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Posted by 一二三 - 2012.02.14,Tue
一二三だよ!ww
 
皆様、良いバレンタイン過ごしましたか?
ちょっと遅いですけど一二三からもバレンタインプレゼンツ!ということでw
 
小説UPします。
 
あ~、そう!wメールで一二三にスイーツ画像送ってくださった方々、本当にありがとうございました!
「チョコクッキー作りましたよ~!」とか「チョコドーナッツ作ったので画像だけプレゼント!」などw
ほんとよだれが滴りましたww笑
ありがとうございますv
 
 
さて今回はバレンタインをテーマに書きましたが、どうなってるでしょうね?;
一二三のことだから相変わらず脱線しまくりですが、よろしくお付き合いくださいませv
 

!恒例の注意v!
 ・妙に回りくどい話
 ・いちゃいちゃ→暗転→以下略。(裏シーン書ける時間があれば後日UPします;ごめんね!)
 ・結論に行くまでが無駄に長い
 ・一部、去年のバレンタインを引きずっている
 
 
以上、注意を踏まえて「つづき」クリックで小説 『 1:1.618 』にどうぞ☆



 
1:1.618…。
 
それはこの世界で最も美しい比率。
 
 
人間でいうと、手の甲の長さと指の長さ。
第2関節までの長さと第1関節の長さの比較。
 
ミケランジェロのミロのヴィーナスも、ピラミッドもこの比率で作られている。
 
 
氷の結晶・・・“六花”も1:1.618…。
六角形は三角形6つで構成されていて“三”という数字は神の数字だそうだ。
 
 
それは自然がつくりだした精緻な理。
 
 
 
 
 
『 1 : 1.618 』
 
 
 
 
 
「わぁ!素敵!」
 
美術史の本を探しに市民図書館を訪れていたカオルは、美術史とは全く関係の無い図鑑に、感動していた。
 
それは顕微鏡で撮影された氷の結晶の写真だった。
 
「こういうのが固まって落ちてくるのが雪なんだ~~。」
 
せっかくなら、この形のまま落ちてくればいいのに・・・、とカオルは思う。
 
美しい宝石細工のような結晶の数々にカオルは見惚れた。
 
 
「鋼牙は知ってるかなぁ・・・?」
 
よし!この本借りて帰ろう。
絵のインスピレーションも湧いてきたし、資料としてもちょうどいい。
 
それに鋼牙にも見せてあげたいから。
 
 
―――・・・
 
 
その日の夜は指令書もなくて、私は鋼牙に昼間借りた図鑑を見せに行った。
 
「氷の結晶ってね、ひとつひとつ全部形が違うの。
 でも六角形ですごくきれいでしょう?
 世界で一番美しい比率なんだって。」
 
勝手知ったる鋼牙の部屋。
ベッドの上で寝そべり足を投げ出して図鑑を広げると、鋼牙は縁に腰かけながら覗き込む。
 
「フェボナッチ数のことか?」
 
「え?ふぇ?」
 
「フェボナッチ。
 イタリアの数学者だ。
  1:1.618は黄金比といわれている。」
 
「あーー、わかる!!
 レオナルド・ダヴィンチもその黄金比を発見していた、って。
 絵画の安定して美しい構図の基本よ。
 わ~~、初めて鋼牙の言ってること解った気がする・・・!」
 
「そうだな。
 その辺はお前の得意分野だ。
 氷の結晶か・・・。」
 
口元を和らげる鋼牙に、なんだか褒められたような気がして嬉しさに全身の力が抜けた。
べたっとシーツに腹ばいになる私から鋼牙が図鑑を抜き取り、結晶の写真を眺める。
 
「顕微鏡じゃなきゃ見えないなんてもったいないよね~。 
 この結晶のまま降ってくれば綺麗だと思うのに。」
 
「・・・見に行くか?」
 
「え?」
 
「最近みたいに寒い日なら、肉眼でも見やすいんだ。
 幸い、ここは北の管轄だから雪に不足は無い。
 はっきり模様まで見るにはルーペが必要だが、大体の形くらいはわかるだろう。」
 
「いいの!?」
 
がばっと起き上がると、鋼牙は少し驚いた。
 
「あ・・あぁ;だがこの図鑑みたいにはっきりとは見えないぞ。
 よく目を凝らせば形が分かる程度だが・・・」
 
「行く!!行きたい!
 うれしい~~!!」
 
「ただしオブジェの浄化の合間、尚且つ雪が降ったらだ。」
 
「うんっ!
 ありがと、鋼牙!」
 
「別に・・・///
 そんなに喜ぶことか?」
 
鋼牙は目線を外しながら図鑑を閉じてサイドボードに置く。
 
氷の結晶も見たいけど、鋼牙と一緒に出掛けられるのが嬉しいの。
 
「うん!だって明日はバレンタインデーだもん。」
 
バレンタインデーにデートできるなんて。
 
「あ、そうだ鋼牙。
 鋼牙は甘いもの苦手でしょ?
 チョコレートを貰っても困るよね?」
 
 
「俺は・・・去年と同じでいい。」
 
去年って・・・。
 
「カカオ90%のチョコ?」
 
「じゃないほうだ。」
 
チョコじゃないほう?・・・ 
 
・・・・!!!
 
