Posted by 一二三 - 2012.06.05,Tue
こんばんは!一二三です。
やっぱり休みがないとキッツイね!;汗
取り急ぎUPだけして逃げます。
明日あたりにちゃんとあいさつします;すいませんorz
~と、いうわけでw追記です(6/5)~
いやぁ~!ほんっとすいませんでした!;
日曜にUPしたかったですけど、あんまりな出来だったので・・・少々お時間を頂きました。
焦ってUPは良くないですね;苦笑
と、毎回思うんですけどもw推敲をしていく内に、「だめだ!こりゃ駄作だ!」と過去何度も没にした経緯があるので、
週一UPくらいは逃したくなくて、ですね・・・;今回はもう開き直ってUPしました。
もし昨日UPしてなかったら確実にゴミ箱に行ってました・・・ははは;
やはり裏をUPするのは勢いが必要のようです。
どうも苦手ですね。ラブシーン濃い話はww難しい(;´Д`)
拍手くださった皆様、本当にありがとうございます。
これに懲りずにまたお付き合い頂ければ幸いですv
さて、今回はUPのお話 『金曜日のライオン』は『under gerden』にて全文公開しております。※鋼カオです
18歳以下の方は、こちらでUPしてる前半部分のみでお許しくださいね;
(後半も大したことないですからw)
!注意!
・前回UP「女達よ、銃を取れ」の後話です
・一部、下ネタ
・途中から「under gerden」行です
・前半は「つづき」クリックで読めます
それでは「つづき」クリックで 小説 『金曜日のライオン』へどうぞv
暦は6月。
季節は夏に向かって歩み、昼間の時間が長くなったように思う。
オブジェの浄化を済ませて御馴染みの時刻に帰路についたとしても、辺りは今だ夕暮れの景色ではない。
その事実は少しばかり鋼牙の心を軽くした。
一日は24時間・・・このルールに変わりはないが、昼間が長いということはそれだけで帰宅が早いと錯覚させてくれる。
今夜こそは先延ばしにしていたカオルとの話し合いが出来るのではないか。
屋敷への距離と比例するように、鋼牙は頭を仕事から個人的なことへと徐々に切りかえる。
よぎるのは彼女の笑顔。
・・・・今さら話すことが格別あるわけではない。
話すべきことは話したはずだし、婚約したからといって自分達の何が変わる訳でもないだろう。
ただ、なぜかあの日以来カオルは自分と距離を置くようになった。
それはほんの些細でどこかやんわりとした拒絶。
些細だからこそ強く問い詰めることも出来ない。
仮にそれが嫌悪から来る拒絶ならば、納得はできずとも理解はできるはずだが、どうも嫌悪とは違う気がする。
カオルが今、その胸に何を抱えているのかを知らなければ自分には成す術が無い。
我ながら情けない話だ。
それはさながら牙を抜かれた狼か。
鬣(たてがみ)をはぎ取られた獅子か。
『金曜日のライオン』
「はぁ~~、大丈夫。
大丈夫よ、カオル・・・出来る、出来る・・・」
鋼牙の部屋の扉の前で深呼吸をしながら、自分に言い聞かせる。
今夜は幸いにも指令書は無く、鋼牙はいつもより早めにお風呂に入り今は自室でくつろいでいるはずだ。
「今夜こそは、ちゃんと目を見て話すのよ!
心臓が口から飛び出そうになっても根性で我慢するの!」
もうすでにバクバクと早鐘を打つ胸はあまりに頼りないが仕方ない。
胸元で握りしめた両手に目を落とすと左中指の指輪が光った。
これを再び贈られたあの日・・・嬉しすぎて部屋中をゴロゴロと転がりまくったのは誰にも言えない私だけの秘密。
壁に後頭部を強か打ち付けて悶絶したのもいい思い出だ。
あぁ、痛い・・・痛いけど現実・・・!!
本来の目的を見失いそうになり、再び自分の頬をつねって気合を入れ直すと、目の前の扉をようやくノックした。
「こっ、こうが!;わ、私だけど・・・」
声をかけると、中からガンッ!と大きな物音が聞こえてきた・・・!
