玄関を開けるが、いつもは出迎えるはずの執事の姿はない。
 
あれ・・・?
 
カオルは疑問に思いながらも中に入って、居間へと続く扉のドアノブに手をかけた。
 
伺うようにそっと、扉を開けると会話を交わしている二人の声が小さく聞こえる。
 
 
どうやら居間を抜けた先にある書斎で話しているようだ。
 
それは十中八九、鋼牙とその執事のゴンザさんだろうと、カオルは当たりをつけて書斎の扉の前に立つ。
 
 
 
声をかけてノックしようとしたその時、二人の会話がやたらハッキリと聞こえて思わず手を止めた。
 
 
―「・・・北の番犬所から出頭命令が来た。」
 
・・・・鋼牙の声だ。でも、どこか普段より堅い気がする・・・。
 
―「!・・・なんと・・・。」
 
―「どうやら・・―――・・の処遇が決定したらしい。
  ご丁寧に黒い封筒で、だ。
・・・“元老院の一人も立ち会う”とある。」
 
―「・・・随分と大げさですな。
  まるで魔戒騎士の懲罰委員会のようではありませんか!」
 
怒ったような声で言うゴンザさんに、鋼牙は重々しくため息をついた。
 
不穏な空気にカオルは知らず全身を強張らせる。
 
 
―「実際のところ、そうだろうな。」
 
―「しかし・・!どうして今更・・・。
  そもそも零殿との掟破りの戦いに関しては既に東の番犬所で処罰を受けたはずです!」
 
―「三神官が、ホラーと通じていたと知った時点で、元老院は東の番犬所の決定を概ね不当である、とした。
  だから、・・・改めて罰を決めると言い出したんだろう。」
 
―《・・・番犬所より元老院の言い分が通る。
  応じなければ、奴らは魔戒騎士の資格を剥奪することだって可能だぜ。》
 
 
鋼牙の言葉に賛同を示すかのようにザルバが口を挟んだ。
 
えっ・・!!
魔導輪の声にカオルは眉をひそめる。
 
魔戒騎士の資格を剥奪する・・・って。
 
そんな重い罰を受けなきゃならないほどのことなの?
 
たしかに鋼牙と零君には昔、諍いがあった。でも今は友達なのに・・・・。
 
 
 
―「そんな・・・!
  あんまりです・・・。
  鋼牙様はあの時、カオル様を守るために零殿と戦いました。
  そのために1年もの寿命を払われたのですよ!?」
 
 
 
・・・・どういう こと・・・。
 
ゴンザの言葉にカオルは耳を疑った。
 
 
鋼牙があの頃、私を守るために零君と戦ってたことには気付いてた・・・。
 
でも・・・そのために“1年の寿命を払った”ってどういうこと・・!?
 
 
聞いてない・・・。
 
わたしは・・・・
 
 
 
聞いてないよ・・・鋼牙・・・・・!
 
 
 
―「・・・ゴンザ、それにザルバも。
  今回のことも前回のこともカオルには言うな・・・」
 
 
 
頭が真っ白にいく・・・・。
 
震える指先をドアノブから渾身の力で引き剥がした。
 
 
―「カオルはもう少しで夢が叶うかもしれないんだ。
     ・・こんな話をして、重荷を背負わせたくない。」
 
 
鋼牙の言葉にハッとしてカオルは顔を上げる。
 
 
足元から・・・
 
 
「幸せ」が音を立てて崩れていくのを感じた。
 
 
 
 
その後、どうやって居間から・・・冴島邸から出たのかは憶えていない。
 
 
 
気付いたらカオルは商店街をトボトボと歩いていた。
 
貧相な自分の足を見て、目の前が滲む。
 
そのまま崩れるようにアスファルトの地面に膝が折れた。
 
涙の粒が乾いた地面を濡らし、自分が泣いていることを知る。
 
 
 
 
・・・・・鋼牙が、
 
    話してくれなかったことが悲しいんじゃない・・・。
 
 
 
 
私が・・・、何も知らないで鋼牙の庇護に甘えて・・・
 
 
それでも、鋼牙は私を守ろうとしてくれていて・・・
 
 
1年もの命を奪ってしまったのに・・・・
 
・・それでも・・・!
 