 
記憶を遡って思い当たったものに、一気に体温と心拍数が跳ね上がる。
 
ギ・・・と軋む音を立てて鋼牙が乗り上がった。
その真剣な瞳に覗き込まれると何も言えなくなる。
 
ベッドの縁に追い詰められながら、私は慌てふためいて両手をつっぱねた。
 
「まっ;や・・バレンタインデーは明日だし・・・!;」
 
「そうだな。
 だが、去年と同じ轍は踏みたくないんだが。」
 
確かに去年は酷かったし、明日だって指令書が来るかもしれないけど。
 
「こっ心の準備がっ・・・!///」
 
ベッドまで追い詰められておきながら、この期に及んでゴニョゴニョ言う自分に呆れる。
 
なんでいつも素直に身を任せられないの?
怖いわけじゃないのに・・・。
 
そう、鋼牙が怖いんじゃない。
自分がどうなっちゃうのか分からないから、不安なんだ・・・。
 
だって、鋼牙の期待と違ってたら?
悲鳴とか上げて引かれちゃったら?
 
私が真剣に考え込んでいると、鋼牙がふっと笑った。
 
「冗談だ。」
 
そう言うと、くしゃりと私の頭を撫でて鋼牙はベッドを下りる。
 
思わず伸ばしそうになった手を引っ込めた。
 
迫られると足踏みするくせに、離れられると寂しい。
 
考えてみれば、いつも鋼牙の優しさに甘えてる・・・。
嫌なことや乱暴なことをされたことなんて一度もない。
 
いつだって私の我儘をきいてくれて・・・。
 
背中を向ける鋼牙に、私もベッドを下りて後ろから抱きついた。
 
たじろぐ彼の背中に額を当てて、私は意を決して告げる。
 
「心のじゅんび・・・あと99.9秒で出来そう・・・だから・・。」
 
う~~・・・言っちゃった・・・顏が熱い///
ふう、と吐息をついて鋼牙の腰に巻きつく腕の力を強めると、「ぐ・・・」と耐えるように彼は口を噛んだ。
 
「99.9秒は・・・長いな・・・。」
 
律儀にも直立不動で待つ鋼牙に、ふっと笑いが込み上げる。
 
背中に抱きついた時から覚悟なら決まっていた。
 
 
 
 
―――・・・・
 
 
「おい、カオル・・・。」
 
「・・ん?うぅ~~ん」
 
暖かい腕に包まれて、気持ちよく寝入っていた私はその腕に揺さぶられて起こされた。
 
「雪だ。」
 
ベッドから見える窓辺を鋼牙が指さす。
 
ちらり、ちらり、と舞い降りる粉に私は布団の中から「わぁ!」と歓声を上げた。
 
明け方から降り始めたらしい雪にこんなに感謝したのは初めてかもしれない。
いつもなら、「あ~~、出かけるの大変だなぁ~」って思うのに。
 
「ねぇ、鋼牙!見える?見えるかな!?♪」
 
すぐ隣で枕に頬杖ついている彼にワクワクしながら尋ねた。
 
「あぁ・・たぶんな。」
 
「じゃあ、行こう!
 すぐ行こう!」
 
「・・・・俺はもう少しこうしていたいんだが・・・。」
 
布団の中で、鋼牙が私を抱きしめる。
 
「布団から出たくないんでしょ?
 寒いもんね。
 でも雪が止んじゃったら見えないから早く!!」
 
「・・・・。
 ・・・・起こすんじゃなかった。」
 
「何か言った?」
 
「言ってない。
 ところで、カオル・・黒色の毛糸衣類持ってるか?」
 
「ミトンの手袋があるけど?」
 
「あぁ、それがいい。
 それをつけて行け。」
 
それだけ言うと、鋼牙はけだるそうにベッドから出た。
 
私も起きようと体をずらした時、「おい」と声をかけられる。
その時、顔面にぼさっと自分の白いカーディガンが被さった。
 
「わぷっ!」
 
「着て出たほうがいい。部屋の中とはいえ今朝は冷える。」
 
「あ、ありがと。」
 
渡されたカーディガンに昨夜引っぺがされた時のことを思い起こされ、途端に恥ずかしくなる。
鋼牙はいたって普段通りなのに自分ばかり気にしているみたいで、釈然としない。
 
今だに二人で一夜に過ごした後の明け方というのは、照れくさいし緊張してしまう。
 
・・・私だけ、かなぁ?
 