驚いて慌ててドアノブを握り扉を開けようとするけれど、中から抑えられる。
えっ!?何で入れてくれないの??;
「大丈夫!?」
―「な、なんでもない・・・!」
扉一枚を隔てた向こうから、鋼牙の武骨な声が聞こえてホッと安心した。
「あ、あのね・・・///
話があるんだけど、ちょっといい・・?」
―「・・・・・。
よかろう、そのまま話せ。」
“よかろう”・・って;
いや、あのね!会って話したいんだけど。
すごく覚悟を決めて部屋を訪ねたのに出鼻を挫かれて、若干苛立ちすらおぼえる。
「部屋、入っちゃダメ?
会って話したいんだけど・・・・」
窺うように訊ねると、扉はうんともすんとも言わず沈黙した。
そのまま10秒ほど経った後だろうか。
まるで観念したようにゆっくりと中から扉が開いた。
―――・・・・
扉を開けた鋼牙はすぐさま背面を向けて、表情を覗うことも出来ない。
一抹の不安がよぎるけれど、鋼牙と二人きりの空間はあのプロポーズされた日以来で、不安は胸のときめきにすぐに塗りかえられる。
話があるから、と入ったは良いものの・・・何から話せばいいのかわからない。
言葉を探して目線を泳がせたが、必要最低限のものしか置かれてない部屋には会話のきっかけになるような物もない。
当然のように視線は目の前の鋼牙に向く。
今は白いYシャツに包まれた広い背中にドキリと心臓が跳ねた。
肩甲骨が作り出す美しいラインに見惚れながら必死に頭を働かそうとするけれど、大好きな匂いで満たされた部屋が更に集中を邪魔してくる。
「・・・カオル。話を聞く前に、先に訊いてもいいか?」
「ふえ?;ああ、うん!どうぞ!;」
ぼ~~っとしていたせいで予期せぬ申し出に驚く。
相変わらず鋼牙は背中を向けたままだ。
「・・・俺のこと、嫌いになったか?」
「えっ!?」
寝耳に水というか、思いもよらない言葉だった。
「ここ最近、見つめれば目を逸らすし、触れようとすれば避ける・・・。
嫌いになったわけじゃないなら何故か理由が分からないんだが。」
「違うの!それはっ・・・」
ああもう。なにやってるの私。
自分の最近の行動を思い返して、冷や汗が滲む。
鋼牙がそういう誤解をしても仕方がないもの・・・。
目を逸らしちゃうのは、ずっと鋼牙のこと見てるってバレたら恥ずかしかったから。
接触を避けたのは、それだけで昇天しそうだったから。
「だって・・・・バレるじゃない。」
「バレる?」
何が?という感じで鋼牙が振り向いた。
「だだだだって!;
私ばっかり嬉しいみたいなんだもん!///w
婚約しても鋼牙は冷静だし、今まで通りなのに私だけひとり舞い上がってて・・・!
どきどきしっぱなしだし、やたら恥ずかしいし!
鋼牙にどう見られてるのか考えると細かいことばかり気になるし!
絵を描いたら“カオルさん、頭の中お花畑ですか?”なんて仕事先で呆れられちゃうし!
全部全部、鋼牙のせいなんだからねっ!」
・・・こんなのみっともない。
ほんとは鋼牙みたくカッコよく振る舞ってみたい。
「婚約したの、うふふ」なんて言って自慢してみたり。
でもそんな余裕ないのよ!!;
こちとら人生初めてのプロポーズに頭ん中、お祭り騒ぎですよ!
そんな時に、結婚話進められて冷静に『仕事をとるか女をとるか』って考えてる邪美さんを目の前にしてみなさいよ!