それでも、私を守ろうとする鋼牙が、憎くて・・・
 
 
 
 
憎らしくて仕方なかった。
 
 
 
 
 
カオルはこれまでのことを思い返す。
 
頭に蘇るのは彼の背中ばかりだ。
 
鋼牙がカオルを守るために危険に飛び込んでいく姿だ・・・。
 
 
 
 
ぞっとした・・・・。
 
 
 
前回は1年の命を代償にした。
 
じゃあ、今回は・・・・?
 
 
今度は何年の命を払うの・・・・?
 
・・・次は?
 
 
その次は・・・?
 
 
 
私を守るために、あなたは自分の何を切り捨てるの・・・・!?
 
 
 
恐ろしさに体が震えた。
 
鋼牙を憎く思った。
 
 
「生きろ」と言った鋼牙が・・・憎くて、
 
それなのに、相反する気持ちは止めど無く溢れる・・・。
 
 
 
憎くて愛おしい。
 
 
 
狂おしいほど好きな気持ちに歯止めがきかない。
 
 
 
自分のために己の全てをなげうつ彼に歓喜すら感じて、
 
そんなおぞましい自分に戦慄した。
 
 
 
 
「・・・もう、
 
 
だめだよ・・・。」
 
 
 
 
「おしまいにしよう」と自身に言い聞かせる。
 
カオルは自分を振り切ろうと決意した。
 
 
喜びも、悲しみも、痛みさえ彼と分かち合えたら・・・とカオルは願っていた。
 
ずっと願っていたのに。
 
 
 
・・・・失わせてしまったのだ・・・。
 
 
大切な“命”を。
 
 
それは決して取り返しのつかないことだった。
 
 
 
 
“鋼牙への想いを断ち切って、終わらせる。”
 
 
 
 
そうすることで・・・・
 
 
 
 
“彼を守れる”と思った・・・。
 
 
 
 
―――・・・・
 
 
 
「御月カオル君。
 
 
・・・・御月君!」
 
 
「・・・あ、はっ・・!はい!!」
 
 
「・・・聞いてなかっただろう。
 なんなんだい、この絵は!」
 
展示会のオーナーはバシンとキャンバス地を叩いて怒鳴った。
 
 
 
“展示会初日までに新作を1つ描き上げて欲しい。”
 
そう言われて筆を取った絵は、絶望的に酷いものだった。
 
 
 
鋼牙への想いを断ち切ること・・・それは容易いものではなく、それが形となって出てしまった絵はまさしく捻くれた心を反映している。
 
 
家の中で顔を会わすたびに無理やり無視をした。
 
話しかけられても聞こえぬフリをした。
 
気遣わしげな鋼牙の視線に気付くたび、胃がねじ切れそうに痛んだ。
 
気を利かせるゴンザさんに酷い言葉を言い放ったことも・・・。
 
さらに昨日は一歩も部屋から出なかった。
 
 
 
 
「聞いているのか!?
 なんなんだこの絵は!
 まるで気持ちが入っていないじゃないか・・・!
 いいかい、御月君!
 私が見たいのはこんな当たり障りのない万人受けする作品なんかじゃない!
 君自身を表現した絵だ!」
 
 
オーナーの怒りはもっともで、カオルは消沈して頷く。
 
・・・・・カオルなりに必死になってやった。
 
描かなければと努力を重ねた。
 
そう・・・鋼牙と離れても描けるように・・・と。
 
 
 
「これを見ろ!」とオーナーはフラットに展示しかけの私の絵を指差した。
 
それは翼を持つ黄金に煌くガロの姿・・・・。
 
「私は“この絵”にほれ込んで、君の絵を展示会で多くの人に披露したいと思った。
 君が描く“愛や希望”などといったものを。
・・・ところが、こっちの絵にはまるで中身が無いんだよ!
自分で描いてて気付いたはずだ。」
 
「あまりがっかりさせないでくれ・・・!」
 
オーナーはキャンバスを押し付けるように返して去っていった。
 
その表情は怒ったような、残念そうなものだった。
 
 
 
無償で展示させてくれると言ったオーナーの期待を裏切ってしまった・・・。
 
初日までまだ時間がある・・・。
 
もう一度描き直そう・・・・・、でも何を?
 
何が描けるというの?
 