「一階で待ってる。」
 
「あ、うん!
 私も着替えたらいくね。」
 
 
一足先に部屋を出ていく鋼牙に倣って、私もカーディガンを羽織ると自分の部屋に着替えに行った。
 
 
―――・・・・
 
 
 
 
「あーーー!」
 
いつものように朝食の席に着いた時、私は携帯電話を握りしめて叫んだ。
 
「亜佐美から電話だ!」
 
今朝、雑誌の挿絵を届ける予定だったのすっかり忘れてた。
物は出来てるから、あとは届けに行くだけなんだけど。
 
「ごめん!鋼牙~!
 ちょっと出かけてくる!
1時間で戻ってくるから待っててくれる?」
 
 
「あぁ、分かった・・・・それだと都合がいい。」
 
「え?何が??」
 
「・・・・。
 とにかく待っていてやるから行って来い。
 ゴンザ、“あれ”は俺が受け取るからカオルを車で送ってやってくれ。」
 
「畏まりました。」
 
え?え?何の話?
あ・・・!そっか。きっと去年も来たような大量のチョコレートが届くのね!
 
「モテる人はたいへんねー。」
 
茶化していうと、ジロリと睨まれた。
 
「それはお互い様だ。」
 
 
まったく言われた意味が分からなくて、頭の上に疑問符が浮かぶけれど、時計を見ると考え込んでる余裕はない。
 
目の前のクロワッサンを口に咥えて、私は慌てて席を立った。
 
「いってきまーふ!」
 
 
 
ゴンザさんに車で送ってもらい、亜佐美に無事原稿を渡すと再び車に飛び乗った。
 
「あ~~、雪止んだりしないよね?」
 
車のフロントガラスにぶつかってくる雪を眺めながら、不安そうに口にするとゴンザさんがにこやかに答える。
 
「大丈夫でございますよ。
 予報ではお昼までは降る様ですから。」
 
「ほんと?
 でも雨に変わっちゃうかも・・・。」
 
「午後にはそうなるでしょうな。」
 
「ねぇ、ゴンザさんは氷の結晶みたことある?」
 
「実物はございませんが、刺繍やキルトで知っておりますよ。
 昔から、人々はあの美しさに魅了されてきたのでしょうなぁ。」
 
 
なるほど、と私は思った。
 
昔の人も意識はしてなくても、氷の結晶の形を美しい、って感じるんだね。
 
それはやっぱり比率が1:1.618だからなのかな?
 
じゃあ、人間の身体を美しい、って感じるのも多くのバランスが1:1.618で構成されているからなんだろうか。
 
ぱっと自分の手を開いて見てみる。
 
自分の手を綺麗だと感じたことは無いけれど、鋼牙の手は綺麗だ。
 
均整のとれた美しさ。
 
それは自然がつくりだした精密な設計であり、人体もその一部。
 
そう考えると世界って不思議・・・。
 
 
 