私が馬鹿みたいじゃない!///
一気にまくしたてるように言うと、顔から火が出そうなくらい血圧が上がった。
ぜぇぜぇ、と肩で息をしながらチラリと鋼牙を覗うと、下から睨み上げたように見えたのか一瞬気まずい表情を浮かべる。
「すまん・・・配慮が足りなかった・・・。」
「ううん、鋼牙悪くないよ・・・ごめんね。」
素直な話、『嬉しくてたまらかった』だけ。
余計な意地を張るから、余計に恥ずかしい感じになるのかな。
我慢せずに鋼牙に素直になれば・・・。
「カオル、お前はひとつ誤解している。」
「え?」
「別に俺は冷静でも落ち着いてもいない。
口ではお前をおとしてみせる、と豪語してはいるが本当はお前の態度一つにも怯えている。」
それは数少ない彼の本音をこぼした言葉だろう。
でも、冷静じゃない鋼牙なんて見たこと無い。
鋼牙でも慌てたり緊張したりすることあるのかな?
「そうなの?
でもだって、プロポーズの時もすっごい落ちついてたじゃない。」
「あれは・・・っ///」
鋼牙はハトが豆鉄砲を食ったような表情を浮かべるとすぐに口を噤んだ。
そっぽを向いた鋼牙の首がみるみる赤くなっていく。
「何よ?」
本当は緊張してたけど隠してた、とか?
それならそうと言ってくれれば、私も安心できるのに。
「・・・・。
お前に格好悪いところなんて見せられるか・・・。」
それは小さな舌打ちとともにぼそっと呟かれた。
「ぷっ!ふふふっ!」
鋼牙の不貞腐れた態度に、私は思わずお腹を抱えて吹き出す。
「なぁに~!子供みたい!」
「うるさい・・・///
とにかくこの話はもう終わりだ!」
なぁ~んだ。
私ばっかり舞い上がってるんだと思ってた。
ここしばらく開いてしまった鋼牙との距離が、徐々に埋まっていくのを感じる。
身の置き場が無かったこの部屋も、居心地のいい場所に変わっていく・・・。
恋に騒いでいた心が静まって、その代わりにとても愛おしいものが溢れた。
たぶん、これまで以上に大きな・・・。
「・・・それで、お前の話というのは何なんだ?」
鋼牙は赤くなった顏を背けたまま尋ねた。
「あ、あぁ~~あのね、実はお願いがあるんだけど。」
そう・・・今夜は邪美さんに言われたアドバイスを実践するために来たのだ。
―――・・・・
「えへへ~v」
「・・・・ご機嫌だな。」
ソファに腰かけて本を読む鋼牙の膝に、私は頭を乗っけてにんまりした。
邪美さんから言われたアドバイス。
『アンタが鋼牙に甘えれば、鋼牙もアンタに甘えられるんだよ』
一瞬、何を言われたのか分からなかったけど、邪美さんには全部分かっちゃってたんだろうなぁ。
下から鋼牙の顔を見上げると、白い首筋と美しい顎のラインが一際目にとまった。
「スケッチブック持って来ればよかった~。」
「俺の膝から何が見える?」
描くほどのものなんて見えないだろう、と呆れた声が降ってくる。
そんなことない。
ここから見える景色は、本当に綺麗・・・。
「鋼牙が見えるよ!」
私の声に応えるように、鋼牙は文面に落としていた目線をもっと下げて私の目を見つめ返した。
「でもこの枕硬い・・・。」
首の居心地が悪くて、ゴソゴソと狭いソファの上を動く。
「文句言うな。
・・・・お前のは柔らかそうだ。」
「ぜい肉って言いたいの~?」
もぉ~~失礼しちゃうよね。
そんなこと言うなら代わってあげないんだから!
ふんっ、と仰向けから横に向きなおると頭がずれて、鋼牙の身体の中心に頭が落ちる。
「・・・!」
うん?なんか太腿とは違う感触・・・・
その時、急に鋼牙が息を詰めて立ち上がった。
おかげでソファから転げ落ちてごんっ!!と床に頭を打ってしまう。
「いったぁ~~い!ひどーい!」
いきなり何よ~~。
そういえば、ず~~っと前にも地べたに落とされたことあったっけ。
「・・・すまん;」
鋼牙は慌てて私の手を取ると、立たせてもう一度ソファに座り直させてくれた。
あの頃に比べれば随分優しくなったなぁ・・・鋼牙。
でも鈍い頭痛に恨み言の一つも言いたくなって、つい悪戯心が沸く。
「ひどいなぁ~~。
何で急に立つの?