 
私の心は真っ暗で何も見えない・・・。
この絵のように。
 
 
 
―――・・・
 
 
冴島邸に戻ったカオルは思うように絵が描けないまま、苛立ちにまかせてキャンバスを床に叩きつけた。
 
イーゼルがガタンッと乱暴な音を立てて倒れる。
 
 
そこら中に散らばったスケッチは、今だ鋼牙に別れを告げることさえ出来ない現状のように、あやふやでいい加減で、支離滅裂なものだった。
 
 
頭の中がぐちゃぐちゃなのを髪をもみくちゃにすることで堪える。
 
今にも発狂しそうだ。
 
 
 
 
 
―「カオル・・・・?」
 
扉の向こうから聞こえてきた声に一瞬の刹那、耳を疑う。
 
 
・・・・ノックなどしたこと無かったくせに、と「彼」を心の中でなじった。
 
 
 
 
 
 
 
To be continues…
 
 
 
「何を今さら」とお思いの方もいらっしゃるかと存じますw
 
 
“今だからこそ。”
 
 
3人の子番犬に鋼牙と零は掟を破った罰として1年の寿命を剥奪されましたよね・・・。
 
これを重いと取るか軽いととるかで、皆様それぞれ受け取り方は変わると思いますが、カオルとしては少なくとも悲しむんじゃないかな、と。
 
そしてゴンザの「あなたのために鋼牙様がどれほど命をすりへらしてこられたか!」みたいなことをカオルに怒鳴るシーン・・・。
 
文字通りそうだったことをカオルが知っていたのかどうか・・・、一二三的にはずっと大きな疑問でした。
 
あの時は、鋼牙が自分を何度も助けてくれた姿を思い返して、カオルはゴンザの言葉を受け止めたように見えました。
事実彼がどれほどのものを代償にしてきたかについてはまだ知らないはず・・・と。
 
その辺りを明確したかったんですw一二三。
 
二人が友達以上恋人未満な状況を脱するには、そういったことを見過ごしてはいけない気がして・・・///(恥)
 
スイマセン!orz熱く語りすぎましたw!
 

まぁ、ぶっちゃけ結論 →  零が悪いんですけどwww(爆笑)  
 
 
なにはともあれ、こんな調子ですがw第二話も楽しみしてくれると嬉しいです!v

拍手[50回]

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Comments
風の道様、拍手ゴッチャン☆です!
返信遅くなりました・・・!

すいませんです;orz

クリスマスとは名ばかりのwクリスマス関係ねぇ話にコメントありがとうございますね!
(←ぶっちゃけた☆)

「ひと波乱あってくっつく」というのは王道中の王道なんですが、「牙狼」はそもそも王道を突っ切ったストーリーなので、こういう展開が二人らしいかな、と思って書いてますw

・・・しかし二人とも20才過ぎてるとは思えない恋愛してますな・・・(黙々)
純真なのね・・・!☆(*´∀`)

「今さらそんなネタ引っ張ってんの?」と糾弾されなくてwほっと胸を撫で下ろした一二三でした(笑)

どんどん行くよー!゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

一二三まじっく☆


Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.19,Sun 00:35:29 / Edit
こげうー様、拍手&コメントありがとです。
初めまして、ありがとうございます、一二三っす!

メールフォームでもメッセージ頂きまして、丁寧にありがとうございました☆

ネットの片隅で「鋼牙カオルv」を叫ぶww一二三をこれからも応援よろしくお願いしますねd(´Д`*)

小西さんと肘井さんは本当に仲がよろしくて・・・///(+藤田さんは最強)
一二三的には雨宮監督誕生日おめでと動画が凄い萌えまくりました(死にかけたw)
なんだあれ、もう・・・///!
鋼カオ最高!!\(^o^)/

要するに一二三は鋼カオが好きすぎる人なのでした。

こんなんですが、仕事忙しくても頑張りますんで、よろしくお願いしますね!

長編おたのしみに☆
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.19,Sun 00:46:27 / Edit
龍鈴様、ご感想ありがとうございます!
いえいえ!ご感想いつでも大歓迎です!v

多分、おそらくですが、無罪放免になっても鋼牙(零も)が奪われた1年の寿命は戻らないんじゃないかと思います。

やっぱり、すでに奪われているものに関しては戻したり・・・というのは出来なさそうかな、と。

一応三神官(ガルム)とコダマはホラーではないですが、人の寿命を食べるかどうかは未だに謎ですね。
食べて生きながらえてそうですけどww(イメージ的に)

バルチャスの賭けに関しても、あくまで騎士の行いですから、実際命掛けでやっていた、と一二三は思っています。

「決闘」を例に出しても、相手が死ぬまで戦うわけですから、勝負事で“命を賭ける”というのは騎士の矜持だったのかもしれません。
Posted by 一二三(管理人)です - 2011.06.27,Mon 22:50:24 / Edit
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