 
―――・・・
 
 
「ただいまーー!」
 
「帰ってきたか。
 カオル、すぐに出るぞ。」
 
「うん!」
 
「ゴンザ、後を頼む。」
 
「かしこまりました。
 気をつけて行ってらっしゃいませ。」
 
 
厚さ30㎝ほどに積もった雪の上をのしのし歩く。
 
鋼牙が先導していく道は、まだ朝の9時前のせいか人の足跡も見えない。
 
「鋼牙、どこに見に行くの?」
 
「林のほうまで。
 あの辺りなら木以外他に目立つものも無いし、見やすいだろうと思ってな。」
 
歩いて15分くらい。
 
木々がだんだん増えてきた。
 
葉も落ち切って、枝だけになった木々はさぞかし寂しく見えるだろうと思っていたのに、雪が降り積もったそれは、まるで白い花を咲かせているみたい。
 
「わぁ!雪化粧ってこういうのなんだろうね!」
 
文豪たちが感動するのも分かる。
 
空から降ってくる粉雪も相まって、美しい情景になっていた。
 
車の通る音も、騒がしい街の音もここには届かない。
辺り一面真っ白で静かなこの場所は、まるで別世界のようだった。
 
 
「寒くないか?」
 
「寒いよ~、でも平気!」
 
「カオル、手袋をかざせ。」
 
「うん!」
 
鋼牙に言われた通り、ちらちら降ってくる雪を黒のミトンで受け止める。
 
手袋についた氷の粒。
 
「よく目を凝らしてみろ。
 あぁ・・息はかけないように。」
 
あ、そっか。
溶けちゃうもんね。
 
 
じいっと目をよくよく凝らしてみると、透明な粒はまるで小さな小さな花のようだった。
 
直径2ミリほどの氷の花。
 
それはとても小さいけれど、きれいで愛らしくて、心が躍った。
 
「わーー!すごいすごい!
 本当に見えた!」
 
「カオル、枝や地面に積もっているのも見えるぞ。」
 
「えっ?
 ほんとだ~~!
 すごーい!一つ一つ形が違う!」
 
あんまりのはしゃぎように、鋼牙は少し辟易とした顏を見せる。
 
「まるで子供だな・・・;」
 
「だって見てよ~!
 こんなの初めてだもん!」
 
何しろ肉眼で見れるなんて知らなかったんだから。
 
「きれ~~!これが黄金比なんでしょ?
 自然はいい仕事するよねー!」
 
なんだそれは、と心底呆れられる。
 
「鋼牙だって世界で一番、綺麗だと思うでしょ?」
 
 
「世界で一番かどうかは分からないが・・・。
 俺にとっての一番なら別にある。」
 
へぇ、なんだろう。
 
「鋼牙にとって一番きれいなものって何?
 私はね・・・」
 
鋼牙、あなたが・・。
 
 
「それは俺には手が届かないんだ・・・。」
 
その言葉に私は声を失う。
 
雪景色を見ているようで、どこか遠い眼差しで語る鋼牙。
彼の目線の先が何を表しているのか私にはわからない。
 
 
きっと鋼牙の思い描くものは私のそれよりもずっと大きくて、重いのだろう。
 
 
「いつかは、手が届くといいね・・・。」
 
その日がくることを心から願ってる。
でも・・・
 
「ねぇ、その時、鋼牙のとなりに私はいる?」
 
寂しかった。
彼の中に、自分の居場所がほしかった。
 
 
「・・・・。あぁ・・・。」
 
ほんの少しだけ、垣間見える・・・・複雑な表情。
 
「きっとだよ?」
 
「きっと。」
 
曖昧な約束。
 
でもそれだけで十分だった。
 
傍にいられるならそれ以上何も望まない。
 
 
「ありがとう・・・鋼牙。
 安心、できるよ・・。」
 
そっと鋼牙の肩に寄り添いながら、見渡す限りの真っ白な世界を見つめる。
 
 
「ねぇ、鋼牙・・・。
 
 綺麗だね。」
 
 
「あぁ・・・綺麗だ。」
 
私を見下ろす鋼牙の優しい瞳に、まるで自分に向けて言われているような錯覚をした。
 
そんな風に言われたら・・・、勘違いしてしまいそうになる。
 
・・・鋼牙の一番になりたい。
 
鋼牙の一番きれいなものになりたいけれど、やっぱり手が届かないのは嫌だから・・・。
 
 
せめて私は・・・彼が手を伸ばせば届く存在でいたい。
 
「鋼牙、・・六花ありがとう。」
 
「大したことじゃない・・。」
 
「ううん。
バレンタインに鋼牙からお花を貰えるなんてすごく嬉しい! 
それも雪の花なんて・・・。」
 
 
「・・・見えてよかった。」
 
「うん!
 一緒に見れて本当によかった!
鋼牙からお花をプレゼントされるのなんて、一生無いと思ってたもん。」
 
私の一言に、なぜか鋼牙は目を逸らして頬を薄っすら赤らめた。
 
「・・・・////」
 
「え?なに??」
 
「か、帰るぞ・・!」
 
鋼牙はぎゅっと私の手をつないで踵を返す。
 
「えーー、せっかくの氷の結晶もっと見たい~~!」
 
「うるさい。
 風邪をひかれたら困る。
 お前の顔、サルみたいに赤いぞ。」
 
「ひどーーい!!
 寒いんだからしょうがないでしょ。
自分だって顏赤いくせに~~!」
 
 
 