さっきもなかなか部屋に入れてくれなかったからショックだったんだよ~?」
別に本気で責めてる訳じゃないのに、鋼牙は何を思ったか私の前に跪いた。
「・・・白状する。」
「?」
「本当は、今日俺からお前の部屋に行くつもりだった。
だから、お前から訪ねてきて本当に驚いた。
それに・・・・。」
「それに?」
「すぐにお前を部屋に入れなかったのは、お前が来て舞い上がって緩み切った顔を見られるのが嫌だったから。」
「えええっ!?う、嘘だよ~~///
鋼牙の緩み切った顔なんて想像できない~~!」
「・・・それに。」
「ま、まだあるの?」
鋼牙は左腕をソファの背に、右腕を肘置きにかけて私の上に覆いかぶさる。
ソファの隅っこに追い詰められ、上から至近距離で熱っぽく瞳を覗き込まれると目を逸らすこともかなわない。
もうここは鋼牙のテリトリーだから逃げられない。
期待と不安に心臓が揺れる。
「こういうこと・・・・ したくなる。」
ささやかれた声はあまりに甘美で色っぽく、ちっぽけな理性は難なく籠絡されてしまった。
狭まる距離に、今度こそ顔を逸らさずに瞼を閉じる。
ゆっくりと、そしてそっと優しく重なった唇は柔らかくて・・・それだけで全身に電流が駆け巡るように痺れた。
―――・・・・
※続きは「under gerden」で。→ ■ (リンク)
季節は夏に向かって歩み、昼間の時間が長くなったように思う。
オブジェの浄化を済ませて御馴染みの時刻に帰路についたとしても、辺りは今だ夕暮れの景色ではない。
その事実は少しばかり鋼牙の心を軽くした。
一日は24時間・・・このルールに変わりはないが、昼間が長いということはそれだけで帰宅が早いと錯覚させてくれる。
今夜こそは先延ばしにしていたカオルとの話し合いが出来るのではないか。
屋敷への距離と比例するように、鋼牙は頭を仕事から個人的なことへと徐々に切りかえる。
よぎるのは彼女の笑顔。
・・・・今さら話すことが格別あるわけではない。
話すべきことは話したはずだし、婚約したからといって自分達の何が変わる訳でもないだろう。
ただ、なぜかあの日以来カオルは自分と距離を置くようになった。
それはほんの些細でどこかやんわりとした拒絶。
些細だからこそ強く問い詰めることも出来ない。
仮にそれが嫌悪から来る拒絶ならば、納得はできずとも理解はできるはずだが、どうも嫌悪とは違う気がする。
カオルが今、その胸に何を抱えているのかを知らなければ自分には成す術が無い。
我ながら情けない話だ。
それはさながら牙を抜かれた狼か。
鬣(たてがみ)をはぎ取られた獅子か。
『金曜日のライオン』
「はぁ~~、大丈夫。
大丈夫よ、カオル・・・出来る、出来る・・・」
鋼牙の部屋の扉の前で深呼吸をしながら、自分に言い聞かせる。
今夜は幸いにも指令書は無く、鋼牙はいつもより早めにお風呂に入り今は自室でくつろいでいるはずだ。
「今夜こそは、ちゃんと目を見て話すのよ!
心臓が口から飛び出そうになっても根性で我慢するの!」
もうすでにバクバクと早鐘を打つ胸はあまりに頼りないが仕方ない。
胸元で握りしめた両手に目を落とすと左中指の指輪が光った。
これを再び贈られたあの日・・・嬉しすぎて部屋中をゴロゴロと転がりまくったのは誰にも言えない私だけの秘密。
壁に後頭部を強か打ち付けて悶絶したのもいい思い出だ。
あぁ、痛い・・・痛いけど現実・・・!!
