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Posted by 一二三 - 2010.12.05,Sun
皆様おつかれさまです!!

えーと、前回の記事を見返して非常に穴に入りたい気持ちになった一二三です・・・;

自分が恥ずかしいですね!

深夜にテンションあげて書くもんじゃないね!☆

というわけで4000hit は心を落ち着かせて書いてみました。


・・・うん、落ち込んだorz

自分で書いてて落ち込んだ。


テンションが上がったり下がったり忙しいですが、お付き合いくださると幸いです。

4000hit 本当にありがとうございました!


!注意!

・「鋼の咆哮」ネタバラシ
・未来があるのかないんだか・・・
・「雷牙」初登場!
・ミスチル「しるし」
・「私を泣かせてください」の別ver.



「つづき」から小説 『名前-しるし-』 です。よろしくお願いしますね。


「ねぇ、僕の名前ってなんで“雷牙”なの?」
 
 
「なんでも何も、あなたが生まれたとき父さんが付けてくれたのよ。」
 
 
母親の返事に、幼子は腑に落ちない表情を浮かべた。
 
 
 
 
『名前‐しるし‐』
 
 
 
 
 
お父さんに聞きなさいね、と言い捨てて母は描きかけの絵に向かう。
 
色をのせていく作業に入ると母の意識をこちらに向けるのは困難だ。
 
集中を乱せばまた僕が怒られる。
 
少年はいじけながらも母親の背中に恨めしく告げた。
 
「お父さんが教えてくれるわけないじゃん・・・・」
 
 
 
ブンッと剣圧が草原をそよがせた。
 
父が鍛錬をつんでいる中庭で、じっと食い入るようにその様を見つめる。
 
だが少年の意識が別に向いていることを察した父親は、背中越しに彼に尋ねた。
 
 
「どうした?」
 
 
 
 
「・・・僕は、なんで『雷牙』なんだろう・・・と・・。」
 
「?」
 
 
少し迷うように切り出した僕の疑問を、なぜ疑問に思うのかと父が目だけで問い返す。
 
ちょっと前、閑岱に遊びに行った際、山刀鈴お姉ちゃんに言われたのだ。
 
―――
 
「鈴の名前は、鋼牙のお母さんから貰ったんだって。」
 
魔戒法師見習いの鈴は誇らしげに魔導筆を掲げて言った。
 
「へぇ~・・・」
 
会ったことも無い祖母の話は少年にはピンと来る話題ではなく、気の無い返事を返す。
 
「雷牙はなんで“雷牙”なんだ?」
 
当然のように聞いてくる鈴に頭が混乱する。
 
そんなこと考えたことも無かった。
 
なぜなら少年にとって“雷牙”という名前は生まれたときから「そうあるもの」だった。
 
別段、嫌だと思ったことはなかったし、当然疑問に思ったこともない。
 
・・・お父さんとお母さんはなんで“雷牙”って名前にしたんだろう・・・?
 
 
―――
 
「ねぇなんで?」
 
椅子に腰掛けて、返事を期待するかのように足をぷらぷらさせた。
 
「・・・雷牙、行儀が悪い。」
 
「あ!ごめんなさい!」
 
慌てて姿勢を正すと父はかすかに笑った。
 
 
「・・・・そういうところは母さんにそっくりだ。」
 
「お母さん、個展の準備で忙しいんだ・・・。」
 
相手をしてくれない不平を顕に頬を膨らます。
 
「そんな風に言うものじゃない。
 画家として大成することは母さんの夢だから・・・・。」
 
正論を述べられるとつまらない・・・。
 
「お父さんは寂しくないの・・?」
 
「寂しくない。」
 
 
「・・・どうして?」
 
「母さんは父さんの“奥さん”だから。」
 
「・・・よく分かんないよ。」
 
話をはぐらかされたことに気付いて、少年のストレスは溜まる一方だ。
 
 
「じゃなくて!名前だよ!
 僕の名前の話・・!!」
 
眉をしかめて詰め寄るわが子に、父親は頭を撫でて答える。
 
 
「母さんが雷苦手だったから。」
 
 
「えええー!?なにソレ!?
 なんで嫌いなものの名前つけたの!」
 
まさかの理由に少年は憤慨した。
 
「・・・おかげで母さんは雷が好きになった。」
 
たまらず幼子は地団駄ふんだ。
そんな理由で子供の名前付けないでよ!!と少年は心の中で父親を批難する。
 
到底納得できない!という様子のわが子に父親は言い聞かすため、かがんで目線をあわす。
 
 
両手を肩に置いて、じっと彼の目を見つめると物怖じしない彼はそのまま見返してきた。
 
・・・その様子に父親はうっすらとほくそ笑む。
 
「“雷牙”・・・は、雷光のように鋭く、俊敏(はや)く・・・闇を断ち切る光の牙だ。
 いかなる暗雲にも、怒涛の雨にも負けることはない。
 お前が生まれて、そして初めて抱いたとき・・・決めたんだ。」
 