 
―――・・・
 
その後、冴島邸に帰り着くとゴンザがバスタオルを持って待ってくれていた。
 
「鋼牙様、カオル様。
 氷の結晶は見えましたか?」
 
「うん!ゴンザさん、あのね肉眼でも見えたんだよ!」
 
カオルは手渡してもらったバスタオルで軽く水気をふき取りながら答える。
 
「ほう、それは良うございました。
寒かったでしょう。
暖かいお飲み物をお入れしますよ。」
 
 
「ありがとう!私先に着替えてくるね~!」
 
ぱたぱたと上機嫌で階段をかけのぼるカオルを鋼牙とゴンザは見送った。
 
「カオル様、あんなにお喜びになって・・・。
 お部屋をご覧になったらますますお喜びになられるのでは?」
 
「あ・・・う・・///」
 
ニヤニヤとからかう執事に、鋼牙は何も言えず俯く。
 
その時2階からカオルが甲高い声で叫んだ。
 
―「きゃあああーーーー!!」
 
嬉しい悲鳴。
 
ドタバタと大きな物音が響く。
 
遠ざかったはずのカオルの足音が、再び階段に向かっているのに気が付いた鋼牙は、逃げるように慌てて玄関のドアノブを回した。
 
「鋼牙様・・・どちらへ?」
 
「仕事だ!!////」
 
 
そのまま大慌てで走りだした主の顔が真っ赤なのを、しっかりと見届けたゴンザはニヤニヤと笑う。
 
バタバタと階段を一段飛ばしで駆け降りてくるカオルの顔も赤い。
 
「こここ鋼牙はっ!?」
 
「鋼牙様ならお逃げになられました。」
 
「なんですって!?待ちなさい!!こうがぁーーー!!」
 
 
「いってらっしゃいませ~~!」
 
賑やかな二人が慌ただしく玄関を走り抜けるのを、執事は微笑ましく眺める。
 
バレンタインデーは本来、男性から女性に花を贈るのが正統だとお話したのが功を奏しました。
 
花を女性に贈ったことなどこれまで一度もなかった鋼牙様。
きっとどういうお顔をしていいか分からないのでしょう。
 
朝方、カオル様のお部屋に運び込まれるのを、ご本人に見られなかったのは思わぬサプライズでしたな。
 
さて、お二人が帰ってくるまでに色とりどりのバラでいっぱいになったカオル様のお部屋を、少し片付けましょうかね。
 
 
 
 
二人を待つ間、バラのジャムが入ったチョコレートをつくる。
 
口に広がるバラの香りと、チョコレートの甘さに執事は顔をほころばせた。
 
 
 
 
 
 
 
end

いまいち噛みあわない人達part2ww笑
 
部屋いっぱいにお花のプレゼントというのは女性なら憧れるのではないでしょうか。
と一二三は勝手に思っているww
 
氷(雪)の結晶は綺麗ですよね~!
フリー画像で良いのがあったので、うp♪(クリックで拡大できます)


 
 

拍手[45回]

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Comments
ぐみ☆様、拍手今回もありがとうございます!
いつもお世話になっております!
メッセージありがとうです☆

いいですね、恋w
一二三もときめく心を取り戻したい!ww笑

雪の結晶、人生で初めて見たのは北海道旅行に行った時でした。
美しさに本当に感動したものです!

次回も宜しくお付き合いくださいね。
Posted by 一二三(管理人)です - 2012.02.27,Mon 20:53:47 / Edit
是空様、ほんといつもありがとうございます!!
拍手メッセージ嬉しい~!vです!
そして鋼牙に激励ありがとうございます!!

一二三しかと受け取りました・・!d(´Д`*)

鋼牙が男らしく○○する日も近い?かなww
またメッセージお待ちしてます!
Posted by 一二三(管理人)です - 2012.02.27,Mon 20:54:18 / Edit
みっきー様、ガロだけに黄金比率ww
拍手メッセージありがとうございます!!
ええ、ガロだけにw黄金比率です・・・!
結局、ギャグかい!とつっこまれそうww

そうですよね!みっきー様も南国育ちで雪を見たこと無いんですよね!
一二三のトコも全く降らないんで、初めて北海道で見た時はそれはもう感動しました。

来年はぜひともカオルの手作りバレンタインをば!w
Posted by 一二三(管理人)です - 2012.02.27,Mon 20:54:49 / Edit
龍鈴様、お説教は一二三も同席すべきでしょうか!?
拍手メッセージありがとうございますw

鋼牙とカオルにお説教したいということですので、わたくしも同席したほうが宜しいでしょうかww笑
というより、わたくし一二三も鋼牙とカオルには一言物申したいのですが、この場を借りて宜しいでしょうか?w

クリスマスのアレは、『メランコリー』の方で返答させていただいた感じですが、どうでしたか?♪
ヤキモキしていただけたら幸いです!(*´∀`*)
Posted by 一二三(管理人)です - 2012.02.27,Mon 20:55:32 / Edit
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