本来の目的を見失いそうになり、再び自分の頬をつねって気合を入れ直すと、目の前の扉をようやくノックした。
「こっ、こうが!;わ、私だけど・・・」
声をかけると、中からガンッ!と大きな物音が聞こえてきた・・・!
驚いて慌ててドアノブを握り扉を開けようとするけれど、中から抑えられる。
えっ!?何で入れてくれないの??;
「大丈夫!?」
―「な、なんでもない・・・!」
扉一枚を隔てた向こうから、鋼牙の武骨な声が聞こえてホッと安心した。
「あ、あのね・・・///
話があるんだけど、ちょっといい・・?」
―「・・・・・。
よかろう、そのまま話せ。」
“よかろう”・・って;
いや、あのね!会って話したいんだけど。
すごく覚悟を決めて部屋を訪ねたのに出鼻を挫かれて、若干苛立ちすらおぼえる。
「部屋、入っちゃダメ?
会って話したいんだけど・・・・」
窺うように訊ねると、扉はうんともすんとも言わず沈黙した。
そのまま10秒ほど経った後だろうか。
まるで観念したようにゆっくりと中から扉が開いた。
―――・・・・
扉を開けた鋼牙はすぐさま背面を向けて、表情を覗うことも出来ない。
一抹の不安がよぎるけれど、鋼牙と二人きりの空間はあのプロポーズされた日以来で、不安は胸のときめきにすぐに塗りかえられる。
話があるから、と入ったは良いものの・・・何から話せばいいのかわからない。
言葉を探して目線を泳がせたが、必要最低限のものしか置かれてない部屋には会話のきっかけになるような物もない。
当然のように視線は目の前の鋼牙に向く。
今は白いYシャツに包まれた広い背中にドキリと心臓が跳ねた。
肩甲骨が作り出す美しいラインに見惚れながら必死に頭を働かそうとするけれど、大好きな匂いで満たされた部屋が更に集中を邪魔してくる。
「・・・カオル。話を聞く前に、先に訊いてもいいか?」
「ふえ?;ああ、うん!どうぞ!;」
ぼ~~っとしていたせいで予期せぬ申し出に驚く。
相変わらず鋼牙は背中を向けたままだ。
「・・・俺のこと、嫌いになったか?」
「えっ!?」
寝耳に水というか、思いもよらない言葉だった。
「ここ最近、見つめれば目を逸らすし、触れようとすれば避ける・・・。
嫌いになったわけじゃないなら何故か理由が分からないんだが。」
「違うの!それはっ・・・」
ああもう。なにやってるの私。
自分の最近の行動を思い返して、冷や汗が滲む。
鋼牙がそういう誤解をしても仕方がないもの・・・。
目を逸らしちゃうのは、ずっと鋼牙のこと見てるってバレたら恥ずかしかったから。
接触を避けたのは、それだけで昇天しそうだったから。
「だって・・・・バレるじゃない。」
「バレる?」
何が?という感じで鋼牙が振り向いた。
「だだだだって!;
私ばっかり嬉しいみたいなんだもん!///w
婚約しても鋼牙は冷静だし、今まで通りなのに私だけひとり舞い上がってて・・・!
どきどきしっぱなしだし、やたら恥ずかしいし!
鋼牙にどう見られてるのか考えると細かいことばかり気になるし!
絵を描いたら“カオルさん、頭の中お花畑ですか?”なんて仕事先で呆れられちゃうし!
全部全部、鋼牙のせいなんだからねっ!」
・・・こんなのみっともない。
ほんとは鋼牙みたくカッコよく振る舞ってみたい。
「婚約したの、うふふ」なんて言って自慢してみたり。
でもそんな余裕ないのよ!!;
こちとら人生初めてのプロポーズに頭ん中、お祭り騒ぎですよ!