父の力強い声と瞳に吸い込まれそうになりながら少年はじっと聞き入る。
 
 
「この子は俺に変わって母さんを守っていく男だ。
 だから、母さんが怖がる雷を付けたかった。
 以上だ・・・」
 
今日の鍛錬は終わり、と父親は朱塗りの鞘を下ろして屋敷の中へと入っていく。
 
その背中に少年は悲しさをおぼえた。
 
父の言った言葉・・・
 
 
ばっと駆け出し、そのまま父の背中にぶつかる。
もっとも少年の背丈は父親の太ももくらいしかない。
 
「・・お父さん負けないよね!?
 絶対誰にも負けないよね!!
 だって黄金騎士なんだ!ガロなんだよ!」
 
ぎゅっと足にしがみ付いて、くぐもった声で訴える少年を再び優しく撫でた。
 
父は訓練の時以外は、優しい愛情を惜しみなく少年に注いでくれる。
 
 
 
少年は父親の優しい手に感極まりながら、まだ小さな腕に決意を新たにした。
 
僕は早く強くならなきゃいけないんだ。
 
そしていつか父さんのように黄金騎士になって・・・父さんと一緒にホラーと戦うんだ。
 
絶対・・・僕がお父さんを助けるんだ!
 
だから・・・・
 
 
 
お母さんを守るのはお父さんの役目だよ・・・!
 
 
 
少年はずっと見ていたかった。
 
父と母の仲睦まじい姿を。
 
 
父が母と僕を守ってくれている毎日が、少年にとっては何より愛おしかった。
 
ずっとこんな毎日が続けばいいと・・・。
 
 
それが・・・叶うはずのない未来だと気付いたのは・・・・
 
 
 
 
少年が7つになった誕生日の頃だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「私を泣かせてください」の親子バージョンです。
 
暗いですね!
雷牙はまだ幼いので、いつか来る別れに備える心構えはまだ万全ではありません。
一方カオルのほうはその日が来るのを恐れつつも、どこか粛々と受け止めている・・・そういう違いがありますね。

大体の魔戒騎士はホラーに殺されて命を落としているという事実。
それを執事の昔話からなんとなく悟った雷牙の心模様が書けているといいんですが・・・。
 
「鋼の咆哮」は鋼牙とカオルの息子、雷牙(ライガ)を視点に描かれている物語です。
執事ゴンザが枕もとで昔話(魔戒騎士の歴史)を語る・・・という感じで進んでいくのですが、初めてホラーを倒した人間が「鋼牙」という名前の騎士だったとは・・・!
 
では「雷牙」の名前の由来は?と疑問に思っていたのですが、「鋼の咆哮」には書かれていなかったので妄想してみました。
 
※BGMはミスチルの「しるし」。
あの曲は父親に向けて・・・ていうのはほんとですか?
だから「ダーリン」なんですか!?本当にそうだとしたら凄いっすね・・・。(感嘆)
 

拍手[45回]

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Comments
風の道様、シンクロニティ☆
拍手まいどです!!☆

そしてまさかのシンクロ・・・!!
牙狼ファンの心は繋がっているんですね!(喜)

う、うん・・・正直、7歳の誕生日に別段意味は無かったなんて言えやしないよ、言えやしない・・・ガクブル

いや・・・そろそろ第2次反抗期かなと思いまして・・・。(7歳ってそれくらいの時期ですよね)
反抗期を迎えて今まで見えなかった親の姿とか見えちゃって来る歳として7歳が妥当だっただけなような・・・・気がしないでもなかったZE!☆

一応書くと「鋼の咆哮」で鋼牙の身に何か・・なんてことはなかったのでご安心を!w

誤解されるようなこと書いちゃってスイマセンでした!orz

一二三なりに考えている展開はあるんですが、かなり読む人を選ぶ内容なので、今はまだUPする勇気が足りないですね・・・。

希望があればなにかしら書きたいとは思っています。

また応援のほど、よろしくおねがいしますねv
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.05,Sun 23:16:33 / Edit
なぎさ様、拍手ありがとうございます!
初めまして、なぎさ様!
いつもお世話になっております、一二三です☆

今回は拍手に加えメッセージも頂きまして、本当にありがとうございます!v

また是非来てくださいね!
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.06,Mon 21:13:16 / Edit
長谷川様、初めまして!
拍手、メッセージまっことありがとございます!

同じ地元の方が来てくれるとはちいとも思っちょりませんでしたき、たまげたぜよ☆!

とかなぜか急に土佐弁をしゃべりだす一二三です…!!
↑ おまん、今まで標準語?言いよったやんか!!w

まじっすか!!?(;゚Д゚)
長谷川様、一二三の同級生とかじゃありませんよね!?;

はわわわ・・・・!(焦)
牙狼ファンの方が地元にいらっしゃるとは思いもよりませんでした・・!!
地元に泥を塗る全力の変態でスイマセン!;orz

これからも牙狼loveで頑張りますので、また来てください!!

こじゃんちv喜びます!!
Posted by 一二三(管理人)です - 2010.12.08,Wed 21:11:58 / Edit
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