そんな時に、結婚話進められて冷静に『仕事をとるか女をとるか』って考えてる邪美さんを目の前にしてみなさいよ!
私が馬鹿みたいじゃない!///
一気にまくしたてるように言うと、顔から火が出そうなくらい血圧が上がった。
ぜぇぜぇ、と肩で息をしながらチラリと鋼牙を覗うと、下から睨み上げたように見えたのか一瞬気まずい表情を浮かべる。
「すまん・・・配慮が足りなかった・・・。」
「ううん、鋼牙悪くないよ・・・ごめんね。」
素直な話、『嬉しくてたまらかった』だけ。
余計な意地を張るから、余計に恥ずかしい感じになるのかな。
我慢せずに鋼牙に素直になれば・・・。
「カオル、お前はひとつ誤解している。」
「え?」
「別に俺は冷静でも落ち着いてもいない。
口ではお前をおとしてみせる、と豪語してはいるが本当はお前の態度一つにも怯えている。」
それは数少ない彼の本音をこぼした言葉だろう。
でも、冷静じゃない鋼牙なんて見たこと無い。
鋼牙でも慌てたり緊張したりすることあるのかな?
「そうなの?
でもだって、プロポーズの時もすっごい落ちついてたじゃない。」
「あれは・・・っ///」
鋼牙はハトが豆鉄砲を食ったような表情を浮かべるとすぐに口を噤んだ。
そっぽを向いた鋼牙の首がみるみる赤くなっていく。
「何よ?」
本当は緊張してたけど隠してた、とか?
それならそうと言ってくれれば、私も安心できるのに。
「・・・・。
お前に格好悪いところなんて見せられるか・・・。」
それは小さな舌打ちとともにぼそっと呟かれた。
「ぷっ!ふふふっ!」
鋼牙の不貞腐れた態度に、私は思わずお腹を抱えて吹き出す。
「なぁに~!子供みたい!」
「うるさい・・・///
とにかくこの話はもう終わりだ!」
なぁ~んだ。
私ばっかり舞い上がってるんだと思ってた。
ここしばらく開いてしまった鋼牙との距離が、徐々に埋まっていくのを感じる。
身の置き場が無かったこの部屋も、居心地のいい場所に変わっていく・・・。
恋に騒いでいた心が静まって、その代わりにとても愛おしいものが溢れた。
たぶん、これまで以上に大きな・・・。
「・・・それで、お前の話というのは何なんだ?」
鋼牙は赤くなった顏を背けたまま尋ねた。
「あ、あぁ~~あのね、実はお願いがあるんだけど。」
そう・・・今夜は邪美さんに言われたアドバイスを実践するために来たのだ。
―――・・・・
「えへへ~v」
「・・・・ご機嫌だな。」
ソファに腰かけて本を読む鋼牙の膝に、私は頭を乗っけてにんまりした。
邪美さんから言われたアドバイス。
『アンタが鋼牙に甘えれば、鋼牙もアンタに甘えられるんだよ』
一瞬、何を言われたのか分からなかったけど、邪美さんには全部分かっちゃってたんだろうなぁ。
下から鋼牙の顔を見上げると、白い首筋と美しい顎のラインが一際目にとまった。
「スケッチブック持って来ればよかった~。」
「俺の膝から何が見える?」
描くほどのものなんて見えないだろう、と呆れた声が降ってくる。
そんなことない。
ここから見える景色は、本当に綺麗・・・。
「鋼牙が見えるよ!」
私の声に応えるように、鋼牙は文面に落としていた目線をもっと下げて私の目を見つめ返した。
「でもこの枕硬い・・・。」
首の居心地が悪くて、ゴソゴソと狭いソファの上を動く。
「文句言うな。
・・・・お前のは柔らかそうだ。」
「ぜい肉って言いたいの~?」
もぉ~~失礼しちゃうよね。
そんなこと言うなら代わってあげないんだから!
ふんっ、と仰向けから横に向きなおると頭がずれて、鋼牙の身体の中心に頭が落ちる。
「・・・!」
うん?なんか太腿とは違う感触・・・・
その時、急に鋼牙が息を詰めて立ち上がった。
おかげでソファから転げ落ちてごんっ!!と床に頭を打ってしまう。
「いったぁ~~い!ひどーい!」
いきなり何よ~~。
そういえば、ず~~っと前にも地べたに落とされたことあったっけ。
「・・・すまん;」
鋼牙は慌てて私の手を取ると、立たせてもう一度ソファに座り直させてくれた。
あの頃に比べれば随分優しくなったなぁ・・・鋼牙。
でも鈍い頭痛に恨み言の一つも言いたくなって、つい悪戯心が沸く。
「ひどいなぁ~~。
何で急に立つの?
さっきもなかなか部屋に入れてくれなかったからショックだったんだよ~?」
別に本気で責めてる訳じゃないのに、鋼牙は何を思ったか私の前に跪いた。
「・・・白状する。」
「?」
「本当は、今日俺からお前の部屋に行くつもりだった。
だから、お前から訪ねてきて本当に驚いた。
それに・・・・。」
「それに?」
「すぐにお前を部屋に入れなかったのは、お前が来て舞い上がって緩み切った顔を見られるのが嫌だったから。」
「えええっ!?う、嘘だよ~~///
鋼牙の緩み切った顔なんて想像できない~~!」
「・・・それに。」
「ま、まだあるの?」
鋼牙は左腕をソファの背に、右腕を肘置きにかけて私の上に覆いかぶさる。
ソファの隅っこに追い詰められ、上から至近距離で熱っぽく瞳を覗き込まれると目を逸らすこともかなわない。
もうここは鋼牙のテリトリーだから逃げられない。
期待と不安に心臓が揺れる。
「こういうこと・・・・ したくなる。」
ささやかれた声はあまりに甘美で色っぽく、ちっぽけな理性は難なく籠絡されてしまった。
狭まる距離に、今度こそ顔を逸らさずに瞼を閉じる。
ゆっくりと、そしてそっと優しく重なった唇は柔らかくて・・・それだけで全身に電流が駆け巡るように痺れた。
―――・・・・
※続きは「under gerden」で。→ ■ (リンク)
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Comments
りのん様、元気出してくださいな(*´∀`*)
拍手ごちそう様です~☆
はいwこれからもドン亀更新で頑張りますw(゚ω゚*)
7月が楽しみですね!
りのん様も、お仕事頑張りすぎないようお身体大事にしてくださいね♪
クロ様、ご心配をおかけしまして;
生きてまーす!ww笑
拍手ごっちゃんです!
毎回、面白いコメント本当にありがとうございますv
裏コメントでしたが・・・
>『じっちゃんの〇ンタ枕は柔かったが 果たして鋼牙はドウナノカッ?!(ノω`●)ノ』
( ゚д゚)・・・とりあえず、君。
ちょっとこっちこようかww
名前と住所は?(※職質)
拍手ごっちゃんです!
毎回、面白いコメント本当にありがとうございますv
裏コメントでしたが・・・
>『じっちゃんの〇ンタ枕は柔かったが 果たして鋼牙はドウナノカッ?!(ノω`●)ノ』
( ゚д゚)・・・とりあえず、君。
ちょっとこっちこようかww
名前と住所は?(※職質)
やまぶき様、お久しぶりです☆
拍手メッセージありがとうございます!
うわーぉw日参嬉しいですv
最近は更新が少なくて申し訳ございません;
来月は仕事落ち着くと信じてる・・・!(;´Д`)
久々の裏庭UPでございましたが、色々内容が支離滅裂ですね;汗
もっと精進いたしますわv
これに懲りず、また遊びに来てくださいね~!
うわーぉw日参嬉しいですv
最近は更新が少なくて申し訳ございません;
来月は仕事落ち着くと信じてる・・・!(;´Д`)
久々の裏庭UPでございましたが、色々内容が支離滅裂ですね;汗
もっと精進いたしますわv
これに懲りず、また遊びに来てくださいね~!
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